表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

3日目


「.......入りにくいな」


 野球部である守谷は部室の前までやってきていたのだが、部室に入ることを躊躇っていた。


 というのも、守谷は神本のイタズラによって新学期になって1日持たずに自宅謹慎となっていたのだ。

 新学期始まって1日で自宅謹慎になった事など過去に例を見なかったようで、学校中の噂になっていた。


 また、授業の開始時に先生たちが悪い例としてネタにしたことから噂として広がるどころか、全員が知っているという状況までなってしまっていた。


「後輩たちをこき使ってやろうと思っていたのに、このままじゃ笑い者だ........」


 守谷は少しの間、迷っていたが、このままでは(らち)が明かないと決心すると部室のドアを開けた。


「ナンジャコリャ」


 部室の表札には確実に『()()()』と書いてあった。


 一年間休むことなく通っていた部室だし、間違える訳が無い。


「クヒヒヒッ.....守谷くん久しぶりだねぇ」


「おい、お前、なんでここにいるんだ」


「なんでっていつも守谷くんのことを考えている僕には、ここ以外の居場所は無いよ」


「いや、ここ野球部の部室だから......お前、野球部じゃないだろってか、その大釜はなんなんだよ、何を煮込んでるんだ?」


「......」


「いや答えろよ、()()!!」


「やっと名前を呼んでくれたね、これで成功だ」


「何言ってんだ?」


 火にかかっている大釜をゆっくりとまわしながら喋り続ける神本は、ブツブツと何かを唱え始めた。


「おい、また変なことやらかそうとしている訳じゃねーだろうな」


「そんなことないよ、守谷くん。これも()()()()なんだ」


「俺のため?」


「そうさ、初日から部活に参加できなかった君が、部活に参加しにくい事くらい僕にはお見通しだからね」


「それとこの状況の関係性が一切わからねぇ......」


「今から教えてあげるよ、クヒヒヒッ….、()()()()()()()()()!!!!」


「なにしたんだ?」」


「外に出てみれば分かるさ........」


 守谷は部屋を開けると驚くべき光景を見てしまった。


「何だよこれ!!」


「君が望んだ世界さ........」


「いや、俺はこんな世界望んじゃいねーわ!!!!」


「い、いや、()()()()()()()()!!」


「違うから」


「いや、この前、見てたんだ、君が幼い子向けの魔法少女アニメを見ているところを….」


「何で家での状況把握してんだよ!! まぁ、それでも、どっちにしろだ......()()()()()()()()!!!!!!!」


 守谷が見たものは、学生が箒に(またが)って校内を移動している姿、魔法を使って部活をやっている姿だった。



「バーニングシュート!!!!」


「ウィンドガード!!!!!」


「なかなかやるじゃねーか」


「お前もな、だがこれならどうだ!!!」



 サッカーに魔法を使う姿を見た守谷は開いた口が塞がらなかった。


「どうだい?やっぱり君が望んだ世界だったろう?」


「馬鹿野郎、ちょっと心躍るじゃねーか!!!!!」





 守谷は、バカであった......



読んでいただいてありがとうございます。

明日24時に次話投稿です是非!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ