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流星のフルダイバー  作者: 佐々牙嵯峨兎
1章 電脳の導き
5/11

05.アドベンチャーボーイX!

『未知のエリア! 希望のアリア! ミステリー・ザ・プレイング! アクションボーイ~X!』


 俺は機械音を背景に自分の姿を見て驚く。


「マジかよ、本当に変身した!」


 俺はガラスに映る自分を見て驚く。

 今の姿は黒のフード付きジャケットを羽織り、黒の手袋をつけて、顔には金属製のマスクが付けられていた。

 まさか特撮みたいに変身するとは……。

 ちょっとだけドキドキしていると、オーガは俺の姿を見て驚きながら聞く。


「な、なんだその姿!? お前は一体何者だ!」


 オーガの質問に俺は少しだけ考える。

 う~ん成り行きで変身したとはいえ、何て言えばいいのだろうか?

 考えると一つの言葉を思いついて言う。


「一応正義のヒーローって所だな」


 そう言うとオーガは憤りながら叫ぶ。


「正義のヒーローだと? ふざけるな!」


 オーガはそう叫ぶとこっちにやって来るが、俺は腰にあるホルダーを見て気づく。

 それはホルダーにもチップがある。

 俺は一番上にあるチップを取り出し、それをダイブスキャナーに装填する。


『ソード、セット!』


 機械音が流れるとデータ粒子から剣が生み出され、オーガが振り下ろす大剣に向けて守りで構える。

 オーガの大剣が俺の剣とぶつかり合う、そこから火花が飛び散り、鉄と擦り合う音が響く。

 にしても力強いな……! このままじゃ押されちまうし、何かいい方法は――

 そう思いながらホルダーの方をチラ見する。

 ホルダーには六枚のチップがあり、一番上はソードチップ、二番目は盾が描かれたチップ、三番目は爆弾のチップ、四番目は弓矢のチップ、五番目は翼のチップ、最後は必殺と書かれたチップだ。

 その中で良いのは――盾だ!

 俺は手が開いている方で盾のチップを取り出し、それをダイブスキャナーに装填する。


『シールド、セット!』


 機械音が流れるとデータ粒子から盾が生み出され、それを大剣に叩きつける。

 すると盾からはじく音が響き、オーガは大剣ごと後ろに押されて叫ぶ。


「ヌオ!?」


 オーガは後ろに倒れかけるが、踏ん張って大剣を持ち直す。

 俺が付けている盾は相手に叩けば少しだけ吹き飛ばす効果があるんだな。

 そう思いながら盾を見ているとオーガは怒り狂いながら叫ぶ。


「クソクソクソ! 関係無いくせに邪魔しやがって!」


 オーガはそう叫ぶと緑色の小鬼が描かれたメモリーのスイッチを押す。


『ゴブリン……!』


 機械音が流れるとオーガはメモリーを地面に刺し込む。

 するとそこから十体ほどのゴブリンが召喚される。

 俺は思わずうなり声を上げる。


「ウゲェ!?」


 オイオイ、召喚するなんてありなのか!?

 驚いているうちにオーガは大剣を俺に向けて命令する。


「アイツを今すぐ始末しろ!」

「「ギィー!」」


 ゴブリンは叫ぶと一斉に俺に襲い掛かる。

 俺は盾でガードするが、チームプレイでガードする時の隙を狙って攻撃されてしまう。

 このままだといずれやられてしまう。

 一体如何すれば……そうだ!

 俺はこの状況を解決する方法を思いついて翼のチップを取り出し、それをダイブスキャナーに装填する。


『ウィング、セット!』


 機械音が流れるとデータ粒子から鳥の翼が生み出され、それを背中に着けて羽ばたく。

 よし、これなら――

 と思っていたよりも操作が難しく、滅茶苦茶な方向に飛んでしまう。


「ウワァァァ! コレ思ったよりも難しすぎだろー!」


 俺は必死にバランスをとりながらゴブリンを倒していき、オーガを掴んで校庭に放り出す。

 オーガは校庭に放り出され、地面に強く当たって叫ぶ。


「グァァァァァァァ!」


 俺も校庭に降りてオーガに言う。


「何でそんなに暴れまわるんだ? 暴れたってなにもならないぞ?」


 俺はオーガに諭すように言うと、オーガは怒りに満ちた声で叫ぶ。


「お前みたいなお人好しに何が分かるって言うんだ!」


 オーガは叫ぶと赤いオーラが醸し出して大剣を構えて来る。

 俺はすぐさま盾でガードする、だが威力を抑えきれずに吹き飛ばされる。

 何とか着地して体制を整えて、ダイブスキャナーにあるシールドチップを取り出す。

 すると盾は消滅する。

 シールドチップをホルダーに戻して弓矢のチップを取り出し、それをダイブスキャナーに装填する。


『アロー、セット!』


 機械音が流れるとデータ粒子から弓矢が生み出され、それにさらに爆弾のチップを差し込む。


『アタッチメント、ボンバー!』


 機械音が流れると矢じりの所に爆弾が付けられた。

 俺はオーガに向けて矢を三発放つ。

 しかし矢はオーガを通り過ぎて花壇や学校の窓を破壊する。

 俺は冷や汗を流して呟く。


「ヤベ……しくじった……」


 修理費はいくらかかるだろうと思いながらやらかしを感じていると、バッタのようなスマホが俺の前に現れる。

 もしかしてダンベルのゴリラと同じ奴か?

 そう思いながらスマホのバットを取り、それを耳に当てるとライトが呆れながら言う。


『まったく……学園を破壊する気か?』

「ワリィ……」


 俺は気まずそうに答える。

 まったくその気はないけど、破壊した事はマジで申し訳ない。

 申し訳なさそうに思っていると足元に何かが当たっていて、足元を見ると腕時計のクモが背中にチップを持ってきた。

 俺はクモの背中にあるチップを拾う、ライトは電話越しで説明する。


『さっき使ったと思うが、チップには三つの種類があってチェンジ、セット、アタッチメントだ。チェンジは今の状態で、セットは武器や防具の装着、アタッチメントはその武器の追加パーツの意味を指すんだ。そして今持っているスコープチップとファイナルチップを使えば勝てるはずだ!』

「なるほどな……」


 俺はチップを見ながら呟き、それを弓矢に装填する。


『アタッチメント、サイト!』


 機械音が流れると弓矢に照準器が搭載される。

 俺はサイトを覗いてオーガに狙いを定め、矢を五発放つ。

 矢はさっきとは違い、的確に当たって吹き飛ばす。

 オーガは満身創痍になり、膝を地面に着きながら苦しんでいる。

 オーガは俺を見ながら叫ぶ。


「く、クソ! こんな奴に邪魔されるなんて……!」


 俺はオーガの言葉を聞いて少し申し訳なさを感じてしまう、だが心を鬼にしてファイナルチップを取り出し、それをダイブスキャナーに装填する。


『ファ、ファ、ファ、ファイナル! キックスキャン!』


 機械音が流れると足にデータ粒子を纏って勢いよく飛び上がり、キックの構えをとってオーガに打ち込む。

 オーガは苦痛に歪みながら叫ぶ。


「グァァァァァァァ!」


 オーガの断末魔と共に亀裂が入り、俺はオーガを貫通して倒す。

 オーガは蹴られた場所を抑えながら爆散して消滅した。


「ふぅ、何とかなった……」


 俺は安心すると疲れが一気にきて倒れてしまう。

 その時に星やライトの声が聞こえるが、俺はそのまま目を閉じる。




 ▲▽▲▽▲▽




 その様子を物陰に隠れながら見ていたシャドウは端末でフェンリルにこの事を伝える。


「――これが先ほど起きた事です。もし邪魔なら――」

『いや、そのままにして置け』


 シャドウは銀河の処分を提案するが、フェンリルは放置するように言う。

 シャドウは首を傾げながら聞く。


「何故でしょうか? 今ここで始末しなければ――」

『良いから放っておけって。この事は俺とお前の秘密だ、良いな?』

「……分かりました。メデューサ様やゴーレム様には隠しておきます」

『それで良いぜ』


 フェンリルはそう言うと通信を切り、シャドウは気付かれぬように去る。


銀河はオーガを倒す事ができた、だがしかしまだ終わってないようで……?

次回、「マルウェアについて」をお楽しみに!

投稿する時間、11月15日19時10分です。

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