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流星のフルダイバー  作者: 佐々牙嵯峨兎
1章 電脳の導き
1/11

01.始まりの夜

インターネット、それは電子世界の基盤となる言葉だ。

電子世界はプログラムによって情報が飛び交っている、しかしバグと呼ばれるエラーが起きている。

その中で電子世界に怪物が生まれてしまう。

それは現実世界の侵略を目論み、常に侵略する方法を張り巡らせている。

そして怪物はとある研究所で調べていた。

その研究所・黒鉄ラボラトリーは見知らぬ廃村に存在している。

黒鉄ラボラトリーで研究している男・黒鉄明人は息を切らしながら呟く。


「これは……これだけは守らなくては……!」

「何を守ると言うんだ?」

「ナッ――!?」


突如の質問に明人は驚きながらも振り向いて声を失う。

それは武装した戦闘員が狼の怪人によって無惨に殺されていた。

明人はアタッシュケースを大事に抱きしめながら叫ぶ。


「お、お前たちはどうして現実世界を侵略するんだ!」


明人の質問に血まみれの狼の怪人は顎に手を当て、少し考えたのちに答える。


「そうだな……ただ単純に人間を滅ぼしたいからだ」

「な、なんだと!?」


明人は狼の怪人の答えを聞いて驚愕する。

彼から……いや、人間からすれば遊び感覚で殺戮をするなんて正気の沙汰だと思い知らされる。

狼の怪人は明人が大事そうに抱えているアタッシュケースを見て歪んだ笑みを浮かべる。

狼の怪人は指先から電流を監視カメラに当てる、するとそこから槍を生成させて明人に向ける。

明人は電子で出来た槍を見て強張りつつ、背中から汗を垂らす。

狼の怪人は明人に槍を向けながら言う。


「お前だけ助けてやるから、そのアタッシュケースをくれよ? そこから嫌~な雰囲気がただ洩れなんだよねぇ……」


狼の怪人はそう言いながら明人の首筋に槍を当て続ける。

明人は固唾をのんで怪人を見る。

その言葉から嘘だけしか感じられず、このままだと本当に現実世界が侵略されてしまう。

明人は一呼吸して叫ぶ。


「僕は……自分の息子のために渡さない!」

「そうかーならば死ね!」


狼の怪人はそう叫びながら槍を突き出す。

明人は突き出される槍を瞬発的に回避し、懐から懐中電灯とトンボが描かれたメモリーを取り出す。

狼の怪物はそれを見て首を傾げるが、もう一度突き出そうとする。

その時に明人は懐中電灯にメモリーを差し込む。

すると懐中電灯から音声が流れる。


『ライトンボ、オン!』


懐中電灯から音声が流れると昆虫(インセクト)補助生物機(バイオノイド)・ライトンボに変形する。

ライトンボから強烈な光を発し、狼の怪物はもろに食らって叫ぶ。


「グァァァァァァァ!? まさかこんなガラクタを作り出した何て……!」


狼の怪物は強烈な光で目が眩んで苦しんでいる、明人はそのうちに廊下を力強く蹴って狼の怪物から離れる。

明人は走り続ける、たとえ体力が無くなろうがあの怪物(マルウェア)を世間に伝えなくてはいけない。

そう考えるうちにようやく出口を見つけ、そこに向かおうとすると強烈な痛みが襲ってくる。

明人はゆっくりと下を見る、腹から蛇柄の刃が刺さっていた。


「ゴフッ! こ、これは……!」


明人は口から血反吐を吐いて振り向く。

後ろにいたのは血まみれの怪人とは違った怪人だった。

その怪人は蒼い肌の姿をして、腕には蛇のタトゥーが刻まれている。

蛇の怪人が笑みを浮かびながら腹から刃を抜く。

刃が抜かれると傷口から噴水のように血が吹き出す。


「グァァァァァァァ!」

「フフ……人間の叫び声はとても良いわ。それにしてもこのまま逃げれるなんておバカさんね」


蛇の怪人はそう言いながら明人が抱えるアタッシュケースを奪おうとする。

明人は蛇の怪人の目的を察し、懐からクモとバッタとサソリのメモリーを取り出す。

そこから腕時計にクモ、スマホにバッタ、モバイルバッテリ―にサソリのメモリーを差し込む。

そこから音声が流れる。


『スパイタイマー、バッタフォン、バッテリーオン、オン!』


すると三体の補助生物機(バイオノイド)に変形し、蛇の怪人の後ろからライトンボが来て、明人は四体の補助生物機(バイオノイド)にアタッシュケースを渡す。

蛇の怪人は見た事無い生き物を見て驚く。


「何なのあれ!? こんな生き物見た事無いわ!」


蛇の怪人は驚きつつもアタッシュケースを破壊しようとする。

しかしライトンボが蛇の怪人の手首に体当たりする。


「キャッ!」


蛇の怪人はライトンボの体当たりで刃を手放し、他の補助生物機(バイオノイド)はアタッシュケースを受け取ってラボラトリーから脱出する。

蛇の怪人は手首をさすりながら叫ぶ。


「人間の分際でよくもやってくれたね!」

「アァーようやく追いつけたぞ!」


蛇の怪人は苛立ちを隠せずにいると、後ろから狼の怪人が目をこすりながらやって来る。

狼の怪人は青筋を立てながら明人に聞く。


「おい、あのアタッシュケースは何だ? そこまで大事に隠すというものか!」

「わ、悪いけど……君たちは僕と共に埋もれるんだ!」


明人はそう叫ぶと同時に奥歯に仕込んでいるスイッチを押す。

するとラボラトリーに仕掛けられた爆弾が爆発し、熱と爆風がラボラトリーに包まれて崩壊する。




▲▽▲▽▲▽




そしてその残骸から狼の怪人と蛇の怪人が出てくる。

蛇の怪人は苛立ちながら地団駄を踏み、狼の怪人は笑いながら言う。


「ダッハッハ! まさか自爆を選ぶなんてなー!」

「呑気に笑っている場合じゃないでしょ! それにしてもあの人間、よくもやってくれたわね!」


蛇の怪人は吞気に笑う狼の怪人を怒鳴り、狼の怪人が呑気に笑っている時に森から石像の怪人がやって来る。

石像の怪人は頭を掻きながら聞く。


「オイ、ドウシテ目的地ガ粉々ニナッタンダ?」

「そんなの黒焦げになっている人間が自爆したに決まっているでしょ!」

「オイオイ落ち着けよ、そんなに切れても仕方ねぇぜメデューサ」


狼の怪人は蛇の怪人・メデューサをなだめながら辺りを見る。

ラボラトリーが爆破された事で林が吹き飛ばされ、辺りに広大な土地が出来た。

狼の怪人は石像の怪人に向いて聞く。


「なぁゴーレム、この場所に学校を立てれるか?」

「出来ルガソレヲドウスルツモリダ、フェンリル?」


石像の怪人・ゴーレムは狼の怪人・フェンリルの質問に答えつつ首を傾げる。

フェンリルは笑みを浮かびながら言う。


「俺達で侵略する根城を作るんだよ」

「へぇ……?」


フェンリルが言う言葉にメデューサは笑みを浮かび、ゴーレムは首を傾げならメデューサに聞く。


「ム? ソレハドウイウ事ダ?」

「どう言う事ってことはあのお方が住む根城を作るんだよ!」


フェンリルはニヤニヤとしながらゴーレムに教えると、本人は目を輝かせながら叫ぶ。


「オオ! ソレハ中々良イ事ダ!」

「だろだろ?」


フェンリルは目を輝かせるゴーレムを見てニヤニヤと笑いながら言う。

メデューサは廃村を見渡して言う。


「フフ、この街が私達の支配下になるなんて……とても面白そうわ」

「そうだろそうだろ?」


メデューサは笑みを浮かべながら町を見ており、フェンリルも笑いながら言う。

フェンリルは廃村を見渡して叫ぶ。


「さて、俺達の侵略劇を始めようぜ!」


フェンリルが叫ぶとメデューサとゴーレムは首を縦に振り、さっそく根城を立てていく。


あの夜から数年後。一人の青年が流星学園に転校し、謎の怪人が生徒に何かを渡す……

次回、「転校生登場!」をお楽しみに!

投稿する時間、11月11日19時10分です。

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