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流星のフルダイバー  作者: 佐々牙嵯峨兎
1章 電脳の導き
6/11

06.マルウェアについて

「う~ん……ココは俺の部屋か?」


 俺は頭を掻きながら周りを見て呟く。

 確か俺はダイブスキャナーを手に入れて、その後……そうだ、思い出した!

 その後はオーガを倒す事は出来たけど倒れちまったんだ!

 少し肩を回しながらスマホを見ると、通知が一つあった。

 えっと、何々……。


『もしこのメールを見たら授業前に古びた教室に来て欲しい』


 ラインで星が呼び出しメールを送っていた。

 古びた教室に何か用事があるのか?

 そう思いながらスマホを机に置き、制服を着替えたのちに朝食を終えて学園に向かう。

 こうして学園に着くと他の生徒が話しながら歩ている。


「聞いたか? 学園に怪物が現れたって言うらしいぜ」

「マジ? だとしても休みにはならないのか?」

「それは突如現れた正義のヒーローが倒してくれたって言う噂があるけど、学園長は噂として休学しないって」

「怪物はともかく正義のヒーローってなんだそりゃ?」

「さぁな? 俺も見た事無いけどなんか一人の生徒が変身したらしいって」

「何だそれ? ほぼ特撮だろ?」

「それなー」


 俺はほかの生徒の話を聞いて苦笑いになる。

 確かに他の人達からすればほぼ特撮どころじゃないからな。

 そう思いながら学園に着くとジャージ姿の先生が俺の前に現れて言う。


「おい、その制服はうちのじゃ無いだろ?」

「うちのって、アアこれか……」


 俺は自分の制服を見て呟く。

 今着ている制服はブレザーだが色は少し青が混ざった黒だ。

 これは前の学校の制服で、この学校の制服はまだもらってもいないからな。

 俺は苦笑いで言う。


「アハハ……実はまだもらって無くて……」

「何? 貰ってないから別の学校の制服を着て良いのか! うちは制服を改造したりするのは自由だが、さすがに別の高校の制服を着てくるなんて聞いた事無いぞ!」


 先生は俺の言葉を聞いてあきれて叫ぶ。

 確かに別の学校の制服を着たまま登校するなんて聞いた事が無いからな。

 そう思いながら先生に叱られていると、校門から獅々田がやって来た。

 先生は獅々田に気付くと手を擦りながら話しかける。


「獅々田君、昨日はとてもおかしなことが起きたけど、今日の試合は頑張って欲しいよ」


 獅々田は先生の言葉を聞きながら頭を掻いて呟く。


「ったく、何であんな怪物が出てきたのに休みにならないんだよ……」

「すみません……理事長がそう決めたので……」

「理事長つっても見た事ねぇし、本当にいるのかよ……」


 獅々田はそう呟きながら校内に入る。

 にしてもあの先生、獅々田にそこまで腰を下げていて教師の風上が無いような……。

 失礼な事を思いながら俺も校内に入る。

 ちなみに制服は廊下に歩いていた水蓮先生が渡して、近くの更衣室で着替えた。

 流星学園の制服は白のシャツ、蒼い生地の星が描かれたブレザー、ネクタイは赤と黒のギンガムチェック、ズボンは白と黒のグレンチェックだ。

 俺はそれを着て教室に入る。

 教室内はクラスメイトたちが昨日の事で話題になり、星とライトがいなかった。

 あれ、もしかして古い教室にいるのか?

 そう思いながら自分の席に座る。

 そして先生が教室に入ってきた、先生は星とライトの席を見て呟く。


「またか、まったく……」


 先生はそう呟いて黒板に文字を書き始める、だが俺は先生の呟きを聞いて首を傾げる。

 またかってもしかしてライトは何度か授業に出て無いのか?

 そう思いながら教科書を開いて先生の話を聞く。




 ▲▽▲▽▲▽




 理事長室に七体の怪人がいており、その中でフェンリルとメデューサとゴーレムが在席している。

 フェンリルの後ろにシャドウが立っており、四体の怪人の内鬼の怪人・シュテンドウジはメデューサに指をさして聞く。


「メデューサ、俺の部下をインストールしたメモリーから聞いたが何者かに倒された聞いたがどうだ?」

「何ですって?」


 メデューサはそれを聞いてシャドウの方に向く。

 シャドウはサッと視線を逸らし、メデューサはため息をつく。

 メデューサはフェンリルがシャドウに黙らせるように言った事を知った。

 呆れているメデューサの代わりにゴーレムがシュテンドウジに聞く。


「ソレハ一体ドウイウ事ダ? シャドウカラハ何モ聞イテイナイゾ?」

「そうですか……あとから来たものですが、人間が対抗するための物を作っていたのは驚きです」

「それもそうだな……」


 ゴーレムの言葉に魚の怪人・ケトスと死霊の怪人・スペクターが同意する。

 鳥の怪人・サンダーバードは頭を掻きながら言う。


「と言うか、人間ってまだ諦めていないんだな。正直馬鹿じゃねぇの?」

「いや、オーガは鬼系統の中では強い方です。中々侮れません」


 サンダーバードの言葉にスペクターは冷静に分析しながら否定する。

 その時にずっと黙っていたフェンリルが立ち上がって言う。


「マァ、取り敢えずメモリー自体はシャドウが回収して無事だし、とにかくこのままで大丈夫だろ?」


 フェンリルの言葉を聞いたシュテンドウジは青筋を立てながら言う。


「取り敢えずだ? 確かにフェンリルの獣系に比べると弱いかもしれねぇ。だとしても戦った奴を侮辱するのは間違ってんじゃねぇのか?」

「ハァ? シュテンドウジ、お前マジかよ。増員型じゃない奴は不便なのにか?」


 シュテンドウジの言葉にサンダーバードが笑いながら言う。

 するとシュテンドウジは力強くサンダーバードの頬を殴りつける。

 サンダーバードはシュテンドウジのパンチで吹き飛ばされ、壁にぶつかってしまう。


「……ッてぇな。何すんだよ、アァン!」


 サンダーバードはいきなり殴り飛ばされた事に怒り狂い、シュテンドウジに近づきながら雷球を生みだす。

 シュテンドウジも背中に背負っている大太刀を抜刀し、両者一触即発の時にスペクターが二人の間に入って止める。


「お前たち、仲たがいはここまでだ」

「何だと、腐れやろう! 俺が悪いってか!?」


 サンダーバードは止めに来たことにいら立ち、雷球をスペクターに向けて投げようとする――


「ちょっと待てよ」


 その時にフェンリルがサンダーバードの腕を掴んで止めに入る。

 サンダーバードはフェンリルの手を振り払って叫ぶ。


「テメェも邪魔すんのか!」

「ココで暴れてもあのお方が座る席が壊れちまう。お前は責任をとれるのか?」

「ウグゥ……」


 サンダーバードはそれを聞いて呻き、雷球を収めて元の場所に戻る。

 シュテンドウジも頭を搔きながら謝る。


「すまん。少し熱くなってしまった」

「良いってことよ。とにかく今の目標は感情や欲望のデータを集める事だ」


 フェンリルの言葉にサンダーバード以外の一同は頷き、人間の姿に変わって解散する。




 ▲▽▲▽▲▽




「ようやく昼休みになったな……」


 俺は食堂で買った昼飯を抱えながら古い教室に向かっている。

 最初の授業は二人ともいなかった。午前の授業が終わった

 そうして古い教室に着いて扉を開ける。

 扉から強烈な光が溢れて目を細め、眩しく感じながら中に入る。

 中にはライトがダイブスキャナーに接続した機材を見て呟く。


「まさかここまでの性能を発揮するなんて……」


 俺はライトが見ている画面をのぞく。

 しかしかなり知らない単語だらけで思わず呟く。


「何だよこれ……ロシア語か?」


 そう呟くとライトは俺の事に気づいて言う。


「うん? もういたんだな、取り敢えず星が帰ってくるまでゆっくりしたらどうだい?」

「お、おう……」


 俺はそう答えて地殻の席に座って食堂で買ったおにぎりを食べる。

 ライトの机の上には野菜ジュースしかないけど、あれでちゃんと食べているのか?

 それにこの部屋の事を先生に聞いてもあまり聞いた事はないって言われたし、ライトは一体何をしているんだ?

 そう思っていると星が入ってきた。


「もーライト君。これ以上休んだら私の誤魔化しも聞きにくくなっちゃうよ……銀ちゃん! あの後から変な所はないの?」


 星はライトに説教に似た事を言うが、俺に気付くと驚きながら体の異変を聞いてくる。

 俺は少し肩を回しながら言う。


「う~ん、特に何もないな。それとオーガって言う奴は何だ?」

「あ、それもそうだね」


 星は思い出しながら昨日の怪物について教える。

 昨日戦ったのは空魔マルウェアと呼ばれる怪物で、そいつらは電子世界から現実に侵略する未知の生命体だ。

 だけどあいつ等は現実に行くにはメモリーと呼ばれる物で行けれない。

 俺はそれを聞いて叫ぶ。


「だとしたら昨日倒したオーガは生きているって言うのか!?」

「うん、だけど弱点があってそれはメモリー自体破壊する。それだけで完全に倒せる」


 俺はそれを聞いて立ち上がって言う。


「よし、だったら――」

「無理だ」


 俺がメモリーを探そうと言い終える前にライトは否定する。


銀河はライトをギャフンと言わすためにオーガメモリーの使用者を探す、しかし思ったよりも見つからず……

次回、「大捜索」をお楽しみに!

投稿する時間、11月19日19時10分です。

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