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現実  作者: 月桂樹
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準々決勝

トーナメント2日目、会場の雰囲気は一変した。観客はより大きく、騒々しく、そして血に飢えた闘士たちだった。残りの8人は、アンダーグラウンド・サーキット屈指の実力者だった。


まずネルソンの準々決勝戦が発表された。対戦相手はマヤ。25歳の女性で、薙刀を巧みに操る。


「試験の時のことを覚えているわ」とマヤはリングで向かい合ったネルソンに言った。「あなたは芯が強いけれど、本物の武器の扱い方を見せてあげましょう」


試合が始まると、ネルソンはすぐに距離を詰めようとした。彼女の武器の届く範囲に入ることだけが自分の唯一の強みだと分かっていたからだ。しかし、マヤはネルソンの予想をはるかに上回る経験値を持っていた。


ネルソンがまともに攻撃を始める前に、マヤは流れるような精密さで動いた。一撃で薙刀の柄を振り回し、地面に叩きつけられたネルソンの喉元に刃を突きつけた。


この攻防は3秒もかからなかった。


「試合終了!勝者:マヤ!」とアナウンサーが叫んだ。


ネルソンは地面に倒れ込み、あまりにもあっけない敗北に呆然としていた。マヤは敬意を込めながらも毅然とした表情で彼に手を差し出した。


「あなたは年齢の割に実力がありますね」と彼女は静かに言った。「でも、経験はいつだって才能に勝るものです。」


一方、ローレルとベテラン地下格闘家との準々決勝は、はるかに接戦となった。試合は5分間続き、両者とも激しい打ち合いの末、ローレルが完璧なタイミングのカウンターで相手を捉え、試合は幕を閉じた。


ローレルがリングを降りると、彼の視線はトーナメント表に注がれた。準決勝の相手は既に決まっていた。イタチだ。

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