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流星のフルダイバー  作者: 佐々牙嵯峨兎
1章 電脳の導き
3/11

03.この学校の仕組み

 俺の自己紹介を聞いた岡野先生は顎に手を付けながら感心する。


「ほぉ……中々良い目標だな」

「イヤ~それほどでも」


 俺は岡野先生に褒められて頭を掻きながら答える。

 水蓮先生も感心しつつ席に指をさして言う。


「岡野先生の言う通りですね。ちなみに君の席はあそこですからね」

「ハイ、分かりました」


 俺はそう言いながら席に向かうと茶髪ロングの女子が懐かしそうに呼ぶ。


「もしかして……銀ちゃん?」


 俺はその呼び名を聞いて足を止める。

 その呼び方はアイツしかいない、俺もゆっくりと言う。


「もしかして星か?」


 俺も目の前にいる彼女に呟く。

 すると彼女は満面の笑みになって叫ぶ。


「銀ちゃーん!」


 星は喜びながらハイタッチしようとしてくる。

 俺も笑みを隠せずに叫びながらハイタッチをする。


「久々だな~星!」

「イエーイ!」


 久々に出会った喜びで叫んだが、岡野先生はじっとこちらを見てくる。

 多分少し騒がしいんだろうな。

 俺は星に少し待たせて朝に見かけたライトに胸ポケットから一枚の手紙を机に叩き出す。

 手紙は多少土埃がついて汚れているが、ライトは横目に見ながら言う。


「まさか本当に持ってくるなんてね。もしかしてよほど暇なの?」

「中身を見ずに捨てるなんて礼儀がなってないぞ?」

「ふん、間抜けなくらいのお人好しに礼儀について言われるなんてね」

「何だと!」


 俺はライトの皮肉にカチンと来てしまい、一発殴り掛かろうとする。

 しかし後ろから星が羽交い絞めで止めながら落ち着かせてくる。


「まぁまぁ! ライト君もわざとじゃないし……」

「だとしても失礼すぎだろ!」


 俺は眉をひそめながら叫ぶ。

 他の人からすればお人好しに見えるがだからって言いすぎだろ!

 俺は羽交い絞めから逃げようとする中々きつくて外せずにいる。

 その様子を見ている生徒たちは茶化しながら叫ぶ。


「良いぞー! もっとやっちまえ!」

「がんばれよー!」


 ライトは馬鹿々々しく感じていると感じている時に岡野先生は茶化しを止めようと注意してくる。


「お前たち、いい加減に――」

「ほか弁先生は黙ってくださいよ! ……あ」


 俺は思わず叫んでしまうがハッと我にかえり、岡野先生の方を見る。

 しかし先生は顔をうつむきながら震えて居る。

 星も顔を青ざめて拘束を緩み、俺はそのすきに脱出して声をかける。


「えっと、岡野先生……?」


 俺は首を傾げながら聞く、だが岡野先生を掴むと声を震えながら呟く。


「だから……って言っているだろ……」


 岡野先生が呟いているため、あまり聞こえなかったが星が青ざめながら説明する。


「岡野先生は呼び方を気にしていて、もしずっと言い続けていたら……」


 星は恐る恐る説明する、だが最後の所で岡野先生は顔を上げて叫ぶ。


「だからほか弁じゃないって言っているだろー!」


 岡野先生は涙目で叫ぶと同時に教卓を軽々と持ち上げてきた。

 エェェェェ!? 教卓を軽々と持ち上げたー!?

 俺はこの状況に驚いていると他の生徒たちが慌てながら叫ぶ。


「不味い、岡野先生の我慢が切れたぞー!」

「あれはマジでヤバい、急いで逃げろー!」

「逃がすがこの馬鹿者がー!」

「「うわぁぁぁぁぁぁぁ! 急いで逃げろー!」」


 呆れ名が傍観するライトを除く俺達は慌てて教室中で走りながら逃げ始める。

 しかし岡野先生はそのまま怒り狂って教卓を持ち上げながら追いかけてくる。

 水蓮先生は頭を抱えて慌てふためき、ライトは傍観している。


「いったいどうすれば良いんだよー!」


 俺は走り名が叫び声を上げる。




 ▲▽▲▽▲▽




「ぜぇぜぇ……し、死ぬかと思った!」


 俺は食堂で息を切らしながら机に突っ伏している。

 あの後はライトが岡野先生を落ち着かせて解決したけど、もし捕まっていたらどうなっていたのだろうか?

 そう思いながら片手でストローが入っているジュースを飲んでいると、星が食堂に入る。

 俺はジュースを飲みながらメニューを見ていると星は俺の事を気付き、慌てて俺に近づいて言う。


「ちょっと急いで別の席に座った方が良いよ!」

「は? どういう事だそりゃ?」


 俺は首を傾げて星に聞く。

 星は額に手を当てて順を追って説明する。


「う~ん……この学園は自由を掲げているけど、カースト制度っていうものがあってきめられた席に座らなければいけないの」

「へ~なんだか意外だな」


 俺はこの学園の仕組みに聞いているといきなり星がデコピンしてきた。

 不意にされてつい叫んでしまう。


「イッテ! いきなり何すんだよ!」


 俺はデコピンされたところを押さえながら叫ぶ。

 しかし星は俺の叫びを気にせずにこの学校のヒエラルキーの説明を続ける。


「真面目に聞いて! 王冠のカードが描かれた机は王者エリート、その下が守護者ガーディアン、下順に言えば教養者プレジデント享楽者ジョーカー勉学者ブレイン貧弱者ナード乱暴者クレイジー放浪者フリーダムに別れているの」

「なるほど……」


 俺は額を擦りながら頷いていると奥から大勢の生徒がやって来る。

 一体何だろうと思いながら振り向くと、恰好からして野球部がやって来た。

 中心にいる金髪の男はなぜかいい雰囲気を持っておらず、なぜか見下しているように見えてしまう。

 そう思っていると金髪の男が俺の所にやってきて言う。


「おい、そこのフール。今すぐどけ」


 俺は金髪の男の言葉に首を傾げる。

 フール? それって誰の事だ?

 そう思いながら首を傾げていると星が小声で説明する。


「フールって言うのは馬鹿者って言うの」


 へー、でも一体誰が……?

 そう思っていると金髪の男の隣にいる気弱そうな生徒が俺に指をさしながら言う。


「お前だよ! ずっと獅々田さんがお前の事を言っているんだぞ!」


 俺は気弱そうな生徒の言葉を聞いて頷く。

 へー金髪の男は獅々田って言うんだな――ってちょっと待て。

 俺は少し頬を掻いて獅々田に聞く。


「ずっと俺の事だったわけ?」


 そう聞くと獅々田は呆れながら言う。


「まったく馬鹿者フールは鈍くて呆れるな」

「ムッ……」


 俺は獅々田の言葉を聞いて少しムッとする。

 確かに気付かなったことは悪いけど、さすがに言い過ぎじゃないか?

 それに俺はバカじゃないし!

 少しだけ憤慨していると獅々田は俺の肩を掴むと勢いよく突き飛ばす。

 俺はいきなり突き飛ばされた驚きで叫んでしまう。


「ウワッ!?」

「銀ちゃん!」


 星はいきなり突き飛ばされた事で驚きながら叫ぶ。

 俺は尻もちをしてしまい少しさすっていると星が心配しながら近寄る。


「銀ちゃん大丈夫?」

「イテテテ、ちょっと突き飛ばされたけどいきなり何するんだよ!」


 俺はいきなり突き飛ばされた事に怒り、獅々田に文句を言う。

 だが当の本人は俺の事を鼻で笑いながら言う。


「ふん、馬鹿者フールの分際で王者エリートの席に座っていたから、少し灸をすえただけだ」

「灸をすえたって……意外と器が小さいな……」


 俺は獅々田の態度に呆れながら小さめで呟く、だが強気な生徒が目くじらを立てながらさせぶ。


「テメェ、獅々田君のバカにして何様のつもりだ!?」


 俺は強気の生徒の言葉を聞いて少し青ざめる。

 ゲッ、傷つけないように小さめに言ったのに聞こえるなんて地獄耳かよ!

 そう思っているといきなり殴りかかる。


「ウォ!?」


 俺はいきなり殴り掛かれて驚き、ギリギリで回避して文句を言う。


「おい、いきなり殴りにかかるのはやり過ぎだろ!?」

「ウルセェ、それより後ろを見ろよ」


 後ろを見ろ?

 どういう事だろうと思っていると後ろから星の叫び声が上がる。


「キャー!?」

「何だ!? って星!」


 俺は叫び声を聞いて後ろに向くと気弱そうな生徒が星を人質にしていた。

 ナッ!? 嘘だろ!?

 俺は驚きで固まっていると獅々田が笑いながら言う。


「アハハ、もし学校裏に来ないならこの子をひどい目にあわすぜ」

「チッ……!」


 俺は獅々田の笑みを見て怒りが込み上がって来る。

 しかし下手に刺激させてみたら星の身が危ない。

 俺は大人しく獅々田について行く。




 ▲▽▲▽▲▽




「オラァ!」

「グァ!」


 俺は獅々田の手下に殴られてしまう。

 俺は背中からコンクリートの硬さを感じて苦しみ、獅々田は気弱そうな生徒に命令する。


「おい、お前は見張っておけ」

「は、ハイ!」


 気弱そうな生徒はそう言ってどこかに向かう。

 俺は息を切らしながら立ち上がると獅々田は見下しながら聞く。


「二度と舐めた口を言わないなら、ある程度過ごせるようにするけどどうだ?」

「す、するわけ無いだろ……!」


 俺は息を切らしながら否定すると獅々田は青筋を立てて鉄バットを構える。


「そこまで言うなら刻んでやるよ!」


 そう叫ぶと後ろから何かがやって来る。

 目の前に映るのは赤銅色の鬼だ。


突如鬼の怪物が現れ、絶体絶命だった時にダンベルのゴリラ・ゴリランベルに守られて九死に一生を得る。

だが校内に鬼の怪物・オーガが現れしまう! 唯一対抗できるのはダイブスキャナーらしく……

次回、「いざ、変身!」をお楽しみに!

投稿する時間、11月13日19時10分です。

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