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流星のフルダイバー  作者: 佐々牙嵯峨兎
1章 電脳の導き
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07.大捜索

 俺はライトに近づいてさっきの事について聞く。


「それってどういう事だ?」


 俺の質問にライトは眉をひそめながら言う。


「聞こえなかったのか? 何度も言う趣味は無いが無理だと言ったんだ」

「そうじゃ無い! 俺が聞きたいのはどうして無理って言う事なんだよ!」


 俺はライトが言った言葉の意味を聞く。

 ライトは頭を搔きながら答える。


「メモリーはその使用者が誰もいない場所に使う。仮に見つけて倒したとしても、倒したときに出るデータ粒子が爆散した瞬間、逃げるられるかもしれなんだぞ?」

「ウゥ……」


 俺はそれを聞いて少しうめく。

 確かに逃げられるかもしれない、だけどオーガは何かに恨んでいた。

 俺の勘が正しければいずれにせよ被害者が出てしまうかもしれない。

 だけどライトは機材を操作しながらオーガに着いて調べていた。

 俺はライトの肩を力強くつかんで叫ぶ。


「だとしても見過ごせれないだろ!」

「そんなに感情的になってもオーガの使用者は見つからない!」


 ライトはしびれを切らして、聞いた事が無い怒声で叫ぶ。

 俺は怒声を聞いて少したじろぐがムッとして返す。


「な、なんだよ! だったら一人で探してやるよ!」


 俺はそう叫びながらダイブスキャナーを机に置いて部屋から出る。

 その時に星は慌てた声で呼びかける。


「銀ちゃん!」


 しかし俺はライトに少しギャフンと言わせるために部屋を出る。




 ▲▽▲▽▲▽




 銀河がサーバールームを飛び出し、ライトは銀河が言った言葉を聞いてあきれながら呟く。


「まったく、手がかりも無いのに一体どうやって使用者を見つけ出すと言うんだ……」


 ライトはそう言いながら呆れている、すると星は頷きながら笑いだす。


「そうだね、フフ……」


 ライトは星が笑い出したことに首を傾げて聞く。


「そういう星さんだって何で笑っているんだ?」

「アァー……銀ちゃんの事を知らない人からすれば私が笑っているように見えるね」


 星はそう言いながら苦笑いになる。

 ライトは首を傾げて言う。


「知らない人? それはどうしてそんな風に言うんだ?」


 ライトの質問に星は懐かしそうに答える。


「う~ん、銀ちゃんは昔から人助けをしていたんだ。別のクラスの仲直りや迷子の子猫探しを受けては即行動だったんだよ」

「なるほどね……」


 ライトは銀河のお人好しについて聞きながら頷き、星は瞳をまっすぐにして言う。


「銀ちゃんは大人達が無理だろうと何だろうと、頼まれた事を必ず達成するの。だからオーガの使用者を絶対見つけるよ!」


 星の言葉を聞いたライトは顎に手を当てて言う。


「絶対か……」


 ライトはそう言うと二つの補助生物(バイオノイド)メモリーとその機材を星に渡す。

 一つ目はバッタフォンで、もう一つはパンダが描かれたメモリー・レーダパーンだ。

 星はそれを受け取りながら首を傾げているとライトは頭を搔きながら言う。


「性に合わないけど僕は彼の事を少し信じてみるよ。その絶対に」

「ライト君……」


 星はその言葉を聞いて少し喜びそうになり、満面の笑みで親指を立てて答える。


「もちろんだよ!」


 星はそう答えると机の上にあるダイブスキャナーをとってサーバールームを出る。

 ライトは近くにある水のペットボトルを呑み、それを蓋にして近くに置く。

 そして壁に納めているメモリーとチップの一つを取り出し、それをアタッシュケースに入れる。




 ▲▽▲▽▲▽




 部屋を出た俺はさっそく怪物について校内にいる人たちに聞いた。

 だけど――


「怪物? 聞いた事はあるけど実際見て驚いたし、詳しい所は朧気なんだ」

「怪物? 聞いているがそんなのデマだろ?」

「怪物か……悪いがあんまり知らないんだ」

「怪物? そんな事より鍛えるぞ!」


 怪物の詳細どころか手がかりが全くなかった。

 それに最後は筋トレを誘われたけど、今は怪物探しに優先したいから何とか断ったからな。


「何かどこかにいい情報屋はいないか~」


 俺はそう呟くと享楽者(ジョーカー)らしき生徒たちが集まって話していた。


「イヤ~まさかマジで怪物が出てくるなんてな」

「リアルにそれな」

「だよな、アハハ!」

「マジでPJの言った通りだな」


 俺は物陰に隠れて享楽者(ジョーカー)の生徒の話を聞いて首を傾げて呟く。


「PJ……そいつが何か知っているのか?」


 そう思いながら物陰から出て享楽者(ジョーカー)の生徒たちに聞く。


「なぁ、少し盗み聞きしちまったけどPJって言う奴はドコにいるんだ?」


 俺の質問に享楽者(ジョーカー)の生徒たちは苦い顔をせず、むしろフレンドリーに教える。


「エ? もしかしてPJについて探してんの?」

「だったら彼は食堂にいるから急いだら?」

「分かった、教えてくれてサンキューな!」


 俺はお礼を言って食堂に向かった。

 そして俺は食堂について叫ぶ。


「PJ! 悪いけど怪物について聞かせてくれ!」


 俺の叫び声に一人の生徒が振り向きながら首を傾げる。

 その生徒は頭にバンダナを巻き付け、少し子どものような雰囲気の生徒だ。

 PJはジュースを机の上に置いて、俺に近づいて聞く。


「怪物についてって聞こえたけど、情報が欲しいの?」

「アア、それを頼む」


 俺はそう言うとPJについて行き、学園の清掃倉庫に着くと清掃員のおじいちゃんがいた。

 清掃員のおじいちゃんは俺に気付いて聞く。


「もしかしてPJちゃんが連れてきた子なのかい?」

「あ、ハイ」


 俺は少し答え、さっそく清掃員のおじいちゃんにオーガの事を聞く。


「おじいちゃん、何か鬼みたいな怪物を見て無いか? 他にも怪物が現れる前に誰かがいたとか?」

「そうじゃの……」


 おじいちゃんは少しずつ目の前に起きた事を話す。

 おじいちゃんが言うにはいつもみたいに清掃をしていた時、何かが殴る音と笑い声が聞こえて何だろうと思い、近づくと目の前にお孫さんがやってきて『爺ちゃん、しばらく友達と遊んでいるからちょっと後ろを振り向いてくれない?』と言われた。

 おじいちゃんはもちろんその願いを聞き入れて後ろを振り向いた。

 その瞬間に背後にオーガで現れ、おじいちゃんは突然現れたオーガに声を失って尻もちをついてしまい、オーガは向こうに行った。

 俺はその話を聞いて確信する。

 そのオーガメモリーの使用者はおそらく……だろう。

 俺はその話を聞き終えてお礼を言う。


「話を聞かせてくれてありがとうな!」

「いやいや、他の人は見間違いって言っていたがPJ君以外に信じている人がいて嬉しいよ」


 おじいちゃんはそう言うと清掃道具を持ってどこかに向かう。

 俺はスマホを操作して星に清掃倉庫に来るように連絡する。

 数分経って星はダイブスキャナーとは別にバッタのようなスマホと、パンダのようなレーダーを抱えていた。

 俺はさっきの話をすべて言うと星は驚きながら叫ぶ。


「エェ! 銀ちゃん一人で使用者を見つけ出したの!?」

「まあなってそんなことを言っている場合じゃない。急いで野球部用のコートに向かうぞ!」


 俺はそう叫びながら野球部用のグラウンドの方向に指をさし、急いで向かう。

銀河はついにオーガメモリーの使用者を見つけ出す、だが彼はどうしてそんなことをするのは訳があった――

次回、「赤銅の鬼の復讐」をお楽しみに!

投稿する時間、11月23日19時10分です。

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