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陰キャが好きそうなキャラ。つまり、僕が好きなキャラ


「やっぱり寺生まれはすごいな」


稽太の立ち去り方に感動し、思わず声にも出てしまった。

寺生まれだと親から霊力とか異能とか受け継ぎやすいんだろうか。でも、そうすると僕はガチもんの才能ナシってことになっちゃうな。

というか、思ったんだがこの高校異能力者多くね?

僕を含めないと…いや含めないのだが、美玲、千弘、佐倉先輩、それに稽太か。生徒以外も見るんだったら、一応あの厨二病患者と確か翠先生もクレイルの刺客って言ってたっけ?

あの人のことはまだよくわからんな。いつも保健室にいるから詳しく聞こうとすれば聞けるんだろうけど、何考えてるかよくわかんないし、とにかくクレイルと関わるのは危ない。あんな「僕は黒兎だ~デュデュデュw」とか言っちゃうような奴がいるような連中だぞ。今度はどんな患者を連れてくるかわかったもんじゃない。


「主、そろそろ時間大丈夫ですか?」


「ん?ああ、そういえば見てなかっ…」


「主?」


「やべぇぇぇぇ!!!!!」


腕時計を確認して速攻で走り出す僕。

もう、わかっているものもいるというか、わかってる人しかいないと思うが一応説明しておこう。

うん、普通に授業の一分前だった。

そういえば、ここからチャイムが聞こえるマイクが故障してて修理業者が来てるんだったっけ?

くっそぉぉ!!


「間に合え間に合え間に合え!!」


階段を一気に駆け下り、最後の階を飛び越え超特大階段飛ばしをする僕。


「シュタッ!」


完璧な着地。キマったね。


「あなた……何してるの?」


「はへ?」


横から聞き覚えのない声がしたと思って振り向くとそこには本当に見覚えのない人がいた。

性別は女性。

長めの青い髪(一応、光の当たり具合で~ってことだけど二次元だ許せ)は」腰辺りまで伸びていて、整った顔立ち、少しキリッとした目つき、そして右側の髪は小さめの三つ編みがされている。

すんげーこんなところにも美人が一人。


「あなた…今、屋上の方から降りてきていたわよね?」


まっずい!見られていた!?


「いや、見られていたも何も目の前に綺麗に着地したじゃない」


急いでいたから人の確認を怠っていた。


「えっと…その……」


キーンコーンカーンコーン


あっ……結局間に合わなかった…。


「…とりあえず、放課後生徒会室に来なさい」


この後、全力で教室に走ったが先生が職員室にプリントを忘れて取りに行ったため急ぐことはなく、骨折り損であった。


               ◇


「終わった……僕の人生……」


そしてグッバイ、僕の主人公ごっこ。


「どしたん話聞こかカミロ氏」


「どしたの塁くん死にそうな顔して」


うなだれている僕に話しかけてきたのは美玲と中鳶。

くっそ~こいつらは気楽でいいなぁ。


「今から死にに行くんだよ」


「どゆこと?戦争にでも行くの?」


何の事情も知らない美玲がきょとん顔で聞いてくる。


「いやぁさ、さっきいつもみたいに屋上にいたら時間やばくなっちゃって、急いでたら屋上から出るところを人に見られちゃって、このあとお叱りを受けるの」


「なるほどね~真っ青だったから熱中症になったのかと思ったよ」


最近はこの時間帯が一番熱いからな。地球温暖化の影響でまだ7月にも入ってないってのにこの暑さだ。


「まぁ最近ジメジメしてきていますしねー」


と中鳶。


「ねー、最近はジメジメしすぎて暴れたくなってきてるよ」


「やめてね?」


「いいなぁ二人は気楽そうで」


まったく。空気すら読めんのかこいつらは。


「そんなふうだから最近はジメジメしてるんですぞカミロ氏」


「そうだよ、塁くんみたいなジメジメした陰キャがいるから最近はこんな暑いんだ。天に召されちまえ」


「え、急に高火力なセリフくるじゃん超ビビったんだけど」


「美玲氏、それ吾輩にも効果抜群なのでもっと言ってください」


こいつは駄目だ。完全にマゾヒストになってやがる。


「でも、呼び出されたって誰に?先生?」


「いや、それがよくわかんないんだよね」


僕はさっきの女子生徒の特徴を美玲と中鳶に詳しく説明した。

そうすると美玲はよくわからなさそうだったが、中鳶は心当たりがあるようだ。


「その人はおそらく氷室生徒会長ですね」


「氷室?」


というか、生徒会長って。


「氷室鏡花 (ひむろきょうか)。二年生の特進コースで文武両道、眉目秀麗の完璧超人と謳われる生徒会長ですぞ。とても美人なので男子から告白をされまくっているようですが、全て断っているようですな。巷では「雪の女王」と呼ばれて有名ですぞ。知らなかったのですか?」


「「知らんな」」


僕と美玲は同じように腕を組みながら目を細める。

ていうかそこは氷の女王だろ。

ツッコミどころ満載だな。なんだよその明らかにオタク男子が考えそうなキャラ設定に肩書。雪の女王だ?「少しも寒くないわ」とか言っちゃうんですか~?って。


「ま、大人しくお縄につくことですな」


「いや逮捕されるレベルじゃないだろ」


「そうだよ塁くん。大人しく皮剥がれて素材にされてきな」


「モンハンでもやってる?」


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