表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超能力使いは異世界に  作者: 川輝 和前
第1章 最悪の始まりと終わり編
7/133

7 結果と悔いなき選択

黒いマントの男にやりたい放題された2人は一体どうなってしまうのか、、

目が覚める。またもやベットの上だ。何故そうなったかも記憶にある。2回目だからか何故か落ち着いていた。そして当然の如く身体が痛い。ベットの上でしっかり寝転んでるのが精一杯だった。


「彼女が助けてくれたって事でいいのだろうか。かなり綺麗にズバッとやられた気がしたんだけど、、そう言えば火の精のとかなんとか。精霊使いだったよな。それで助けてくれた?いやもしかしてあの後やられたり?!·····駄目だ!!また訳分からん事になってきた!」


ひとまずここは人の国で良いのだろうかと頭がまた混乱する。そしてもうひとつ気になる事が


「それにこの部屋!ピカピカすぎるだろ!!上にシャンデリア!!やたらと輝くものがついてるタンス等!!怪我してる奴を看病する部屋間違えてねえか?!」

「逆よ。これ以上ないくらい適切で豪華な部屋じゃない。」


と、返答するようにドアを開け入ってきたのは見知った声と顔の鎧を着た女性だった。女性はベットの隣まで歩き寄った。ワグモカズキは


「あんた、、よかった!生きてたのか!!」

「あなたも…起きて早々に人の完璧な部屋に文句垂れるぐらいには大丈夫のようで安心しました。」

「完璧って、、、俺みたいな普通家庭で育った人間はこんなとこで看病されたらソワソワして寝れねぇっつうの!」

「経験の差ね。貧弱すぎる心を悔やみなさい。それと爆睡でしたよ。丸3日も。メンタルは弱い癖に人の部屋でそこまで寝れるなんて図太いにも程がある。」

「生死を彷徨ってたんだよ!!って、丸3日も寝てたのか?!それは悪い事しちまったなここの部屋の人に。」

「そう思うなら今すぐにさっきの言葉を撤回して謝りなさい。」

「……マジ??」

「マジ。」

「それは…そのあり…あっ!!あの後どうなったんだ?!」


礼を言いかけたところでワグモカズキは気を失う前の事がフラッシュバックし思いっきりベットから起き上がろうとするが何かにやられた所が痛みうずくまる。


「ぐっ!!ハァハァ。」

「だ、ダメ!動かないで!安静にして!」


さっきまで言い合っていた彼女は急に焦った顔と何処か申し訳なさそうな目で、うずくまってるワグモカズキに寄りそった。ワグモカズキは痛みの原因の所をみるため着せられていた病衣の隙間をめくる。そこで思わず声が漏れてしまう。


「えっ、、これって、、」


そこにあったのはバッサリ斬られたかのような切り口を縫ったあとの傷跡が残っていた。そして縫い目の所は少し赤い。すると隣の彼女が


「ごめんなさい…謝るのは私の方なの…」

「どういう、、事なんだ?」

「私を庇ったあなたは出血のせいで瀕死だった…国まで戻って医師にみせるまで生きててくれる確証がなかった…だから、、少し焼いたわ。少しでも出血を抑えるために。」

「今サラッとすんごい事言いませんでした?!」

「仕方ないじゃない?!あなたが何を目指して今を生きているか知ってるのに…それが分かってて、何も力になれず目の前であなたの未来が消えていくのなんかみたくない!そんなの耐えられない!だからごめんなさい。私の勝手であなたの身体に一生残るかもしれない傷をつけた。それに本来守るべきは私なのに、、本当にごめんなさい。」


普段、真面目のキッチリした顔つきの彼女が凄く辛そうな顔で今にも膝から崩れ落ちていきそうなぐらい下にうつむいていた。ワグモカズキは


「なーーんだ、そんな事か〜。なんか寿命宣告でもされんのかと思ったけどビビり損だな!」


そう言い盛大に笑う。彼女は戸惑った顔で


「なぜ笑うのです!責めないの…ですか…そもそも私が我を見失い実力差を理解せず攻撃を仕掛けたから、、」

「部下をあんな形でやられたんだから怒って当然だろ。。あんたはそれで後悔してんのか?でも俺はあの時ビビって全く動けなかった自分に後悔してるよ。」

「え、、?どういう……」

「つまるところ。あの場で正解なんてなかった…と思う。正しい選択肢は用意されてなかった。だから俺はあんたを責めない。むしろあんな傷から復活させてくれてやり返すチャンスをくれた!感謝してる…助けてくれてありがとうございました。」


ワグモカズキは、自分にも言い聞かせるようにそう痛い所を抑えつつ頭を下げた。反応が無く不安になり少し顔を上げ目を向けると彼女は顔をクシャクシャにして涙を流し


「そうなんです…大切な仲間だったんです、、初めて任された隊だったんです、、!!なにも!!してやれなかった、、、」


拳を強く握り彼女は唇から血がでるほど噛んでいた。ワグモカズキはそこで何もゆってあげられなかった。俺が家ごと転移したせいで彼女達は派遣された。もちろん貿易隊がやられていたからという考えもできるが俺にも罪があると感じていた。全ての力を使っていたらこうならなかった選択を選べたかもしれない。そんな思い詰めた彼をみてすると彼女は


「あなたが言ったんじゃないですか。正しい選択肢はなかったと。あなたこそ悔やまないでください。」

「あ、ああ。そうだよな、、考えても仕方ないよな。。。」

「しっかりしなさい。確かに私達は今ドン底です1つの選択で多くのものを失い泣いた。でもそれは逆に1つの選択で全てを輝かせうる笑う未来へ変えることも出来ると思うのです。」

「笑う、、未来、、」

「ええ。そこにはありのままの1歩頑張ったなりたかった自分の姿があると思うのです。」

「なりたかった、、自分、、」


ワグモカズキは深く息を吸い込み、ここに来た理由や今まで自分が保身で隠していた汚さ等を思い出した。そして彼女もまた深く吸い込む。やられた兵士達の顔が浮かぶ。あの黒いマント男の姿もまた浮かぶ。自分の不甲斐なさを思う。そして。彼女と少年は


「全て奪われた。。。あのバカに隊長としてここでケジメをつけないとこんな私についてきてくれた部下達はあの世で誇れない。私達の隊長は凄いんだぞってやってくれたって!だからもう一度選択するわ。私を私達を取り戻す為の選択を!!!」

「やれる事増やすためにこっちに来たのにビビってちょびちょびやった結果がこれだ。。笑えねぇ。こんなんじゃ何も変わってねぇ。俺も手伝わせてくれ。じゃねぇと二度と良くしてもらった人達に挨拶できねぇ!それにあんたの亡くなった部下にも、、」

「手伝ってくれるのは嬉しいんだけど、なぜあなたが私の部下に?」


ワグモカズキは今度こそ能力も含めしっかり全てを話した。


「そう、、でもそれは今言っても仕方ない事。」


彼女は少し下を向いてそう呟いた。そして


「今の状況を簡単に説明するわね。私は部下を全滅させてしまって怪しい男の治療をしている活動を止められている隊長。そしてあなたは念願の人の国だけれど私の素晴らしい屋敷の家で大怪我の治療中。」

「状況は·····最悪だな、、でも覆せる。。」

「一発逆転の選択があるって事?」

「ああ。まずはあと2日程怪我の治療させてくれ。そしてあの元凶のバカをとっちめて全部逆転で終了の策がある。」

「教えて!」


数十分後


「なるほど…確かにそれなら、、全部まるくおさまるかも、、でもそれって、、あたし責任重大じゃない??」

「周りを頼らず今全て変える方法だ。リスクもある。頼めるか…??」

「そんな心配せずとも、私はあなたをある程度信用してますよ。はい!少し不安だけど任せて!…だからあなたも頼んだわよ。ワグモ。」

「俺の予想だと80%は成功する!って今なんて?」

「リアルな数字ね、、何って仮にも一時的にチームのようなものを組むのだから名前で呼ぶのは当然でしょう!」

「あ、ああそうゆうことか?えーーと?今更で悪いんだけど」

「アリシャコルデーよ。アリシャとでもコルデーとでもどちらでも。」

「ワグモだったよな、、んじゃ俺はアリシャで!」

「少しの間だけどお互い失ったものとりもどすわよ!!エイエイオー!!!」

「アリシャ…前から思ってたけど口調というかなんというか不安定すぎない??」


顔を赤くしたアリシャは無言でワグモの頭をパーで殴りドアの方に歩いていきドアノブに手をかけたところで振り向き


「まっ!ケダモノのくせに慰めてくれたのは感謝してるわ!!2日後!上手くいったらこの国の案内ぐらいしてやるからせいぜい少しでも休んでおきなさい。んじゃあたしも用事あるから!」


と、出ていきワグモは頭を抑えながらイテテと思いながらも笑い


「ああ。そりゃどうも!俺も感謝してるよ!んでもって国案内で一日中歩かせてやるからなー覚悟しとけよー!!!!」


アリシャコルデーは廊下に響く、その声にクスッと笑い


「ホント変なやつ」


そう呟き残し、来るべき日に備えるため準備をしにいくのだった。



人の国の作戦会議室にて。国王とその臣下の者たちが、かの件で話し合っていた。眼鏡をした参謀のような男が椅子から立ち上がり


「今すぐ山に大規模討伐隊を向かわせるべきです。貿易隊及び今回のアリシャコルデー隊長率いる部隊を壊滅においやった者は間違いなく魔族です!それに恐らく魔能の使い手。2件立て続けにやられてる事から狙いは恐らく我々人の国。国の手前に来られたらなにをしでかすか!その前に仕留めに行くべきです!国王様ご決断を!!」


王と呼ばれる者は老体にみえるその見た目とは裏腹に老いを感じさせない体格と威厳ある顔つきをしていた。しばらく考え込み。


「魔能か、、なれば時は一刻を争う。隊長格を入れた大規模討伐隊を山に送る!!すぐに支度せい!!!」

「「「ハッ!!!!!!」」」


その号令を聞いた臣下達はすぐさま立ち上がり各々の所へ準備をしにいった。





読んでいただきありがとうございます!できれば評価等もしていただけると嬉しいです!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ