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どうして同じ高校に頭いいやつと馬鹿なやつが存在するのか


「くっそ、あの女適当なこと抜かしやがって」


前回のあらすじ~♪

なんと僕、神白塁はあの『雪の女王』と噂される皆の憧れの生徒会長の恋人役をやることになっちゃった~。あの文武両道、眉目秀麗のまぁ要は才色兼備の人と僕なんかが釣り合うのかな~?

次回もお楽しみに!


「ま、釣り合うもクソもねぇけどな。そもそも役だから」


めんどくさいながら面白そうなイベントを終わらせた僕は普通に廊下を歩いて下駄箱まで進んでいた。

いや、恋人役はこの後からが問題だから始めたのほうが正しいのか?

ともかく、終わらせたってことで。


『とりあえず、期間は一ヶ月くらいでよろしくね~』


とかほざいていやがった。

一ヶ月かー。まぁどうせすぐ終わるだろ。こんなんで許してもらえるとか楽な仕事だぜ。

明るい廊下を歩く僕。

校舎に響く吹奏楽部の楽器の音。トランペットとかフルートかな?知識はないけど。

空が綺麗だなぁ。なんか外の連中見てると青春してんなーって思えてくる。

ここ最近は下手したら死ぬかもしれないことが多すぎる。

普通の男子高校生が体験しちゃあいけないだろ。

少し歩いて、そこの曲がり角を曲がろうとしたとき。


「いでっ。あ、すません」


誰かに当たった。


「おいてめぇコラ!何ぶつかってんだコラ!」


「そうだぞてめぇ!兄貴の両腕が折れちまうかもしんねぇぞ!」


「というか折れてんなぁ!こりゃ!」


「……………」


すっげーめんどくさそうなのがもう三人ほど増えた。

曲がり角でゴッツンコしちゃった相手は食パン咥えた女の子じゃなく、厳つい体つきをしたいわゆるヤンキーというものだった。

ツッコミどころ多すぎるから勢いで説明しちゃうと………。

なんだよその服装は!?タンクトップとかじゃねぇぞそれ!弾け飛んでんじゃん!!それに髪型どうなってんだよ!モヒカンとか剃ってるとかそういうレベルじゃねぇぞオイ!普通の高校にこんな化け物いてたまるか!!ヤンキーするにしても古風すぎるでしょ!オールドファッションがすぎるぞ!

はぁはぁはぁ…………。

はい、終了。


「あはは、そりゃ大変ですねー。じゃ僕はこのへんで」


「ちょ待てよ」


愛想笑いだけプレゼントして帰ろうとしたらさっきぶつかったヤンキーAが肩を掴んできた。


「ぶつかっといて謝罪もねぇのかよあ”あ”ん”?」


「いや、さっき謝ったでしょう」


「骨折れちゃってるんだよねぇ?」


「ガッツリ僕の肩掴んでるじゃん。それにぶつかったの胸だし」


「じゃあ肋骨も折れた!」


骨折二度漬けしてんじゃねぇ。


「まぁまぁ、とりあえず校舎裏来いよぉ」


とヤンキーB。


「仲良く”話は合い”しようやぁ?」


とヤンキーC。

話し合いか。じゃあ良いだろう。


「OK~」


そして、僕は校舎裏まで連れてこられた。

なにげに僕は校舎裏始めてきたな。

蓬野高校の校舎裏は薄暗く東側についているのでこの時間帯じゃ校舎で太陽が隠されている。

そのせいで影になって入るがこの気温でとても蒸し暑く、ジメジメした場所であった。

あまり人通りが少ない場所ではあるが空手部の練習場が近くにあるので、その音がここまで聞こえてくる。多分ここで大声だしたらギリギリ聞こえるんじゃないかな。

校舎裏につくとすぐにヤンキー集団に思いきり壁に押し付けられ、胸ぐらを掴まれる。冬ならネクタイ掴んでくんのかな。


「オイ!わかってんだろ?」


とヤンキーA。


「な、ナンダロウ…ワカンナイ…カモ?」


多分この感じは慰謝料をよこせと言ってくるタイプかな。

面倒な野郎どもだ。


「わかんねぇはずねぇだろあ”あ”ん”?出すもんだせっつってんだよ!」


とヤンキーB。


「てめぇの顔がムカつくから慰謝料よこせつってんだよ!!」


うわっ唾かかった。

ていうか骨折したからよこせってことじゃねぇのかよ。


「えぇ、でも僕そんなムカつく顔してますかね?」


「ああ、してるぜ。ちっさいクセして顔が良いのがムカつくんだよぉ!」


え…キュンとしちゃう。

こいつら結構わかってんじゃん。


「だから、てめぇを殴って鬱憤晴らすんだよ!!」


金どこいった。

毎度毎度思うが、なんで普通の学校にヤンキーキャラがいるんだろうね。どうやって入学したん?

ヤンキーAが掴んでいる胸ぐらをグイッと力強く引く。

そして、右手を振り上げ僕目掛けて放たれる。


「待てー!!」


が、その拳は校庭側からの聞き馴染みのある声によって不発に終わる。


「誰だてめぇ!」


ヤンキー集団が一斉にそちらを向く。

僕もヤンキー集団と一緒に振り向くとそこには、寺岡稽太が立っていた。


「俺か?……俺は、寺岡稽太だ!」


「何しに来た!まさか正義の味方気取りか!?」


「フッ……正義の味方か……。塁!大丈夫か?後は俺に任せろ!」


「へっへっへ、まぁ良い。こいつもこいつでムカつくからぶん殴ってやるぜ!」


「うおっと」


掴まれていた胸ぐらを乱暴に離され、僕はすぐにワイシャツを整える。

ま、稽太には悪いが、僕はそろそろ帰りたかったんだ。

だが、稽太も異能力者だ。多分大丈夫だろう。


「オッケー、じゃ後は頼んだ」


僕は一言言い残し、足早に校舎裏を離れた。

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