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自作小説倶楽部 第22冊/2021年上半期(第127-132集)  作者: 自作小説倶楽部
第130集(2021年04月)/季節もの「季節の花」(桜、チューリップ他《花見・夜桜含む》)&「フリー」神秘(秘密、ミステリ、神話)
17/28

02 柳橋美湖 著  桜 『北ノ町の物語 83』

【あらすじ】

 東京のOL鈴木クロエは、母を亡くして天涯孤独になろうとしていたのだが、実は祖父一郎がいた。手紙を書くと、祖父の顧問弁護士・瀬名が夜行列車で迎えにきた。そうして北ノ町に住むファミリーとの交流が始まった。お爺様の住む北ノ町は不思議な世界で、さまざまなイベントがある。

 ……最初、お爺様は怖く思えたのだけれども、実は孫娘デレ。そして大人の魅力をもつ弁護士の瀬名、イケメンでピアノの上手なIT会社経営者の従兄・浩の二人から好意を寄せられる。さらには、魔界の貴紳・白鳥まで花婿に立候補してきた。

 季節は巡り、クロエは、お爺様の取引先である画廊のマダムに気に入られ、そこの秘書になった。その後、クロエは、マダムと、北ノ町へ行く夜行列車の中で、少女が死神に連れ去れて行くのを目撃。神隠しの少女と知る。そして、異世界行きの列車に乗って、少女救出作戦を始めた。

 異世界では、列車、鉄道連絡船、また列車と乗り継ぎ、ついに竜骨の町へとたどり着く。一行は、少女の正体が母・ミドリで、死神の正体が祖父一郎であることを知る。その世界は、ダイヤモンド形をした巨大な浮遊体トロイに制御されていた。そのトロイを制御するものこそ女神である。第一の女神は祖母である紅子、第二の女神は母ミドリ、そして第三の女神となるべくクロエが〝試練〟に受けて立つ。


挿絵(By みてみん)

挿図/Ⓒ奄美剣星「ピイちゃん、翔ぶ」

    83 季節の花(桜)


 ご機嫌いかが、クロエです。

 全十三階層中第十一階層攻略中です。


          ◇


 私・クロエのお爺様・鈴木三郎は、北ノ町在住の有名な彫刻家ですが、それは仮の姿。実を言うと、この異世界では、弓矢を得意とする死神だったのです。

 審判三人娘の皆さんによると、谷川を挟んだ向こう岸に、清水寺のような舞台付寺院が第十階層のゴールだといいます。そこにたどり着くには、谷底の小川に架かる欄干橋を渡らなければなりません。

 清水の舞台には桜花がよく似合います。しかし風景を愛でている余裕がないのが残念。

「舞台から欄干橋までは、弓矢の有効射程圏内だ。渡河するにはそれなりの策をこうじる必要がある」お爺様の顧問弁護士で、私のパーティーの参謀役でもある瀬名さんがそう言います。さらに瀬名さんは、私とマダムを見て、「魔法で、おびただしい数の微小な氷をつくり、霧を発生させる。その霧に隠れて、一気に橋を渡るという作戦はどうだろうか?」

 マダムは東京にいたとき、私が秘書として勤めていた画廊のオーナーです。お爺様は古い知り合いであるマダムに、作品を卸していました。そんなマダムも実は魔法使い(正確を期するならば魔法少女OBです)。そして私が女神であることを見抜き、覚醒させてくれた恩人。

 魔法使いのマダムは詠唱術式で、私は風の妖精シルフィーと水の妖精ウンディーネを協力させ、霧を発生しました。

「じゃあまずは、僕と電脳執事で橋を突破し、橋頭保を築くとしよう」

「いや、自分と護法童子もつきあうよ」

 二人とその守護者たちは、そう言って崖路を駆け下り、欄干橋を渡って行きました。それでも弾幕のように、お爺様は弓矢を射続けたのですが、守護者たちが上手く結界を張って、二人を対岸まで送り届けました。

「それじゃ、次は私たちの番ね」マダムがウィンクしました。

 けれどです。やっぱりここで、行動が読めない炎龍ピイちゃんの登場です。ピイちゃんは私の胴をつかんで、飛べるほどの大きさになると、一気に舞台まで羽ばたきました。

 お爺様が矢を連射するのですが、ファイアー・ブレスで灰燼と化したのであります。パーティー一同は、頭を抱えました。

(この苦労はなんだったのだろう)

 お爺様は行方不明。例の如くゴールの寺院が半壊。それでも開いているゴールにピイちゃんと私が突入。残骸を伝って残りのメンバーが後に続きます。

 桜吹雪が乱舞。

 審判三人娘の皆さんが旗を振ったので、ゴールが承認されました。


          ◇


 それでは皆様、次回は第十一階層でお会いしましょう。


          By.クロエ

【主要登場人物】

●鈴木クロエ/東京暮らしのOL。ゼネコン会社事務員から画廊マダムの秘書に転職。母は故ミドリ、父は公安庁所属の寺崎明。女神として覚醒後は四大精霊精霊を使神とし、大陸に棲む炎竜ピイちゃんをペット化することに成功した。なお、母ミドリは異世界で若返り、神隠しの少女として転生し、死神お爺様と一緒に、クロエたちを異世界にいざなった。

●鈴木三郎/御爺様。富豪にして彫刻家。北ノ町の洋館で暮らしている。妻は故・紅子。異世界の勇者にして死神でもある。

●鈴木浩/クロエに好意を寄せるクロエの従兄。洋館近くに住み小さなIT企業を経営する。式神のような電脳執事メフィストを従えている。ピアノはプロ級。

●瀬名武史/クロエに好意を寄せる鈴木家顧問弁護士。守護天使・護法童子くんを従えている。

●烏八重/カラス画廊のマダム。お爺様の旧友で魔法少女OB。魔法を使う瞬間、老女から少女に若返る。

●白鳥玲央/美男の吸血鬼。クロエに求婚している。一つ目コウモリの使い魔ちゃんを従えている。第五階層で出会ったモンスター・ケルベロスを手名付け、ご婦人方を乗せるための「馬」にした。

●審判三人娘/金の鯉、銀の鯉、未必の鯉の三姉妹で、浮遊ダンジョンの各階層の審判員たち。

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