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自作小説倶楽部 第22冊/2021年上半期(第127-132集)  作者: 自作小説倶楽部
オープニング
1/28

00 奄美剣星 著  『盾乙女/画塾講師Amami』

挿絵(By みてみん)

挿図/Ⓒ奄美剣星「画塾講師Amami」

 01 文豪ストレイドッグスのこと


 頭をつかわないメモ整理をするときは「ながら」に限り、私は、アレクサでkindle本を朗読させたり、プライム動画視聴させたりしてます。

 先日は、アニメ『文豪ストレイドッグス』1期から3期までを視聴。内容は、近未来の横浜で、武装探偵社なる異能者を集めた正義の組織が、暗黒組織ポートマフィアと抗争したり、新たなる勢力の出現で共闘したりする、明治から昭和の文豪達による群像劇で、文豪達の代表作タイトルがそれぞれの必殺技になっています。視点者は、「山月記」の中嶋敦先生、トリックスターというか、実質的主役はチートな太宰治先生、そして敵役・芥川龍之介先生。皆様もそうでしょうけれど、これら作品はほぼ読んでいるところ。魅力的な物語には何かしらの過去の名作が「下敷き」があるもの。

 古い長編小説の型「教養小説」というのは、要は大河ドラマのようなもので、青少年主人公が成長していく物語。『エヴァンゲリオン』に例えるなら、中島敦先生はシンジ、彼を挟む二人のヒロインのうち、「夜叉ケ池」泉鏡花先生は女性化されて『エヴァンゲリオン』のレイ、『赤毛のアン』のモンゴメリ先生はアスカの立ち位置かなあと。


 02 カフカのこと


 私は『文豪ストレイドッグス』をアニメで視聴しましたが、漫画が元だとのことで、原作者様は朝霧カフカ先生。カフカといえば、中島敦先生の『山月記』に影響を与えたという、チェコの作家フランツ・カフカ先生『変身』を思い起こします。『変身』は、両親と妹と一緒に暮していた模範青年が、巨大な毒虫に変身してしまい、家族から虐待を受けて死に至るという短編作品。このフランツ・カフカ先生の長編作品に『失踪者』というものがあります。

 『失踪者』は、ドイツの良家出自の少年エカール・ロスマンが、家のメイドに子供を孕ませてしまい、醜聞を恐れた両親の計らいにより、アメリカで成功した伯父に預けられるのですけれど、折り合いが悪く、またしても勘当されてしまいます。少年は正義感が厄して、何をやっても上手くいかず、新大陸を放浪。職を転々とし、下層階級の人達と触れ合いながら、成長していきます。そして、物語の終わりで、劇団照明係に採用されて終わります。


挿絵(By みてみん)

挿図/Ⓒ奄美剣星「田舎の学校」


 03 村上春樹のこと


 カフカといえばもう一つ、村上春樹先生の『海辺のカフカ』。天才彫刻家を父親にもつ十五歳の少年が主人公・田村カフカは、家出先で、偶然、実の母親・佐伯さんと出会い、父親の呪縛と葛藤しながら、数奇な彼女の一生をたどりつつ成長していく物語。この『海辺のカフカ』には、『1Q84』ででてくる「リトルピープル」という異界の生物が登場します。――要は妖精のこと。


挿絵(By みてみん)

挿図/Ⓒ奄美剣星「サムソンとデリラもどき」


 04 盾乙女のこと


 さてさて本題。

 私、Amamiは、どうにかこうにか美大を卒業し、両親がやっていた田舎の画塾を継いだ講師であります。画塾は、私のアトリエでもあり、作品のモデルとして、甥のハルトをよく描きます。私の愛弟子・塾生のリボンちゃんは、ハルトの同級生なのですが、自然な流れか、恋仲となりました。そういうわけで画塾に一緒に入ってくることがあります。

 ――よーし、今日は17世紀の画家ルーベンスの代表作「サムソンとデリラ」をパクってみよう!

 モデルは、甥のハルトと塾生リボンちゃん。うむ、当然。

 そんな甥のハルトには秘密があります。なんと妖精さんと同棲しているのです。妖精さんの名前は、美姫ちゃん。渾名は盾乙女、本名はブリュンヒルトなんだとか。――彼女のリボンちゃんが知ったら大嫉妬とすること間違いなしだな、こりゃ!


          ノート20210214(大地震翌日・バレンタイン)

挿絵(By みてみん)

挿図/Ⓒ奄美剣星「甥のハルトと妖精さん」

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