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そのゴーレム、元人間につき  作者: HIGH
辺境にて
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鬼ごっこ、リザルト

昨日予約入れてたんですけど今朝見たら消えてたのでもう一回投稿します。


「じゃあ、鬼ごっこの内容でも聞くかな」

 

 俺は全員を集めて話を聞くことにする。火の玉とか聞いてない、そんなの尻尾がやってたのしか見てないし人間が出来るんだとか思ってる。


 「はい、えーと最初に仕掛けてきたフィル君をかわして移動した後、最初は皆さん個人個人で捕まえようとしてきました。ですが、やはり私に叶うはずもなく逃げ切ってました」


 さらっと自慢するなよ。


 「でも驚きますね、フィル君は序盤はかなりの速さでしたよ。私に追い付く位速かったですね。結局体力切れて早々に落ちてましたけど」


 なるほど、だからずっと這いつくばってる訳だ。ピクリとも動いてないぞ大丈夫か?


 「生きてるかフィル少年」

 「し、師匠……俺の事は置いていってくれ……」


 何の話だよ。意味わかんねぇわ、次。


 「それで、その後は皆さんが早速くたばったフィル君以外で連携をとって私の動きを阻害しつつ追ってきたわけです」

 「……エマ姉、酷い言い草だぜ」

 「事実じゃないの。アンタが先走るから上手くいかなかったわよ!」


 エマとアルカにディスられるフィル少年……不憫だなぁ、まぁ自業自得と言うことで。

 果たしてフィル少年はチームプレーが出来るようになるのだろうか、今後に期待って感じだな。


 「まぁ、連携は即席のものでしたが始めてにしては良かったのではないでしょうか。私自身連携とかは良く分かりませんが、動きづらかったので必ずしも効果がなかったとは言えません」

 「ふ、ふん! 私が指示したのだから当然よ! ……でも、皆もちゃんと理解してくれたから……助かったわ……」


 エマは確かに連携とかしたことないだろうな、俺もない。俺の知ってるなかで連携をとるのは牙と尻尾達だけだな。今度教えてもらうか? いや、尻尾を引き摺ってこよう。

 あと、アルカは素直じゃないな、その年頃だと素直になるのは恥ずかしいんだろうか。結局お礼を言えたのだから良いと思うぞ。


 「じゃあ問題は火の玉だが……何あれ」

 「あーっとそうですね。私も最初は驚きましたよ。流石に連携は個々の体力面が違うので維持できなくなって来まして、その後は全員がバラバラに動き出しまして。恐らく無意識にスキルを使っちゃったんでしょうね。暫く見てて馴れましたが」

 「無意識か……確か、火の玉を使ったのは……リズだったな」

 「はい、済みません」


 なぜ謝る。


 「いや怒ってる訳じゃ無いぞ。寧ろ良く使えたもんだなと思って」

 「万が一の時の為にって院長に教えて貰いました十歳になると発現すると聞いたことがあります」

 「へぇ、そうなんだ。エマ知ってた?」

 「常識ですよ」

 「……? 師匠は知らなかったんですか?」

 

 あ、ヤベ、墓穴掘った。

 誤魔化さなければ。


 「良いですかリズ。ランドさんは非常識の塊です。私たちの常識なんて理解してる訳がないのです」

 「でも、親から聞いたりとか……」

 「彼は生まれた時から山に捨てられていたそうですね。一人で生きてきたのですから分からなかったのも無理はありませんよ」

 「そ、そうですか……師匠、余計なことを言って済みません」

 「い、いや、別に気にしてないぞ」


 エマ、ナイスフォローだけど後で殴る。

 だれが非常識の塊だ、俺を構成してるのは石だっつーの。生まれた時から山は当たってるような当たって無いような。


 「つまり師匠も孤児見たいなものだったのか」

 「ん? まぁ、そうだな。多分そうだろ」

 「しかし良く生き残れたな、子供の頃にそんな場所にいれば魔物に殺されるんじゃないか?」


 おのれスティーブ、痛いところを突きやがる。見た目通り頭良さそうだからな、そこで倒れているフィル少年とは大違いだ。このままの調子で頑張ってくれ。


 「ははは、その辺りは俺に勝つことができたら教えてやる。俺の強さの秘密と言っても過言じゃ無いからな」

 「む、そうか、なら聞き出せるように頑張るよ」

 

 そう言ってフィル少年の所へと向かっていった。あー、怖い。感のいいガキは嫌いだよ! ……冗談だ。察しの良い奴は嫌いじゃない。


 「師匠は凄い人なんですね!」

 「あったり前よ! 何たって師匠なんだから!」


 俺を誉めてくれるピータにユン。

 何が当たり前で師匠だからなのかは知らないがユンにだけ分かる何かが有るのかもしれない。

 ピータとユンはまだ十歳に満たない……と言うことはまだスキルが発現していないのだろうか……でも待てよ俺は十年も生きてはいない。前提は間違ってないか? いやもしかしたら魔物と人とで違うのかもしれないよな? 事実魔物の大半はスキルを無自覚に使っているらしいし。

 ……試してみるか。


 「ピータ、ユン、ステータスを開けるか?」

 「師匠? 十歳にならなきゃ無理だと思うんですけど……」

 「開ける訳ないじゃん!」

 「物は試しだ。やってみてくれないか?」


 二人は顔を見合わせた後に頷いてくれる。危険がある訳じゃないだろうし、多分大丈夫だろう。

 ……大丈夫だよな?


 「「ステータス……えっ!?」」

 「どうだった?」

 「開けちゃった……」

 「何で!?」


 慌てふためくピータとユンを見て他の四人が心配そうに集まってくる。エマも一緒だ。


 「どうしたの!? 師匠! 二人に余計なことをしてないでしょうね!」

 「余計なことか……したようなしてないような……」

 「ランドさん、いい加減自重してくださいよ。このままじゃ死人がでます」


 言い過ぎだろう……傷つくぞ。

 これに関しては別に悪いことでも無いと思うんだけどな。うん、悪いことしてません。


 「で? どうしたの?」

 「アルカ姉ちゃん、僕達、スキルがあるよ!」

 「見てみて! アルカちゃん! 十歳じゃないのにステータス開けるんだよ!」

 「は? 師匠……どういうこと?」


 皆で睨まないでくれるかな。

 味方が居なくて泣くぞ、誰か一人くらい味方がいても良くないか? バチは当たらないぞ。


 「んーとだな、ただ十歳で発現するって言うのが良く分からん。なんで十歳で突発的に発現すると思う?」

 「えっと、体も心も成長が始まるからですかね?」

 「まぁそれもあるよな。でもさ、なら最初からあった方がスキルと共に成長が出来るはずだし加減も覚えると思う。なのになぜわざわざ十歳からなんて嘘をついたんだろうな」

 「師匠、それは多分十歳未満じゃ使い道を間違える可能性があるからじゃないか? だから王都の方でも十歳からと言ってると思うぞ」


  うーん、スティーブの言ってることが一番的を射ている。

 俺の考えすぎかもしれないな。


 「じゃあそこはそんな感じで良いか、あんまり考えすぎても疲れるからな。ピータとユンはラッキーとだけ思え」

 「散々場を荒らしておいてそれなの!?」

 「アルカちゃん、ランドさんはそういう奴です」


 最近のエマは目に見えて反抗的で俺は成長を感じているぞ、腹立たしいけど。

 

 「エマ、お前訓練四倍」

 「え、死ぬ……」

 「あぁ、死ね」

 「師匠~あんまりエマ姉苛めちゃダメだせ?」

 「そうかフィル少年。お前がエマの代わりに四倍メニューをこなすのか」

 「エマ姉ファイト!」

 「裏切り者っ!」


 あっさりと見捨てられてへこむエマ、安心しろ、最初から四倍のつもりだったから。

 

 「さて、鬼ごっこで体も十分解れた事だろうし、ここからは実際に武器の選定と軽く動いてもらおうかな。勿論決まれば俺がその都度調整するとしよう」

 「武器!? やったぜ!」

 「孤児院の裏に置いてあるぞ……居ないし」


 いつの間にかピータ、スティーブ、アルカ、ユン、リズの五人はその場から居なくなっていた。


 「うぐっ、スティーブの奴俺を捨てやがった」

 「四倍……ランドさんは私を殺すつもりなんですね……」


 スティーブに見捨てられて地面に寝転がっているフィルにボソボソと何か呟いているエマ。エマはともかくフィルも武器を見せない訳には行かないので首根っこ捕まえて孤児院へと向かう。

 ついでにエマも引き摺りながら。


 因みに、鬼ごっこは俺がエマを捕まえたので俺の勝ちだ。


 どちらにも褒美はないのだ。


 ……当然だよね?

 

 

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