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異反者  作者: 二代目とくとくかい
第一部:慚愧服膺篇
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第八話:必殺技はラフレシアの香り

 翌日、つまり入学式の次の日である。

僕は調べた道を辿って迷わずに学校に着くことができた。


「はぁ…なーんか変な気分」


僕普通とは少し違った初登校を経験してしまったから、なんか変なかんじだな。

なんというか、周りと違うっていうか…。

あ、でも周りとは違う個性的な奴って考えれば悪くないか…?

いやむしろ良いぞ。

うんうん、結構良いと思えてきた。

僕はそんなことを考えながら下駄箱まで足を運ぶ。

僕のクラスは1年7組、確か三階だった気がする。

蜘蛛やら辻斬りやらで一悶着あったが、僕のクラスやら何やらは色々と教えてもらったからね。

階段を上り、自身の教室がある階までたどり着く。


(にしても、偶然って怖いよな)


僕は少し息を整えてから教室のドアを開ける。


「おー、累君じゃあないか。おはよう!」


「……おはよう」


教室に入ると、ドアのすぐ側の席に座る女子が僕に挨拶をしてくる。

美玲である。

偶然というのは恐ろしい。

ほんで。


「何食ってんのお前」


僕は美玲の隣の席に荷物を置く。

そう、恐ろしいことに僕の隣の席は美玲なのである。

女子列は右側、男子列は左側で別れ、廊下側から女子男子女子男子女子男子の順で席が構成されている。

今のところは名前の順である。


「何って、見れば分かるでしょ。ペヤングだよペヤング」


「ああ、そう。じゃあなんで食ってるの?朝飯抜いてきちまったとか?」


だとしても学校で食うなって思うが。


「ううん、別にそんなことないよ。いっつもお母さんとかに『あんたはよく食べるね』って言われてたんだけど、最近はそれ以上にお腹空いちゃうんだよねー。成長期かな」


朝飯食って、そのあとのペヤングか。

デザート感覚か?


「まぁ、僕も昔からよく食べるけど、その量は食わねぇな」


「へーそうなんだ。あげないよ」


「いらねぇよ」


さてさて、もうそろそろHRが始まる時間だが…担任の姿が見えないな。

昨日は学年主任の先生と話をしただけで帰らされたから担任の先生は知らない。

故に、少しソワソワしてしまう。


「何ソワソワしてんの?おしがま?」


「ガチで止めろ。それと僕の膀胱はそこまで貧弱じゃない」


確かに時々おしがまはするけど。

ちなみに『おしがま』の意味が分からない人はお母さんやお父さんに聞いてくれ。


「へーい、てめぇら時間だぞ~席に着け~。それとあわよくば良い職に就いて俺を養ってくれ~」


時間になり、教室に入ってきた謎の男。

ちな、昨日の奴とは違うぞ。


「って、大体座ってんな…初めての担任だから、このセリフ言ってみたかったんだけどな…」


少し残念そうに手に持った出席簿を教卓の上に置く男。

ぼさぼさの髪をセンター分けにある程度まとめているが、後ろ髪が長いのでポニーテイルのように短く結でいる。

あまり見ない髪型だ。

それと、髭を剃ってはいるんだろうが、きれいに剃りきれていない。


「お、そうだったな。お前らとは初めましてだったよな。いやーすまんすまん、昨日は競馬…ケイバ―投げに出てたから学校これなかったんだ」


「なんすかそれ」


クラスのモブ男子Aが聞く。


「スコットランドのハイランドゲームズで行われる伝統的なスポーツ競技だ。スカート履いて、丸太ぶん投げるっていう誰得なイベントだぞ」


あんたはそれに参加したんだろ?

競馬とか聞こえたけど。


「で、だ。俺の名前は灰田凪(はいだなぎ)。このクラスの担任ってやつだ。よろしくな。好きなことは成績の悪い生徒に成績表を返して阿鼻叫喚している姿を肴に一杯やること。嫌いなモノっつーか、嫌いな言葉は『This video has been deleted』だ。これを見ると、目の前で親を殺された時ぐらいキレるから注意が必要だ」


注意とは?

猛獣かなんか?

色々とツッコミどころが多いが、こういう人がいる場でツッコむのは僕にはハードルが高すぎる。


「さてと…何するか忘れちまった」


本当に何をしに来たんだこいつは。

正直担任でも先生をつけたいと思わない。


「うし、じゃあ自己紹介でもするか。俺のじゃなくて、お前らのな」


「ッ!?」


ま ず い

僕の嫌いなことの一つ。

自己紹介。

そもそも僕の性格として、人と話すのが苦手とかそういうことはないが、人見知りはするため、こういう初対面メンバーしかいないような場所での自己紹介とかはまさしく。

地獄である。


(どうしよう。何すればいいんだ?一発芸か?いや、さすがに無いか)


「よし、じゃあ一人づつ名前と趣味、あと一発芸な。出席番号一番からやってけー」


一発芸はやるのかよ。

よし、ここは『アレ』しかない。


「先生」


僕は席を立って手を挙げる。


「ウンコに行ってきます」


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