08.赤銅の鬼の復讐
銀河がオーガメモリーの使用者の正体を掴んだ時、獅々田率いる野球部たちは流星学園が持つグラウンドの一つ、グラウンド・ベースボールに行う他行の練習試合の準備をしていた。
その中で獅々田と気弱そうな生徒と話して……いや、遠目からすればかも知れない。
だが近くで見れば獅々田が気弱そうな生徒に命令していた。
「良いか? 俺がサインを出したら自らボールに当たって来いよ?」
「ハイ、分かりました。獅々田さん!」
気弱そうな生徒・鬼頭は獅々田にそう言うと、獅々田はあくどい笑みを浮かべながら言う。
「イヤ~、本当に俺の下っ端は便利すぎるわ。これからもよろしくな?」
「もちろんさ、獅々田君!」
獅々田がそう言うと強気の生徒・馬崎は大判を押す。
この状況を他の人からすればスポーツマンシップに反しているように見えている。
しかし獅々田の親は政治家であり、彼の言葉で自由自在にルールを捻じ曲げていく。
そうして彼はエースと呼ばれるほどの名声を手に入れたのだった。
そうしているうちに監督が着替え部屋にやってきて言う。
「おい、そろそろ練習試合の時間だ」
「「はーい」」
監督の言葉に部員たちは返事してグラウンドに向かう。
その中で鬼頭は馬崎に伝える。
「すみません、少し忘れ物をとってきます」
「早くしろよー?」
「ハイ!」
馬崎は呆れつつも言い、鬼頭はそう答えながら着替え部屋に戻る。
その時の彼はどこぞの死の文書を持った青年が勝利の確立を知った時になった時の笑みになる。
「計画通り……!」
鬼頭はそう呟きながら着替え室に戻っていく。
▲▽▲▽▲▽
俺と星はダッシュで野球部が使うグラウンドに向かっている。
俺は後ろに追いつくように走っている星に聞く。
「なぁ? 野球部の練習試合の時間は何時だ!」
「えっと……確かあと五分くらいだと思う!」
「マジかよ……!」
俺はそれを聞いて青ざめる。
なぜなら練習試合が始まると同時にオーガが出現して、グラウンド事破壊されてしまう。
俺の勘がそう叫んでいるからマズイ、その為急いで向かっている時に目の前にバイクの形をしたトラが出てくる。
俺は慌てて立ち止まる。
「ウォッと!」
俺は立ち止まってバイクの形をしたトラをジッと見る。
見た感じはトラそのものだが、尻尾の部分がバイクのマフラーで出来ている。
しかも首の付け根にメモリーらしき物が飛び出ている。
俺は恐る恐るメモリーを引き抜く。
するとトラは普通のバイクに戻る、その時にアタッシュケースが出てきた。
俺は何とかアタッシュケースを受け止め、アタッシュケースの中身を見る。
中はロボット同士が激突する様子を描かれたチップ、もう一つはトラのバイク・トライドに関する事が描かれ紙だ。
それをざっと見て乗る。
するとマフラーからデータ粒子が出てきて、俺の頭に纏ってヘルメットのようになる。
星も俺の後ろに乗って肩を掴んで言う。
「急ごうよ、ライト君が信じているから」
「そうだな……行くぞ!」
俺はそう叫ぶと一気にグラウンドに向かって行く。
▲▽▲▽▲▽
銀河がトライドに乗って向かっている時、野球部員たちはグラウンドで練習試合をしている。
他校の生徒の一人が壁に向けてボールを投げる。
しかしボールは観客席に向かってしまう。
生徒がボールを取りに行く、だが生徒は目の前にいる怪物を見て叫ぶ。
「ウワァァァ!?」
「な、なんだ!?」
他の生徒が叫び声を聞いて叫び声がしたところに向かう。
叫び声がしたところに着くと他の生徒は声を震えながら指をさす。
「な、何でゴブリンがいるんだよ!?」
他の生徒が言う通り、緑の肌をした小鬼・ゴブリンが叫んだ生徒を踏み付けたながら叫ぶ。
「グギャァ!」
「グギギ!」
「グルル!」
ゴブリンが叫ぶと同時に他のゴブリンも一斉に現れる。
それを見たグラウンドにいる一同は驚きながら叫ぶ。
「ウ、ウワァァァ!?」
「な、何だよアレェェェェ!」
「早く逃げろー!」
グラウンドにいた一同は急いでゴブリンから逃げようとしている最中、獅々田は金属バットを強く握りしめて叫ぶ。
「またバケモン沙汰かよ、クソが!」
獅々田はそう叫ぶとゴブリン達が獅々田に向かって一斉に襲い掛かる。
しかし獅々田は金属バットを駆使してゴブリン達を吹き飛ばしていき、苛立ちを感じながら叫ぶ。
「きめぇんだよ、ゴミ共!」
獅々田はそう叫びながらゴブリン達を吹き飛ばしていく。
しかしゴブリン達は吹き飛ばされても少ししたら起き上がり、即座に襲い掛かる。
獅々田は起き上がり続けるゴブリン達に苛立つ。
その時に獅々田の背後に一人の生徒が肩を叩いて言う。
「獅々田さん、大丈夫ですか?」
「おわ!」
その生徒は鬼頭であり、獅々田は話しかけられたことで驚く。
獅々田は話しかけてきたのが鬼頭だと知って呆れながら叫ぶ。
「はぁ~いきなり話しかけてくんじゃねぇよ!」
「すみません、けどこれを見せたくて来ました」
鬼頭はそう言うと懐から赤銅の鬼が描かれたメモリー・オーガメモリーを取り出してスイッチを入れる。
『オーガ!』
機械音が流れると鬼頭は右手の甲にオーガメモリーを差し込む。
するとメモリーをさしたところから赤いデータ粒子が溢れ出し、鬼頭に纏いつくとオーガに変化する。
獅々田はオーガを見て少し怖気ついてしまうが、金属バットを握り締めて叫ぶ。
「い、今更そんなもんでビビんねぇよ!」
獅々田はそう叫ぶと力強く金属バットを振り下ろす。
金属バットがそのままオーガの頭を叩き割る……訳もなく、オーガは振り下ろされる金属バットを掴む。
獅々田は力を入れて振り下ろそうとする。
しかしいくら力を入れてもピタリとしており、見飽きたオーガは金属バットを奪う。するとオーガは金属バットを紙くずのように容易く丸めて投げ捨てる。
それを見た獅々田は顔を青ざめながら命乞いをする。
「ま、待て! 頼むから待ってくれ! 金なら親父に頼んでいくらでも払う、だから命だけは!」
オーガは獅々田の命乞いを聞いて呆れながらこんな事をする理由を言う。
「そんなことを言っても無駄だ。俺はずっとあんたを妬んでいたんだよ、勉学も運動も金も名誉も何もかも! それが羨ましかったからこんなことをしたんだよ!」
妬みが混ざったオーガの叫びに獅々田は聞いておらず、今すぐ自分よりも超える化け物から逃げなければいけない恐怖に駆られていた。
しかし彼の足は恐怖によってまともに動かせず、むしろ芋虫のように地面を這いずっている。
その様子を見たオーガは呆れながら言う。
「そうだな、あんたからすればどうでもいい事か。だったらここで散れ!」
オーガはそう叫ぶと持っていた武骨な大剣・人食いを振り下ろそうとする。
その時に一人の生徒がトライドに乗りながら、オーガを吹き飛ばす。
「グァ!?」
オーガは吹き飛ばされた事に驚きながら衝撃がした方に振り向く。
オーガを吹き飛ばした青年はトライドをおりてヘルメットを外す。
トライドに乗った青年・銀河は無言のままダイブスキャナーを着けて言う。
「何とか間に合ったな……」
銀河は何とかオーガ・鬼頭の凶行を止めようと説得する。だが鬼頭の様子がおかしく……
次回、「VSオーガ」をお楽しみに!
投稿する時間、11月26日19時10分です。
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