4 異世界の現実と事件
ようやく試練を終え楽しい夜が終わった後。遂に二王達から話し合いの場を貰いこの世界の全貌について教えてもらえることに!衝撃の事実と共に新たな事件がワグモカズキを襲うのだった。
目が覚める。皆まだ寝てるようだ。こっそりと部屋を出て顔を洗う。本当に王家ということ忘れるぐらいに日本の寮のような造りで色々と分かるため助かっている。それにしてもお風呂に全く入れていないのが気になる。配られた白の軍服は全く汚れては居ないのだがワグモカズキは少し服の匂いを嗅ぐ。
「うーーん。匂いも問題はないよなぁ。後で聞いてみるかぁ」
「朝早くからどうした?」
そう後ろから声がかかり振り向くと褐色の獣人とエルフの娘と金髪の獣人が3人並んで立っていた。
「あっ、いえ少し匂いが気になってしまって。3人はどうなされたんですか?」
「昨日は異世界から来た君に興味津々で皆ぶっこみすぎたからね。それで私達が君に今度はこちらを教えてあげようという気持ちだよ。」
と、褐色の獣人はそう言うや否やワグモカズキの近くに寄り匂いを嗅ぎ
「ふむ。風呂に案内してあげるからあがったらじっくり話そうじゃないか。」
「あっ!!!ありがとうございます!!!」
やった!と心を踊ろさせていると金髪の獣人が
「ついてきな」
といい、歩きだしそれについて行き約2日ぶりの風呂を堪能した。上がると新しい前に来てた白の軍服のようなものが置いてありそれを着て着替え場を後にする。すると金髪の獣人が待っていてくれており。
「よし。今から2階の談話室に行く。二王が待ってる。そこで聞きたいこといっぱい聞きな。」
「ほんと何から何までありがとう。助かるよ。」
「試練を超えたんだ。それにあんたの話は実に興味深かった。まぁこっちも負けてねぇけどな。」
そして2人は少し笑い2階に向かい談話室前まできた。金髪の獣人がノックをし
「連れてきたぜ〜」
「入ってよし〜」
と軽い問答が続きガチャっとドアを開けると優雅な部屋模様に少し大きめの丸い机が真ん中に位置しておりその周りにモフモフなんだろうなと分かる椅子が4つ置かれており2つにはもう座っており自分達も続いてそこに座る。
「ウンウン。さっぱりしてきたようだね。」
「ふふふ。気持ちよかったですか?」
2人の王はワグモカズキがさっぱりしたのを嬉しそうにそう言った。それにワグモカズキは
「はい。お陰様で。物凄く身体がスッキリしてます。」
そうすると2人の王は顔を見合わせすると褐色の獣人が
「かなり遅れたが、まずは自己紹介から入ろうか。私の名前はクレア。亜獣国ギガントの獣人達の長みたいなものをしている。」
「続いて私ですね。私の名前はカレン。亜獣国ギガントの亜人エルフの長をさせて頂いてます。」
「最後に俺だな。亜獣国ギガントの獣人グレアスだ。」
「異世界から来ました。ワグモ。ワグモカズキです。」
しばし沈黙が訪れ口を開いたのはワグモカズキだった。
「クレアさんにカレンさん。そしてグレアスさん。……」
(異世界って感じだ〜〜)
ワグモカズキはニヤニヤが止まらない。そんなワグモカズキにクレアは
「してワグモカズキよ、これからどうするのだ?ほんとにここに残るのか超能力というやつで家に戻るのか?」
その問いにワグモカズキは正気に戻り
「皆さんほんといい人でここに残りたいんですけど……クレアさん人の国はあるって言ってましたよね。」
「ああ。」
「できることなら人の国に行ってみたいという気持ちが強いです。」
価値を示して次の日にこれ。かなり虫のいい事をゆっていて支離滅裂だが全て本音だった。するとカレンさんが
「何も気にする事はないのですよ。あなたを信じるために試練をやったのです。昨日の宴で皆もあなたの事は仲間と思った人は沢山いたでしょう。」
「ああ、その通りだ。やりたい選択を選べ。私達はそれを尊重しよう。」
「クレアさん…カレンさん…」
本当に異世界に来て初めに出会えたのがこの人達で良かったと思えた。そしてワグモカズキは本心を
「1度…1度だけ人の国に行ってみたいです。」
するとクレアさんが
「止めやしない。だが君は昨日、我々に能力と異世界の話しをしてくれたな。どれも信じられないものばかりだった。君もおそらく今そんな感じのものを体験してるんだろうなと思っている。」
「いやほんとついていけてないですよ今も」
ワグモカズキは苦笑いでそう答えると
「人の国の行き方を私達は知っている。連れて行ってもやれる。」
「ホッホントですか?!」
「だが、その前に。君にこの世界のいまの有り様を知ってもらう必要がある。君がここを出ていくのであれば必ず知っておかねばならないものだ。」
「有り様……?」
クレアさん、カレンさん、グレアスさんの顔が一気に真面目な険しいものとなり。それだけで深刻な話なのだろうと察した上で
「僕はこっちに来て何も知らないんです。教えてください!知りたいです!」
「…。よし。なら聞いていけ。」
そうするとクレアさんはカレンさんに目配せをしカレンさんが頷き
「ここからは私が話します。長生きしてる私のが詳しく話せると思うので。」
「よ、よろしくお願いします。」
何故だがかなり緊張してきた。そしてカレンさんは静かに口を開き語り始めた。
「まず初めに。この世界には色々な種族がいます。人、魔族、獣人、亜人、妖精です。この5種族はその昔1つの山で同盟という形で仲良く暮らしていました。それはもうものすごい大国のようなものだったらしいです。初めはお互いの生息地付近でこの世界の未知なるものを開拓するためにお互いが友好的に関与し情報交換をしていたぐらいだったのらしいのですが、それが発展していき1つの国のようなものになったらしいのです。ですが、、ここで予想だにしてなかった事がおきます。開拓していく上で同盟を結ぶことになる前までは魔族の生活範囲だった所から大量の大きな価値ある資源が、沢山でてくるようになります。同盟の条件として独自の知恵、技術、獲得した資源の少しの共有がありました。ですがそこから出てくる資源の量は開拓も生活も今後、魔族のみでやっていける程のものでした。他の種族はこれを妬み、魔族もまたこれのほとんどが消えてしまうことに不満を持ち始めました。それが何年も続いてしまい魔族だけの資源がかなりほかと比べて潤っていきました。同じ同盟条件の中で明らかに所有資源がずば抜けていて発展もすばらしかったそうです。そしてこの世界の悲劇の始まりです。魔族以外の4種族は魔族にあまりに多いその資源の場所は5種族で平等に分割にすべきだと魔族に事実上の生活範囲の明け渡しを伝えたのです。当然の事ながら不満もたまっていた魔族は猛反発。それを受け入れるぐらいなら同盟は抜けると伝えたそうです。結果お互い引かずついには魔族は同盟を抜けることになりました。ですが4種族はこれをマイナスではなくプラスに考えました。4種族の同盟は世界の開拓とまだ見ぬ資源の発掘を協力すること。4種族は開拓発展を名目に魔族領地への事実上の進軍を開始し始めたのです。4種族は魔族領地を前に次の開拓場所だと言い大人しくしていれば何もしないと、ただ反抗するのであれば同盟をぬけた貴様らにはそれ相応の反撃をすると。結果我慢の限界がきた魔族は当然ながら反抗を選び4種族と魔族の戦いがおきました。」
そこまで黙って聞いていたワグモカズキはそこで初めて口を開き
「なっなんで?!そんなのめちゃくちゃだろ……」
クレアとグレアスは変わらず深刻な表情だ。カレンは胸に手を持っていき拳をきゅっと握りうつむいて話を続けた。
「戦いは一方的で尚且つ徹底的でした。魔族は5種族の中でも1、2を争えるぐらい種族としては強かったのですが4種族の一斉攻撃にはひとたまりもなく決着には3日もかからなかったそうです。魔族の八割以上はここで死んだと言われています。後は散り散りになって逃げたとか。そして二度とこんなことがおきないように同盟は無くなり4種族は自分たちの領地+魔族領地の山を壁にしてそれぞれの国を立ち上げることにしたのです。」
「じゃあ、俺がおりる前に見てきた山とおりた山ってのは…」
ワグモカズキは全て理解した。なぜ弓矢を向けられたのか。なぜあのような試練だったのか。クレアがが肯定する。
「ああ。あんたがおりてきた山は亜獣国が貰った分の山だ。その反対側が人の国で他に見た山ってのはおそらく妖精達のとこだ。あんたは私達の事いい人って言ったし人の国に行きたいってゆった。異世界もワクワクすると。もちろん先祖たちがやった事だ。ただ今もまだこのお互いがお互いを監視してるギクシャクしてる世界のままだ。散り散りなった魔族共もみつかってねぇ。あんたは人の国に行きたいとほんとにそう思えるか?」
ワグモカズキは少し考え意味を理解する。
「俺が、魔族と疑われる可能性があるって事ですか…」
そこでグレアスもようやく口を開く。
「使者は送れるが、俺らが連れていけんのは門前の近くまでだ。異世界から来て超能力というものを使える者なんて紹介しかできねぇ。まともなやつなら魔族が来たって思うだろうよ。俺は反対だ。それなりに仲良くなれたんだ。連れてって魔族認定されて死なれちゃ気分が悪ぃ。」
「クレアさん、カレンさん、グレアスさん話してくれてありがとうございました。ですが僕は人の国に行って確かめたいことがあるんです。もしかしたら僕以外にもいるかもしれない異世界の人間とか?それにこの世界に僕を呼んだ人がいるかもしれない。」
クレアは驚き
「そんなことありえるのか?仮に居たとしたらどうする??」
「僕の世界のこうゆう事が起きることを描く本ってやつは割とそうゆうのもあったんですよね。」
「元の世界に戻りたいのか?」
「分かりません。どちらかが居るのなら聞きたいことがあってそれを聞いたら決心できそうなんです。自分の中で。」
「………フゥ。今のを聞いて普通なら諦めるだろうと思ったんだけどな。分かった。その気持ちを尊重し無事送り届けよう。」
「クレアさん!!ありがとうございます!!!」
そうして立ち上がって3人に礼をゆうとグレアスが
「まっ。やばかったらいつでも一瞬で戻ってこい。」
ワグモカズキは
「おう!!!てかもう喋らないものかと思ってぞ!」
と言いそれにグレアスが
「なっ?!空気読んでやってただけだよ!バカ!」
と反論しするとカレンが
「いつの間にタメ口で話すぐらい仲良くなったの?」
とゆってきたのでワグモカズキはグレアスは顔を少し赤くし
「「そこまでじゃない!!!」」
((ぐぬぬぬぬぬぬぬぬ))
とハモりながら言い放ち2人はしばらく少し睨み合っていた
それを見ていたクレアは笑いカレンもつられ最終的には4人とも笑っていた。
クレアは夕方模様の外を見て
「すまない。大分時間をとってしまったね。」
「いえいえ!ほんっとに貴重な情報でした!!こちらこそありがとうございます!」
「明日には出発の手配してみせよう。」
「つくづく感謝です。」
とワグモカズキが頭を下げたところでドアが思いっきり開かれ、2人の獣人とエルフのが入ってきて
「クレア様、カレン様!!大変です!!!門前に騎士が!!!!」
「「「なっ?!!」」」
その場にいる全員が驚愕しクレア、カレンは近くの窓を開け瞬時に外に駆け出していた。グレアスとワグモカズキ行こうとするが
「お前たちはここにいろ!!ややこしくなる!!必ずだ!!」
「すぐに帰ってきますから少々お待ち!!」
2人の王はそれぞれ制止の言葉を投げかけ瞬く間に村の方へ消えてった。
「なんでここに騎士が?!」
グレアスがイラつきの表情でそう呟く。
ワグモカズキは
「やっぱり今の話流れだとやばい感じなのか?」
グレアスは頷き
「使者じゃなく騎士が来るってことは戦いか宣戦布告のようなもんだ!」
ワグモカズキは
「やっやばくないかそれ!!俺たちも行った方が!」
「…。よし行くぞ!全力でバレねぇように!」
「おっおう!!ごめん君たち少しここにいて!!」
と、入ってきた2人にそう言い残し2人もまた村へ向かうのであった。
門前にて。
門を綺麗に真っ二つにしてその前にて馬に乗ってる3騎の騎士に向かって
「これはどうゆう事だ〜〜〜??」
「事情を説明願えますか騎士様。」
クレアとカレンは今にもキレだしそうな顔と声音で前方の敵に言い放った。
すると真ん中にいた1人豪華そう鎧を身につけた騎士が馬をおりこちらに歩み寄り
「門に対しては失礼。呼びかけても誰も返事がなかったものですから。こうすれば嫌でもでてきてくれるかと。」
女の声だった。
クレアは怒りをあらわにしながら
「今はみんな狩り中だ〜いつも馬鹿みたいに山上で観察してて知ってるだろが〜」
「ああ。だから気づいてもらうためにやったと言っているだろ。」
「てめぇ人様の国の王に向かってこの仕打ちに態度……ぶん殴られてもいいってことだよな???」
クレアは今に飛びつきそうな感じになるがそこで騎士が思わぬ事を口にし止まる。
「それはこちらのセリフだ。山の上の境界線ギリギリに家等作ってどうゆうつもりだ?そしてこの態度。貴様ら魔族と通じて我々を攻めるつもりでは無いだろうな。」
女は至って冷静な口ぶりでそう伝える。それを聞いたクレアとカレンはむき出しにしていた敵意をおさめ、思い出す。ある男の昨日の話を。
「いや〜〜全く知らない土地に飛ぼうとしたらまさか異世界の山の上だったなんて〜」
クレアとカレンは沈黙し地面に膝をつき叫んだ。
「「あいつかーーーーーーーー!!!」」
クレアは顔上げ
「山の上って、、、あの野郎とことんついてねぇ野郎じゃねぇか」
と愚痴めいたことを呟きそれを聞いた女騎士が
「待て。勝手に話をすすめるな。ついていけない。」
カレンが弁明しようすると後ろから声がする
「待て待て!!なんでクレア王が膝ついてんだ?!クソ騎士なにしやがった!!!」
「あーー!!門も真っ二つだ!!!」
グレアスとワグモカズキだった。
カレンとクレアは再び膝をつき
「バカァァァァァァァ」
「タイミングゥウウウウウウウウ」
と、嘆いた。そしてクレアは
(ハッ不味い!!今ワグモカズキを亜獣国で女騎士にみられたら!)
と思い前を向き女騎士に弁明しようするが時すでに遅く。
「なぜ亜人と獣人の国に人間がいる。いや、、魔力を感じないし独特の匂いもしないな…まさか本当に魔族を結託していたとは。」
女騎士から一気に殺気が発せられクレアとカレンはそれを感じ少し下がりグレアスとワグモカズキにクレアは
「説教は後のようね。ほんとにタイミングの悪さ芸術的だったわ。」
その言葉がグサグサと心に刺さるグレアスとワグモカズキ。すると女騎士に一緒に来ていた騎士も駆け寄り、女騎士が
「大人しくしてさせて貰った上で色々と吐いてもらいます。ご覚悟を。」
カレン、クレア、グレアスは構える。が、そんな3人の前に1人前にワグモカズキはでた。カレンが
「ワグモ君?!なにを!」
ワグモカズキは思った。残り7つを使えると。更には人の国の者に自分を魅せるチャンスだと。
「ここは僕にやらせてもらえないでしょうか!!!」
クレア、グレアス、カレンは昨日の彼の超能力の話しを聞いたことを思い出し。グレアスが
「やるんだなここで。」
「ああ、自分がどこまでここで通じるか試す!!」
クレア、カレン、グレアスは、やれやれと言わんばかりにな顔をしクレアが
「危険を感じたら割り込みます。いいですね。」
と言いワグモカズキはニッと笑みを浮かべ
「はい!!みててください!僕の全ての価値を!!!!」
それを聞いてた騎士は首をかしげ
「魔力や発達した筋力もない君が私の相手??冗談でしょう。」
「いいえ本気です。なんなら3対1でもいいですよ。」
「そう。それは屈辱この上ない評価だわ。動けなくするけど痛くても泣かないでよ?」
「そっちこそ。部下の前で恥かかしてあげますよ!」
それが最後の会話となり2人は戦闘態勢に入りワグモカズキの初の全力戦闘が始まった。
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