10.ガチンコロボッツ
「我ら空魔がこんな人間に負けるなどあり得るものか!」
オーガはそう叫ぶと破壊された大剣を鈍器のように振り下ろす。
俺は腕をクロス状でガードする。
すると破壊された大剣と赤い装甲の手甲がぶつかり合う、そこから金属と擦り合う音が響き、俺は大剣をはじき返す。
オーガは少しだけ後ろに後ずさり、ゴブリンから新たな大剣を受け取る。
ちなみに獅々田は「自分は関係ない……」と呟きながらこの場から去った。
さすがに呆れてしまいそうだが、俺はオーガの方を向いて構える。
オーガは怒りをあらわにしながら大剣を構え、ゴブリン達が一斉に襲い掛かる。
だけど俺は襲い掛かって来るゴブリン達を一体ずつ吹き飛ばして消滅させる。
例えガードできるものを持っていてもガチンコロボッツの力で破壊する。
そうしているうちにゴブリン達を一掃できた、そしてオーガは苛立ちながら大剣を構えて呟く。
「己、人間の分際で……」
「そんなことを言ってる場合か?」
俺はオーガにそう言いながら接近して両手を握って振り下ろす。
オーガは瞬時に大剣で両手をガードし、右足で腹部に向けて強く蹴り出す。
俺はオーガの蹴りで吹き飛ばされてしまうが、蹴られた場所が装甲だったので少しだけ衝撃が来ただけで済んだ。
俺は起き上がって左腕にあるチップの一枚を装填する。
『ドリル、セット!』
機械音が流れるとデータ粒子からドリルが生み出されて左腕にくっつく。
俺はドリルになった腕を見てオーガに向かう。
オーガはドリルになった腕を見て大剣でガードする。
しかしドリルが大剣に防がれると回転し始め、火花を散らしてぶつかる。
オーガは顔を歪ませながら大権でガードし続ける。
だが大剣はドリルの回転によってひび割れて行き、ビシビシと鳴り響いて行く。
オーガは不味いと察し、大剣を真上にずらして後ずさる。
俺はドリルを見る、ドリルの先端は鋭いままだ。
オーガは苦々しい顔になってこの場を去ろうとする。
「逃がすか!」
俺はそう叫んで左腕にあるチップの一枚を取り出して装填する。
『ロケット、セット!』
機械音が流れると背中からロケットが生み出され、前かがみになると炎が吹き出されていく。
「ウォォォォォォ!?」
俺はあまりの速さに驚きながら突き進んでいく。
▲▽▲▽▲▽
オーガは息を切らしながら町中から出る。
町にいる人たちは突如目の前に現れた怪物を指しながら叫んでいた。
「ウワァァァ!? あれって学園に出てくる怪物だ!」
「逃げろ、急いで逃げろー!」
町にいる人たちは急いで怪物から離れようと避難する。
しかしオーガは周りにいる町民を無視して考え出す。
最初に戦った時は適合率が低くて負けたが、今は完全に顕現して屈するほど追い詰めた。
だがあの人間が持っていた物を挿し込んだだけでここまで敗走する羽目になった。
オーガは苛立ちしつつ手当たり次第建物を破壊しようとする。
その時だ。
シャドウは建物の奥からオーガに歩み寄り、シャドウに気付いたオーガは苛立ちながら叫ぶ。
「テメェはシャドウ! 戦えねぇザコが何しに来たんだ!」
「シュテンドウジ様のプレゼントを渡しに来ました」
「プレゼントだぁ?」
オーガは訝し気に思いながら顎に手を当てる、シャドウはオーガが怪しく思っている事を気にせずに一つの拳銃を取り出す。
しかしその拳銃は麻酔銃に似ており、中にはデータ粒子が入っていた。
シャドウは麻酔銃をオーガの右手の甲に刺し込んで注入する。
するとオーガは目を見開き、肩から鋭い結晶が生えだして叫ぶ。
「Gwaaaaaaaaa!」
オーガは目を血走り、息を荒々しく吐き出す。
シャドウは麻酔銃に装填している瓶を外して見る。
瓶には『狂戦士』と書かれており、シャドウはオーガをまじまじと見てこの場を去る。
▲▽▲▽▲▽
ロケットの推進力になれてオーガを探していると遠くから雄叫びが響いてきた。
『Gwaaaaaaaaa!』
「あれってオーガか?」
俺は雄叫びがした方に向かう。
少し飛んでいると目の前からコンクリートの塊が飛んで来た。
俺は驚きながら横に回避する。
「ウォ!? 何で目の前にコンクリートの塊が飛んで来たんだ!」
俺はそう叫びながら前に向き直すとオーガは雄叫びを上げながら建物を破壊の限りを尽くしていた。
俺はロケットを解除してうまく着地し、暴れ続けるオーガに叫ぶ。
「おい、何でこの街を破壊するんだ! 住める場所が無くなったらどうするんだ!」
「Grrrrrrr!」
しかしオーガは俺の言葉を返さず、雄叫びを上げながらこちらに向かってくる。
俺はオーガの攻撃に備えて両腕でガードする。
オーガは大剣に荒鋼を合わせた鈍器を横に薙ぐ。
鈍器は両腕の中心に当たって押し込まれそうになる。しかもさっきとは力がさらに強くなっている。
俺は呻き声を上げながら耐える。
「ウググ……」
俺は必死に耐えながらオーガの方を見る。
オーガは肩から鋭利な結晶が生えだし、肘の下は黒く染まっている上に紅くひび割れていた。
さらに目は血走っており、まるで餓えた獣のようになっている。
俺は苦悶の表情で攻撃を耐えて行って何とか鈍器をはじき飛ばす。
オーガは少しだけ後ずさって鈍器を構えなおす。
俺は少し息を切らしながら拳を構え、オーガが雄叫びを上げて筋肉が隆起する。
俺は嫌な予感を感じて瞬時に四枚のチップを装填する。
『ハンマー、アックス、チェンソー、ドリル、セット!』
機械音が流れるとデータ粒子が四肢に纏い、右腕がハンマー、左腕が斧、右足がチェンソー、左足はドリルになっている。
オーガは鈍器を構えて襲いにかかる。
俺はその時にダイブスキャナーのギアを回転する。
『ハンマー、アックス、チェンソー、ドリル! カ、カ、カ、四重奏ゲキトツコンボ!』
機械音が流れると四肢に装着された武器が光り出す。
俺はオーガに向かうとドリルが回転し、ドリルをコマのように回って向かう。
「ウォォォォォォ!」
「グガッ!?」
オーガは四重奏ゲキトツコンボをまともに食らって吹き飛ばされ、俺は立ち直ってファイナルチップを装填する。
『ファ、ファ、ファ、ファイナル! ゲキトツスキャン!』
機械音が流れると拳が赤く光り始め、オーガは雄叫びを上げて襲い掛かる。
しかし俺はオーガの腹部にアッパーをかまして上空に打ち上げ、そしてそのまま高速ラッシュを放つ。
オーガは高速ラッシュをもろに食らってさらに打ち上がり、俺は近くにある壁を蹴ってオーガより高く飛びあがる。
そして強烈なキックを叩きこむ!
「ウォォォォォォ!」
「そ、そんな馬鹿なァァ!?」
オーガは信じられない物を見るほど目を見開き、俺はオーガを貫いて着地する。
オーガは地面に倒れ、弱々しく起き上がろうとする。
だが限界が来たか、オーガは叫び声を上げる。
「グァァァァァァァ!?」
オーガは断末魔を上げると赤く爆散した。
なんとかオーガを倒す事に成功した。だがその時にフェンリルが襲いかかる。
次回、「怒獣見参!」をお楽しみに!
投稿する時間、12月4日19時10分です。
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