5 騎士との決闘
遂に人の国の者との接触と思われたが、何故か決闘という最悪の接触になってしまう!ワグモカズキは勝てる事が出来るのか?!
「うわぁぁぁんあんまりだよぉ」
「わ、悪かったて、ちょっとやりすぎて」
「ひどいよぉおお。こんな、こんなにまでする必要ないじゃなーーい。うわぁぁぁん」
ピンクのロングヘアーの可愛い顔立ちの女の泣き声が広場に響きわたる。それを必死に慰めようとする騎士2人とそれをした張本人。
「おいおい。何だこのカオスな状況は。」
グレアスは呆れた顔でそう呟く。クレア、カレンはそれに
「まさかここまでのものとはな。」
「超能力というものは凄いですね本当に。」
「あぁ。はっきりいって得体の知れないモノだったから慎重にもてなしてよかったな。処分しようとしてたらどうなっていたやら。」
そんな会話が聞こえワグモカズキは
「聞こえてますけど?!ってか雑すぎませんか!僕の扱い!」
「おい貴様!もっと騎士様に誠心誠意謝れ!!」
近くの騎士2人が怒鳴りそれにワグモカズキはまた慰める。グレアスは深くため息をつき
「どうやったら収まんだこの状況。」
事のてんまつは遡ること数十分前。
ワグモカズキは残り7つの超能力の1つとこの世界での自分の実力がどこまでつうじるかをこの騎士に試そうとしていた。そして新しく披露するのがその7つのうちの1つの物体の空間移動である。主に似ているものでアポート、アスポートと呼ばれるものである。物体を引き寄せたり引き離したり。別のところからもってきたり消し去るができる。ワグモカズキは手を前に伸ばし直立する。それに対し女騎士は剣に手を伸ばし居合の姿勢をとる。ワグモカズキはやはり剣を使うのかと安心する。
「あれだけカッコつけておいてこないのか?」
女騎士は低く構え、ずっとこちらをみて微動だにしない。それに対しワグモカズキ変わらず手を前に伸ばし直立した状態のままだ。女騎士の挑発にワグモカズキは
「……あなたを舐めてるわけじゃないんですが本当に僕から仕掛けていいんですか?」
すると女騎士は
「無論だ。見たところ貴様はただの人間のようにもみえる。魔族の可能性もあるが魔力等驚異に感じるものはない。それを私から仕掛け、たたっ斬るというのはどうかと思ってな。」
それに対しうしろでみている騎士2人は
「さすが隊長様だ!怪しいものにさえこの堂々たる態度!」
「ああ!流石のクールさだ!!見せてやってください!隊長!」
ワグモカズキはそれに対し凄い信頼だなと感心する。
(っにしても怪しいモノって…すげぇデジャヴを感じる表現だな。)
と心の中で自虐めいたことを思いながらも意識を前に向ける。
「後悔……しないでくださいね。別にこれも言わなくていいんですけど一発目なので。アポート。」
「へ??」
それを合図に現象はおきた。次の瞬間、女騎士が構え握っていた刀は鞘ごとワグモカズキの手の中に移動し握られていた。その突然おきたあまりの理解不能な出来事に女騎士は自身の手元と相手の握っている刀を何度も相互に見直し
「ええええええええ?!なんで?!しっかり握ってたのに?!私の刀をなんであなたが今持ってるの?!」
「これでなにもできませんね。だから言ったのに。ほんとに僕から攻めていいんですかって。」
ワグモカズキは上手くいったことを嬉しく思いニヤニヤ顔でそう話す。だがそれが相手の騎士としてのプライドに火をつけたらしく
「ふっふん!少しはやるようね!でも剣がなくなたっらからって戦えないとでも?」
「試してもいいですよ。」
その返しに女騎士は余計にイラつき
「女だからって舐めて!!後悔なさい!私を少しイラつかせたこと!!」
次の瞬間、女騎士は地を強く蹴り思いっきり駆けた。そのスピードはグレアスに負けず劣らずのスピードだったが。
「この世界で初めての戦闘だったら当たってたかもですが」
ワグモカズキは冷静に瞬間移動でギリギリでかわし女騎士の後ろに移動する。
「なっ?!また奇妙なことを!!!」
後ろに移動したワグモカズキに女騎士はまた驚かされた。ありえないと。これが魔法でないことは分かっていたからだ。亜獣国ギガントはかの戦いにおいて種族が減った獣人とエルフとが手を取り合いできた国。それ故に他国への警戒心はかなり強く、かなりでかく頑丈な門に対魔法の結界が常に作動してる国。この国で魔法をつかうと体の力が抜けて立つのがしんどくなるレベルのものがだ。この男が使ってるものが魔法なのだとしたらこの結界をくらってなお高速移動に物質移動を使えるほどの魔法使いということになる。そんなものはこの世界では限られた存在しかできない。
「……より一層の怪しい者になった。あなたは危険だ。ここで討つ。」
それを見てクレア、カレン、グレアスは女騎士の気持ちを察する。事情を知らなきゃそりゃそうなるだろうなと。 すると2人の騎士がどよめいていた。
「お、おい。見たか隊長の刀をいとも簡単に……」
「ああ。しかも隊長の動きよりも早かったぞ今」
それを見て女騎士は
「安心なさい!私を誰だと思ってるの!今のは油断しただけ!!みてなさい今にこいつの化けの皮をはいでやるんだから!!」
それを聞いた騎士達は冷静さを取り戻し。
「「おおおおおおおーーー!!!」」
「カッコイイとこみしてください!隊長!」
「疑ってすみません!信じてますよ!」
士気をとりもどした。ワグモカズキはこいつらチョロいなと思いつつも視線を前に戻し女騎士をみる
「一体どうやったら大人しく話を聞いてくれますか。できれば今ので終わって欲しかったんですが。」
「少し調子乗りすぎよ。私は騎士。刀をとられてもこの鎧がある限り私は私の仕事を全うするわ。あなたは危険よ。」
「じゃあ仮にその鎧を剥がせば聞いていただけますか。」
「つくつぐ私をバカにしたいのね。そうねそこまでされたら大人しくなるかもかしら。」
その後に発言を聞いた騎士達が続いて
「貴様!どこまで愚弄する気だ!騎士の姿は正義の象徴!」
「そうだ!隊長!目にものをみせてやってください!!」
女騎士は今度は体術の構えをとっていた。ワグモカズキはギカントと違って全くもって対話の余地のない騎士達に呆れ少しイラッとここは少し強引に分からせてやろうと。
「速攻で終わらせます。アポート。」
次の瞬間、女騎士の全身を覆っていた防具はワグモカズキの近くにガシャガシャと音をたてて地面に転がった。どうやって中に入ってたか分からないがピンクのロングヘアーがほどけたかのようにファサっと肩のあたりまで落ち赤色の下着にかなりのナイスバディな身体があらわになった。女騎士は下を向き自身の身体をみつめ状況を察知しすぐさま手で身体を隠し下にペタンとしゃがみワグモカズキを睨みつけ
「ひどい!!!本当にこんな事するなんて!!この変態!!」
「なっ?!君がそうしたら大人しくなるって言ったんじゃないか!!」
「早く返して!!!!」
流石にこれにはクレア、カレンも
「ワグモ返してやれ。」
「ワグモ君返してあげなさい。」
と、冷たい目線と声音で告げた。
ワグモカズキはそれプラス後ろの騎士達と村人達の冷たい視線を感じる
「わかった、わかったって!戻すよ!!アポート。」
そうして鎧は無事全て元に戻ったかのように思えたが。
「頭が戻ってきてないんだけど!!」
「あっ、あれ??おかしいなぁ?どこいった?」
そうして空間転移の時のような不具合だと察しワグモカズキは
「ごめんなさい。どこか違うとこ飛ばしちゃったみたいです。」
そうするとピンクのロングヘアーの女騎士は可愛いらしい顔立ちをクシャッとさせ目がどんどん潤んでいき遂には泣き始めた。それも豪快に。
ワグモカズキと騎士達2人は急いで駆け寄り慰める。そして今に至る。
ワグモカズキは彼女を慰めながらこれは人の国へは絶望的になったのではと感じるのであった。
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