希望の光
兄弟たちはギルドの建物の外に、呆然と立ち尽くしていた。全てを捨てて3日間の旅をしてきたのに、登録料さえ払えない。
「これからどうするんだ?」ネルソンは落胆の色が濃く響く声で尋ねた。
ローレルが答える前に、近くの騒ぎが彼らの注意を引いた。大きな木の掲示板の周りに人々が集まり、興奮した声が通りの喧騒にかき消された。
「…賞金総額5年ぶりの高額トーナメント…」
「…予選ラウンドは今夜開始…」
「…メインイベント出場権獲得で1000エコイン…」
兄弟は人混みをかき分け、アナウンスをよく見ようとした。
**ブラックウォーターリッジ地下格闘技トーナメント**
*賞金総額:50,000エコイン*
*予選通過者:参加者1人につき1,000エコイン*
*参加資格:予選ラウンドを突破すること*
*予選:今夜午後8時、ウェアハウス地区にて*
*メイントーナメント:予選日から1ヶ月後*
「予選通過だけで1000エコイン?」ネルソンがささやいた。「二人とも登録して、まだお金が残るくらいだ」
ローレルはアナウンスを注意深く見ていた。地下格闘技トーナメントは、その名の通り危険なのだ。特にブラックウォーターリッジのような場所では。 しかし、それは彼らにとって唯一の選択肢でもあった。
「マリーおばさんが、私たちが戦えるようにしてくれてよかったわ」ローレルは軽く微笑んで言った。
ネルソンも微笑み返した。「おばさんは、訓練がいつか役に立つっていつも言ってたわ」




