表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異反者  作者: 二代目とくとくかい
第一部:慚愧服膺篇
9/35

第九話:うんこmp3

 よし!よし!完璧だ!

ここで15分くらい時間を潰そう。

そうすれば僕の番は飛ばされ、その後なんやかんやあって有耶無耶になってなんか凄い感じになるだろう!

そうに違いない!


コンコン


(ッ!?誰だ!?誰かが僕のトイレの個室をノックしている…!……まさか!担任(あいつ)か!?)


「累くーん!!いつまでウンコしてるんだぁー!!さっさと出てこーい!!」


美玲(お前)かよぉぉぉぉ!!!!

なんで男子トイレに入ってんだ!

なんで今お前が来るんだ!


「いやー、まだちょっとお通じが悪く手ですね…ていうか、なんで来てるんです?」


「先生が累君の番だから呼んで来いって。令状出てんじゃボケ!!!」


美玲は個室のドアをドンドンと叩く。

ヤクザ事務所に乗り込む警察か。


「僕が言ってるのはそういうことじゃねぇ!なんで女子が男子トイレに入ってんだ!」


「俺が許可した」


個室に籠っていると、個室の外から聞き覚えのある声が。


「あぁ、灰田っちも来たの?」


「おう、なんか面白そうだし」


来るな。

しかし、マズいな。

このままじゃジリ貧だ。


「スンスン、ウンコにしてはそれっぽい匂いしなくねぇか?」


灰田がその場の匂いを嗅いで言う。

嗅ぐなボケ。


「もしかして、ウンコしてる振り…とか?」


余計なことを言うな美玲!

僕は思考をフル回転させ、ある名案を思い浮かぶ。


(そうだ!アレをすれば……!!)


僕はポケットからスマホを取り出し、Googleeeeeeeeで検索をかける。


「ウンコしてる振りか…確かに音もしない――――」


ブリブリブリブリュリュリュリュリュ…ブリ!!


「こ、これはッ!!」


「まさしくウンコの音ッ!?」


(勝った。今流している音はウンコではなく…『うんこmp3』だ!!この音を流せば、ウンコをしている風に装える。匂いは仕方ない。アイドルはうんこしないんだよみたいな理論で乗り切ろう)


僕は便座の上に座りながら勝ちを確信し、不敵な笑みを浮かべる。

しかし――――。


「あれ、これうんこmp3じゃねえか?」


なんで知ってんだぁ!!!!!


「確かによくよく聞いたらうんこmp3だね」


美玲も灰田の言葉に反応する。

なんでお前も知ってんだ!!


「てことはやっぱこいつウンコしてないよな」


「いや!してる!してる!すっごいしてる!」


(まずいまずいまずい!と、とりあえず、ウンコ 音 で調べて出てきたモノを―――)


ブリブリブリュリュリュリュリュ!…PI〇TA!


僕はもう一度Googleeeeeeeeで『うんこ 音』で検索し、一番上に出てきたモノからウンコの音を再生した。

しかし、それがまずかった。

ウンコの音が流れると同時に謎の女性ボイスが大音量で流れた。


(まずいまずいまずいまずい!!)


「あ?なんか声しなかった?」


「したよね。やっぱウンコしてないのかな」


僕は一度サイトから戻り、別のサイトを開く。


(どうにかこいつで―――!!)


僕は息を切らしながら再生ボタンを押す。

すると――――。


うんち!!


「…………」


「…………」


「…………」


なんと、流れたのはウンコの効果音ではなく、元気に『ウンチ』と叫ぶ子供の声。

僕は真顔でトイレの鍵を開け、個室から出る。

二人も真顔で僕を見ており、気まずさのあまり、美玲が腕組をする。


「えっと…ウンコしてました」


「無理だぞ」


僕は静かに嘯くも、その行動は無意味であった。


    ◇


「はああぁぁぁぁ…」


僕は机に上半身を乗せ、大きなため息をつく。

時間は経って、放課後。

といっても、まだ夕方にもなっていない。

まだ二日目だからね、早めに学校も終わるさ。

僕は初めての高校ということもあって、精神的疲労で机に突っ伏していた。


「どうしたの累君、去勢された犬みたいだよ」


「僕たちって会って二日目であってる?」


こいつもこいつで、見た目はただの女の子なのにそっちのネタをぶち込んでくるし。

担任は…美玲よりはマシだが、結構ヤバい。


「こんなとこで僕普通の生活遅れるのかなぁ…」


「まぁ、その気持ちもわかるよ累君。灰田(あんなの)が担任だとちょっと疲れるよね。ムシャムシャ」


美玲は共感するようにフライドチキンを頬張る。


「原因お前だけどな…」


「お?なんだ喧嘩するか?私ぁフライドチキンの骨だけで人を殺せるんだぞ?」


「イグジステンズ?」


最近の僕はギャグ映画の方が好きなんだけどなぁ…。


「あ、いたいた」


僕と美玲がくだらない会話を交わしていると、ドアからひょこっと氷室先輩が顔を出す。


「あれ、氷室先輩?どうしてここに?」


「どうしてって…私も蓬野高校(ここ)の生徒なんだけど」


「あれ?そうだっけ」


美玲は氷室先輩が同じ高校ということすら忘れていたのか?

ダチョウかよ。


「二人が同じクラスなのはラッキーね。ちょっと来てもらえる?」


「なんか用ですか?別にここでも良いんじゃ?」


「う~ん、なるべく人がいないところが良いんだけど…」


「ッ!?」


もしや…これは告白!?

ハッ…罪な男だぜ神白累。

また一人の乙女を恋に落としてしまったようだぜ。

初めてだけど。


「けど、すみません。先輩はタイプじゃないんです。まぁどうしてもっていうなら――」


「早くしなさい」


「はい」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ