表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『ギ。~感情を装備した少年たち~』  作者: 比呂石 凪


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/22

第19話「最後の戦い」

その日の夕方。

街に警報が鳴り響いた。

「全員、避難しろ!」

「ギ破壊者が来る!」

人々が逃げ惑う。

そして——。

街の入口に、大軍が現れた。

数百人。

全員が黒い服を着て、武器を持っている。

先頭に——ダクワーズ。

「今度こそ——」

ダクワーズは剣を掲げた。

「全てのギを、破壊する!」

大軍が、街へ侵攻を始めた。


図書館の屋上。

ロクマデス、メゼ、バクラヴァ、グリコ、トラハナスが集まった。

「来たな」

ロクマデスは呟いた。

「ああ」

トラハナスは頷いた。

「数が多い。苦戦するぞ」

「でも——」

グリコは言った。

「今度は、みんな一緒」

「そうだな」

バクラヴァは微笑んだ。

「俺も、戦う」

「お前たちと」

メゼは剣を抜いた。

「行きましょう」

五人は——。

街へ降りた。

ダクワーズの大軍と、対峙する。

「また来たのか」

ダクワーズはロクマデスを見た。

「今度は、仲間連れか」

「ああ」

ロクマデスは頷いた。

「俺たちは——」

ロクマデスは宣言した。

「ギを否定しない」

「でも、ギに支配されることも拒否する」

「ギは、道具だ」

「使い方次第で、善にも悪にもなる」

「だから——」

ロクマデスは拳を構えた。

「お前たちの破壊は、間違ってる」

ダクワーズは——。

笑った。

「綺麗事を!」

「ギは呪いだ!」

「存在するだけで、人を壊す!」

ダクワーズは剣を振り下ろした。

「だから——破壊する!」

大軍が、襲いかかってきた。

戦いが——始まった。


ロクマデスは、ギなしで戦った。

傭兵時代の技術で。

敵を次々と倒していく。

バクラヴァも、指輪を使った。

力増幅のギ。

だが——適度に。

依存しないように。

メゼは、時間操作を使った。

敵の動きを遅くし、味方を支援する。

グリコは、共感能力で。

敵の戦意を削ぐ。

トラハナスは、剣技で。

冷静に、確実に。

五人は——。

見事な連携を見せた。

だが——。

数が多すぎる。

少しずつ、押されていく。

「くそ……!」

ロクマデスは息を切らした。

「このままじゃ——」

その時。

メゼが——倒れた。

「メゼ!」

ロクマデスが駆け寄った。

「大丈夫か!?」

「……ええ」

メゼは立ち上がろうとした。

だが——。

頭に激痛が走った。

「っ……!」

記憶が——。

戻ってきた。

失っていた記憶。

それは——。

グリコの顔だった。


フラッシュバック。

グリコと初めて出会った日。

「あなたの色、綺麗!」

グリコは笑っていた。

「私、あなたと友達になりたい!」

メゼは——。

微笑んだ。

「私も」

二人は——。

手を繋いだ。

それから——。

いつも一緒だった。

笑って、泣いて、支え合って。

でも——。

メゼは、ギを使った。

そして——。

グリコを、忘れた。


現在。

メゼは——。

グリコを見た。

涙を流しながら。

「グリコ……」

「メゼさん?」

グリコは驚いた。

「思い出した……」

メゼは言った。

「あなたのこと」

「私の、大切な友達」

「ごめんね……」

メゼは泣いた。

「あなたのこと、忘れてた」

グリコは——。

泣きながら、笑った。

「いいの」

「また、仲良くなれるから」

グリコはメゼを抱きしめた。

「私たち、ずっと友達だよ」

メゼは——。

グリコを抱きしめ返した。

「……ありがとう」

二人は——。

再び、繋がった。


だが——。

戦いは続いている。

ダクワーズが、ロクマデスに迫っていた。

「終わりだ!」

剣が振り下ろされる——。

その時。

「させるか!」

バクラヴァが割り込んだ。

指輪が輝き、剣を受け止める。

「バクラヴァ!」

「行け、ロクマデス!」

バクラヴァは叫んだ。

「お前の力で、終わらせろ!」

ロクマデスは——。

頷いた。

ネックレスを握る。

「みんな!」

ロクマデスは叫んだ。

「ギを、共鳴させろ!」

「共鳴!?」

メゼは驚いた。

「ああ!」

ロクマデスは続けた。

「俺のギは、原型ギ!」

「全てのギと繋がれる!」

「だから——」

ロクマデスは宣言した。

「みんなの力を、一つに!」

メゼ、バクラヴァ、グリコ——。

三人は、ギを輝かせた。

そして——。

ロクマデスのネックレスと、共鳴した。

光が——爆発した。

金色、銀色、赤、青——。

全ての色が混ざり合う。

そして——。

透明な光になった。

愛の光。

「これは……!」

ダクワーズは驚愕した。

ロクマデスは——。

手を広げた。

「ギは、道具だ」

「でも——」

ロクマデスは続けた。

「みんなで使えば、希望になる」

「一人じゃない」

「支え合えば——」

ロクマデスは微笑んだ。

「ギに支配されることなく、共に生きられる」

透明な光が——。

全てを包んだ。

敵も、味方も。

光の中で——。

全員が、感じた。

温かさを。

繋がりを。

愛を。

ダクワーズは——。

剣を下ろした。

「……俺は」

ダクワーズは呟いた。

「間違えていたのか……?」

ロクマデスは、手を差し出した。

「間違えてない」

「お前は、ギの危険性を知っていた」

「だから、守りたかったんだろう」

「人々を」

ダクワーズは——。

ロクマデスの手を、掴んだ。

「……ああ」

「なら——」

ロクマデスは言った。

「一緒に、考えよう」

「ギとの正しい付き合い方を」

ダクワーズは——。

頷いた。

「……わかった」

戦いは——終わった。

誰も死なず。

誰も傷つかず。

ただ——。

理解し合った。


その夜。

広場に、人々が集まった。

そこへ——。

カサタが現れた。

「俺たちも——」

カサタは言った。

「考えを変えた」

スブラキも現れた。

「ギは、神ではなかった」

「でも——」

スブラキは微笑んだ。

「希望ではある」

カラマリも現れた。

「本能も大事だが——」

カラマリは言った。

「心も大事だな」

五つの勢力が——。

初めて、手を取り合った。

最適化至上主義。

ギ崇拝者。

本能派。

ギ破壊者。

そして——。

人間性防衛派。

全員が——。

ロクマデスを見た。

「お前が、導いたんだ」

トラハナスは言った。

「俺たちを」

ロクマデスは——。

首を振った。

「俺じゃない」

「みんなだ」

「みんなが、気づいたんだ」

ロクマデスは続けた。

「ギは、道具だって」

「使い方次第だって」

「そして——」

ロクマデスは宣言した。

「俺は、この真実を世界中に伝える」

「それが、俺の使命だ」

メゼは微笑んだ。

「私も、一緒に行く」

グリコも頷いた。

「私も!」

バクラヴァも。

「俺もだ」

トラハナスも。

「我々も、協力しよう」

カサタ、スブラキ、カラマリ、ダクワーズも——。

「俺たちも、手伝う」

ロクマデスは——。

みんなを見渡した。

そして——。

微笑んだ。

「ありがとう」

「みんな」

新たな旅が——。

始まろうとしていた。

ギの真実を伝える旅。

世界を変える旅。

そして——。

愛を広める旅。

空には、満月。

金色に輝く月が——。

彼らを照らしていた。

まるで——。

祝福するかのように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ