表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

7日目




「謹慎長かったぜ謹慎生活……」


 守谷はかなりの期間自宅で過ごしていたため、久しぶりの通学路を歩いていた。


「今日は絡まれない様にしないとな…」


 問題の中心にはいつもあいつがいる。絡まれてまた謹慎になろうものなら、退学になってしまうかもしれない…

 守谷は絡まれない様に気をつけようと気を引き締めると、目の前の踏切が閉まってしまい立ち止まった。


「そうだったわ、この踏切長いんだよな…」


 久しぶりの登校だから忘れていたもののこの信号は4つの異なるが通るため一度閉まるとなかなか開かない。


「ヤベェな、いつもこんな時に現れるんだよ」


 そんな独り言をつぶやいていると遠くの方から守谷を呼ぶ声が聞こえた。


「お待たせ〜、待たせてごめんね〜!!」


 振り向きたく無い…

 声でわかる。俺の恐れていた声がする。しかも珍しく人がいるというのにテンションが高い。


 最悪だ…

 そう思いながらも声の方向へ顔を向けた。


ぶっホォい!!


「もう、僕の顔を見て吹き出すなんて!! 守谷くん酷いよ〜」


「気持ち悪い口調になってやがると思ったらなんだその格好は!!」


 久しぶりにあった神本はなんと女子生徒用の制服を着ていた。

 しかも、ギリギリまでスカートを上げて胸の部分は膨らませている。


「クヒヒヒヒッ… そんなこと言うなんて! 久しぶりの登校だから一緒に行こうと思ったのに!」


「笑い方と女の子口調があってない、キモいぞ、ってかその格好で登校するのか?」


「当たり前じゃん、僕は女の子なんだから』


 また意味不明な事を言っている。


 何か悪い事が起こりそうな予感だ…


「そうか、まぁお前が良いならそれで良い! じゃあな1学校では絡むなよ!」


 守谷はそう言うと踏切が開いた瞬間を見計らって一気に駆け出した。


「酷いよ守谷く〜ん!!」


 守谷のロケットスタートに追いつけなかった神本は一気に引き離されて遠くの方から声が聞こえる。


「あぶねぇ、久しぶりの登校初日からあんなのと絡んでいたら最悪な展開が待ってるに違いない」


 守谷は勢いそのままに学校の中に入ると教室に向かった。



ガラガラガラ…….



「もうっ! 遅いよ守谷くん、あのね、渡したいものがあるんだけど!」


「……なんでここにいやがる」


 守谷は神本が先についていたことに驚きつつも差し出された物に目がいった。


「はい、お弁当だよっ!美味しく食べてくれると嬉しいなっ!」


「いらねぇわ! なんでお前らもニヤニヤした目で見てるんだ? 普通だったら気持ち悪るく思うだろ!ってか本当に女子の制服で来たんだな!」


 まくし立てる様にツッコムと予想できない反応が教室の反応が返ってきた。



「ふざけんな!! 女の子なんだから当たり前だろ!」

「神本ちゃん可哀想〜」

「付き合ってるんだからもっと優しくしろ!」

「お前が謹慎開けるのを神本ちゃんは楽しみにしてたんだぞ!」



 守谷は驚き戸惑っていた。

 周りを見渡した後に神本を見ると泣き崩れたフリをしており、その周りに女の子たちが集まって慰めている。


「しくしく……守谷くんがそんなこと言うなんて悲しい… 」


 神本のどこからどう見ても泣き真似に女子たちから謝りなさい、最低だよなどの言葉が向けられた。


「どうなってる……」


 守谷から戸惑いと唖然が混じった声がこぼれ落ちた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ