09.VSオーガ
俺はトライドに降りて辺りを見渡す。
辺りはほぼゴブリンが占拠しており、俺と星を除けば人がいるのは獅々田と鬼頭のみだ。
俺はそう思いながらオーガに変身した鬼頭に聞く。
「おい、お前はそれで良いのかよ! 怪物の力を使って復讐するのは!」
俺の質問を聞いた鬼頭は眉をひそめて叫ぶ。
「それでいい? いいに決まっているだろ! あいつは野球や貧乏な奴をバカにする、だから復習をするんだ! 関係ない奴は黙っていろ!」
鬼頭はそう言うと獅々田の方に向いて大剣を振り下ろそうとする。
俺はそれを見て鬼頭に向けて言う。
「だったら野球でギャフンと言わせろよ!」
「ッ――!?」
その言葉を聞いた鬼頭は一瞬固まり、振り下ろそうとした大剣を手放してしまう。
俺は少しだけ聞いたと知って、そのまま鬼頭を説得する。
「そんな力を使ったても嬉しいのかよ? それでギャフンと言わせたのか? 本当は嫌なんだろ!」
「ウゥ、それは……」
俺の説得を聞いた鬼頭は徐々に弱気になって行く。
よし、このままいけば――。
そう思いながら安堵していると獅々田は近くに合ったら金属バットを拾い上げ、それを使って鬼頭の頭を力強く叩きつける。
鬼頭はそれに気づかずに叫ぶ。
「グァッ!?」
「鬼頭! オイ獅々田、お前は何で鬼頭を殴って来たんだ!」
俺はいきなり鬼頭を殴りに来た獅々田に怒りをあらわにして叫ぶ。
すると獅々田は飄々としながら答える。
「何でってそんなの俺に逆らったからだろ? そんなにカッカッするなよ」
「こいつ……」
俺は獅々田の態度をみて怒りが溢れ出し、どうしてそんな風に言えれるか問いただそうとした時、鬼頭は獅々田を見て叫ぶ。
「己……獅々田ぁー!」
鬼頭は叫ぶと同時にデータ粒子が吹き出し、俺と星は腕でガードしながら少し細めで見る。
獅々田は腰を抜かして倒れる。
少しだけ見えたが白目を剥きながら倒れたため、あれはしばらく気絶したな。
そう思いながら鬼頭の方に振り向く、だが鬼頭は幽霊のように薄れており、逆にオーガの方は鋼鉄の胸当てを着ていた。
俺は冷や汗を感じつつもダイブスキャナーを腕に着けて聞く。
「お前は……オーガメモリーの方か?」
俺の質問にオーガは重々しく答える。
「いかにも、俺がオーガだ。お前のおかげで受肉するようになったぞ」
「クソ!」
俺は最悪な事態になったことに悪態をつき、アクションボーイXチップを装填する。
『アクションボーイ~X!』
機械音が流れると同時にオーガは雄叫びを上げて接近する。
襲われる前にギアに指をかけて叫ぶ。
「変身!」
叫んだと同時にギアを回転する。
前と同じようにデータ粒子が俺に纏い、戦闘フォームになる。
『未知のエリア! 希望のアリア! ミステリー・ザ・プレイング! アクションボーイ~X!』
「ウォォォォォォ!」
機械音が流れ、俺はオーガに接近する。
オーガも大剣を構えて接近する。
俺は腰にあるソードチップをダイブスキャナーに装填する。
『ソード、セット!』
機械音が流れるとデータ粒子から剣が生まれる。
それを掴んでオーガに切りかかる。
しかしオーガは素早く大剣を切り上げる。
「グァッ!」
俺はマントのおかげで切られて無いが、大剣の衝撃が体の芯に響いて叫ぶ。
吹き飛ばされつつも着地を取り、シールドチップを取り出して装填する。
『シールド、セット!』
機械音が流れつつデータ粒子から出来た盾を持ち、剣をオーガに向けて力強く投げる。
オーガは俺が投げ飛ばした剣を大剣で弾き飛ばし、そのまま俺に接近して大剣を振り下ろす。
俺はギリギリのタイミングで盾を使って大剣をはじき飛ばす。
オーガははじき飛ばされた大剣を離せまいと強く握る。
だったら……。
俺は少しだけオーガから離れてアローチップとスコープチップとボンバーチップのうち、アローチップを装填する。
『アロー、セット!』
機械音が流れつつデータ粒子から出来た弓矢を掴み、さらにスコープチップちを弓矢に装填する。
『アタッチメント、サイト&ボンバー!』
弓にはサイトが、矢には爆弾を着けられて、それをオーガに向けて発射する。
矢がオーガに当たると先端についている爆弾が爆破する。
だが煙からオーガが無傷で出てくる。
どんだけ体が硬いんだよ! その胸当てだけじゃ無く見えない鎧を着ている?
オーガの硬さに呆れているとバッタが俺の肩に乗る、すると電話が鳴ってきて慌てて受け取る。
「ハイ、もしもし……」
『そんな呑気な事をしている場合か?』
「って、もしかしてライト!?」
俺は電話の主がライトだと知って驚く。
しかし当の本人は俺の驚きを気にせずに説明する。
『トライドと共に渡したアタッシュケースがあるだろ? そこにはダイブの性能を強化するアイテムがある、急いでとるんだ!』
ライトはそう言うと電話を切り、俺はトライドにあるアタッシュケースからチップを取り出す。
それはロボット同士が激突する様子を描かれたチップだ。
俺はさっそくロボットのチップを装填する。
『ガチンコロボッツ!』
機械音が流れてギアを回す。
するとデータ粒子から赤い小型ロボットが出てきて、俺は分からずに叫ぶ。
「な、何だコレ!? ロボット!」
そう驚いていると赤いロボットはパーツごとに分かれ、俺の周りに飛び回る。
チョ、前が見えな――
そう言おうとするといきなりロボットのパーツが俺と合体した。
「イデー!?」
その衝撃で叫んでしまうと同時に機械音が流れる。
『激突ファイティング! メタルブレイキング! 白熱のゴングゥ! ガチンコ~ロボッツ!』
機械音が流れて俺は星がいつのまにか用意したか鏡を見る。
先ほどダイブの姿に赤い装甲の装備を着ていた。
オーガは俺の姿を見て首を傾げる。
「何だその姿は? さっきと違うと言うつもりか!」
オーガはそう叫ぶと大剣を構えて近づく。
俺は急いでガードをしようとする、だがここで大問題が見えた。
俺の手は鋼鉄の装甲でガードされ、物を持て難くなってしまった。
しかしオーガはそれを意図せずに接近する。
アア、クソ! こうなったら一かバチだ!
俺は心の中で覚悟を決めて右ストレートを放つ。
するとオーガが持っていた大剣を破壊した。
オーガはもちろん、俺も驚いている。
なんせ堅牢そうな大剣を拳一発で半分も破壊したからな。
俺とオーガは声が出ないほど驚いているとライトがやってきながら言う。
「『ガチンコロボッツ』の性能は『アクションボーイX』より超える攻撃力、つまりどんなものも破壊する事が可能になるほど強力になったんだ」
「な、何!?」
それを聞いたオーガは破壊された大剣を見ながら叫ぶ。
俺も自分の手を見ながら呆気に取られてしまう。
攻撃力が高くなったって……高いってレベルじゃねぇだろ!?
そう思いながら驚いているとオーガは叫びながら接近する。
銀河は新たな力・ガチンコフォームになってオーガを討伐する!
次回、「ガチンコロボッツ」をお楽しみに!
投稿する時間、11月30日19時10分です。
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