1/45

繰り返される悪夢

冷たい石畳を踏み鳴らす足音とともに、荒い呼吸の音が狭い路地に響き渡った。走る人影の背後では、重々しい足音が暗闇に響き、刻一刻と近づいてきた。

「永遠に逃げるわけにはいかない！」その声は低く、威嚇的で、安心するにはあまりにも近すぎた。

ローレルは体力を振り絞るにつれ、肺が焼けるように痛んだが、足は鉛のように重く感じられた。路地は果てしなく続き、壁にはねじれた指のように影が踊っていた。追っ手が迫ってくる音が聞こえた――ブーツの擦れる音、荒い呼吸音。

そして、その時、それが起こった。ローレルの足が何かに引っかかり、彼は前に転がり落ちた。地面に激しく叩きつけられ、膝に激痛が走った。足音が止まった。

彼は仰向けに転がると、そこに人影がいた――薄明かりにシルエットを浮かび上がらせ、何かを頭上に高く掲げていた。物体が彼に向かって降りてくると、時間がゆっくりと流れ始めた…

「ローレル！」

ローレルの目がぱっと開き、彼は飛び起き上がった。冷や汗が肌に張り付いていた。二人で共有する寝室の小さな窓から陽光が差し込み、兄のネルソンがベッドの脇に立っていた。ローレルと同じ琥珀色の瞳で、心配そうな顔をじっと見つめていた。

「またその夢？」ネルソンは静かに尋ねた。

ローレルは乱れた黒髪を手で撫で、うなずいた。何週間も前から同じ悪夢に悩まされていた。いつも同じ追跡劇で、いつも…次に何が起こるか分からない直前に終わっていた。

「ひどく暴れ回っていたな」ネルソンはそう言って、彼にきれいなシャツを投げつけた。「マリーおばさんが朝食を作っている。今日がその日だったんだ、覚えているか？」

そうだ。今日こそ、ついにこの小さな村を離れ、知らなかった父親を探し始める日だった。