免許取得日
翌朝、ローレルとネルソンは興奮と緊張が入り混じる気持ちで冒険者ギルド支部へと向かった。今日こそ、試験に合格し、冒険者を名乗る資格を得たかどうかを知る日なのだ。
メインホールは、戦闘試験を終えた21名の受験者で溢れかえっていた。試験官長のジュードは、資料の山を手に最前列に立っていた。
「最終試験を終えた21名のうち、7名が合格しました」とジュードは前置きもなく発表した。
彼は名前を呼び始めた。
「イタチ、マヤ、ネルソン、ローレル」。彼は少し間を置いてから、続けた。「カイト、ケンジ、サトウ」。
謎の四人組の一人だった一卵性双生児の三つ子が、他の受験者と共に前に出てきた。ローレルは、成績優秀だと思っていた受験者が何人か呼ばれていないことに気づいた。ギルドの基準がいかに厳しいかを改めて認識させられた。
「名前を呼ばれた方は、前に出て資格証を受け取ってください」とジュードは指示した。
イタチと三つ子三人はそれぞれ小さな金属製のカードを渡された。ギルドの紋章とそれぞれの情報が刻印された、正式な冒険者ライセンスだった。
しかし、ネルソン、ローレル、マヤが前に出ると、それぞれ別のものを受け取った。封筒と、紙切れに印刷されたQRコードだった。
「これは何ですか?」マヤは皆の心の中の疑問を代弁するように尋ねた。
「コードをスキャンして」とジュードは簡潔に言った。
それぞれがスマートフォンを取り出し、コードをスキャンすると、「冒険者アプリ」というシンプルなタイトルのアプリケーションをダウンロードするよう促された。インストールすると、アプリはそれぞれの情報を表示したが、通常のライセンスとは一つだけ大きな違いがあった。
**ランク:初心者**
「君たち三人は有望だ」とジュードは説明した。「だが、正式なライセンス取得に必要な基礎知識が不足している。初心者ランクでは、ギルドの資源や低レベルのミッションへのアクセスが制限される。このランクから昇格するには1年かかる。」
「もし昇格できなかったら?」ローレルは尋ねたが、彼はもう答えを知っているような気がした。
「その場合、君の会員資格は剥奪され、組織からも除名される。」
ネルソンは眉をひそめた。「昇格するにはどうすればいいんだ?」
「アプリに割り当てられたミッションを完了しろ」とジュードは答えた。「完了したらここに報告してくれ。そうすれば、ランク昇格試験の受験資格が得られる。申請書を確認するんだ。詳細はもう届いているはずだ。」
三人は携帯電話を見た。案の定、新しい通知が届いていた。
**新しいミッション:同じ場所で利用可能**
「同じ場所?」マヤが呟いた。「どういう意味?」
ジュードの表情は何も語っていなかった。「君ならきっと理解できる。それも試験の一部だ」
会議が終わり、受験者たちが解散し始めると、合格した7人はしばし立ち止まった。イタチと三つ子は満足げに免許証を確認した。ネルソン、ローレル、マヤは携帯電話を見つめ、「初心者」という呼称が一体何を意味するのか理解しようとしていた。
「どうやら、やらなきゃいけないことがあるようだな」とネルソンはようやく言った。
ローレルは頷いた。彼の頭の中はすでに様々な可能性を巡らせていた。彼らは試験を突破し、グリム島を生き延び、冒険者ギルドへの条件付き入会を少なくとも勝ち取ったのだ。
しかし、本当の旅は、まだ始まったばかりのようだった。
**ナレーター** こうして試験は終了したが、結果は予想外だった。7人の受験者が冒険者ギルドへの入会資格を得たが、正式な免許証を受け取ったのはわずか4人だった。 残りの3人――ローレル、ネルソン、マヤ――は仮免許という立場にあり、1年間で初心者の階級から抜け出せるか試されていた。しかし、彼らがまだ理解していなかったのは、この階級は戦闘能力や生存能力とは無関係だったということだ。正式免許を取得した4人――イタチと三つ子三人組――は皆、冒険者の世界で昇進するための必須条件である生命エネルギーを操る能力を持っていた。3人の初心者は、才能と強い意志を持ちながらも、この隠された力の仕組みを知らずに活動していた。「同じ場所」という謎めいた名前の任務は、冒険者とは何かという真の意味を理解するための第一歩となる。問題は、1年間という時間で、並の戦士とヴィトラを操る者との間の溝を埋められるだろうか、ということだった。




