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そのゴーレム、元人間につき  作者: HIGH
辺境にて
80/120

武器を作ろう

タイトルに意味はない。

殆ど話しに出ませんからね。


あ、新しく小説書きました。

良ければ読んで下さい

 ギルドマスターの呼び出しも終わったので真っ直ぐ孤児院へと帰る。


 「あ、師匠、遅かったな! お帰り!」

 「あぁ、ただいま」


 出迎えてくれたフィル少年。

 しかしその顔は疲れているように見える。


 「訓練はどうした?」

 「あ、いやぁ……その」


 逃げたのか、まだまだ十歳、少しは教育を受けているがそれも完璧じゃないし、その年齢なら飽きてくるだろうな。

 でも俺が考えていたのは体を動かす事だろ? この歳からすれば疲れはするものの逃げるとまでは行かない筈だけどな。


 「そんなにキツイのか? エマは」

 「まぁキツイっちゃキツイよ。ただ、師匠が思ってるキツさじゃないと思うね」

 「どういう事だ?」

 「見れば分かるよ」


 溜め息を吐きながらフィルは俺を案内する。何処か遠い目をしていたが触れないでおこう。


 「あ、ランドさん。お帰りなさい、遅かったですね」

 「俺にも色々とあるんだよ……それで、この状況は一体なんだ」


 孤児院横の庭には孤児院の中に有った筈の机や椅子が置かれていて、ピータを始めとして冒険者志望の子供が座っている。

 院長、少しは気にかけてやれよ……え? 全部任せた? 畜生、責任を押し付けるなよ。


 「何って、ただの授業ですよ」

 「俺は訓練を頼んだ気がするんだが」

 「いえ、子供たちからは冒険者について教えてと言われましたので、座学をですね……、あ、もしかして体を動かす方でしたか?」

 「まぁ、俺としてはそっちにしてほしかったんだが……」


 まぁ、俺がちゃんと伝えずに出ていったこともあるし? 悪いの俺だよね、反省すべき所はしなければ。


 「いや、俺がちゃんと伝えずに任せたからだ。悪かったな」

 「いえ、私もちゃんと話を聞かなかったからです。済みません」


 頭はちゃんと下げるぞ俺だってな。

 しかし、子供達よ流石にエマに違うことは違うと言わないとダメでしょうが。


 「いや、話が止まらなさすぎで口出しするタイミングが無いわよ」

 「あと、少しでも動こう者なら凄い剣幕で睨まれます」

 「そのせいでピータとユンは半泣きだぞ師匠」

 「マジ済みませんでした」


 エマは後で叱りつけよう。

 しかし、よく堪えてくれたな、師匠感動。いや、認めないけどさ。

 そしてフィル少年、こんな地獄から抜け出せた君は勇者に違いない。


 「エマ姉話しに夢中になりすぎて逃げるのは簡単だったぜ。皆もやれば良かったのに」

 「ちょっとフィル! なんで言ってくれないのよ!」

 「俺はてっきり演技だと思っていたんだが……深読みのしすぎか」

 「スティーブ、気を落とさないで。私も同じ」

 「姉ちゃん怖かった」

 「死ぬかと思ったよ!」


 叱るだけじゃ済まないかもしれません。

 ……仕方ない、このストレスは俺がちゃんと取り払おう。


 「まー、説明しなかった俺が悪い。今からは体を沢山動かしてスッキリしよう」

 「やったぜ! 流石師匠だ!」

 「体が固まっちゃって仕方ないわ、それで師匠。何をするの? 武器はまだなんでしょう?」

 「あぁ、俺はこれから武器を作るから、暫く鬼ごっこでもしていてくれ。そうだな、お前たち六人でエマを捕まえきれることが出来ればご褒美をやろう。どうだ?」

 「「「やります!」」」


 うんうん、世の中飴と鞭だよね、そのストレスをエマにぶつけてやるのだ。

 まぁ簡単には捕まらないだろうけど、全力で動いて地力をあげてくれと言う、打算もあるわけだ。


 「え、私とばっちりじゃないですか」

 「自業自得だな、エマも俺が武器を作り終えるまで逃げ切れたら言うことを聞いてやるぞ」

 「乗りました」


 変わり身早いな。

 失敗したら俺が身を切る羽目になるので頑張れ子供たち。


 「じゃあスタートだ」


 いきなり開始の合図を出す。


 「「「え?」」」

 「いや、戦闘開始になったら誰かが合図をするわけじゃないんだ。チャンスは掴めよ」


 そう言うと目を光らせたフィルはエマ目掛けて飛び付く。


 「甘いですね!」

 「なにっ!」


 エマはそれを飛び越えて遠くに走り去り、フィルが追いかける。

 他の子供達も驚いたものの直ぐにフィルの後に続いていく。

 うん、良いと思うぞ。さて、俺は武器を作るかな。後、この様子じゃ今日は七三貴族は来そうにないな。安心だ。


 まずは何から作ろうかな。材料は木だが……うん、二つずつ作っておこうかな、これなら代えにもなるし、決闘用とかいって使うことも出来るだろうし。


 作るものは……剣、槍、斧、短剣、弓に……杖? の六種類か、それを二つずつで十二個の作成だ。かなり面倒だな。

 あと、使い手が見つかった場合それに合わせて調整もしなきゃならんし、暇がないよな。

 よし、この問題が解決したら暫くは祠に籠るぞ。その為に今は仕事だな。


 くそっ! 誰か俺と変わってくれ。

 あ、そうだ、チャクラム作ろう。 あれ、絶対俺のスキルかあれば使いやすそうだし。

 使う機会があればの話だけどな。基本戦闘は殴るか蹴るかだし、マジで使う機会が限られそうだ。


 


 「えーと、まぁこんなもんか? 比較的軽いし良い感じじゃないだろうか」


 作り終えた武器を地面に並べてのんびりと鑑賞する。我ながら良い仕事だと思うぞ。

 しかし、結構大変だったな。中身がすっからかんだとすぐ壊れるし、手持ちの材料でちょうど良い形に持っていくのも面倒だった。


 剣、短剣、槍まではスムーズだったんたが斧、弓、杖は結構な手間がかかってしまった。

 斧なんて刃と柄の部分のバランス考えないと折れるし、弓は弧をちゃんと作らないと弦つけらんないし、杖に至っては魔力通さないと機能しないんじゃね? とか思って俺自身が魔力とか知らないから院長に教えて貰いつつ作り上げた。

 鍛治職人は素晴らしいね。手作業でなんて無理だわ、スキル万歳。


 さて、アイツらを迎えにいかねばならぬ、どこまで白熱しているのか、はたまた既に終わっているかだな。

 集中していたせいか、声も聞こえてないからな。


 「おーい、武器ができたぞ。お疲れ……」


 孤児院の角から出てくると同時に火の玉が飛んでくる。

 は? 意味わかんないんですけど。

 

 一先ず地面に叩き落として燃え広がらないように踏む。これで大丈夫だろう。


 「済みません師匠。エマさんかわさないでください」

 「いや、かわしますから! 当たったら死にますよ!」

 「師匠の様に叩き落としてください」

 「そんなことできませんよ! あの人ただの化け物ですからね!?」


 これは良いことを聞いた。

 火の玉も気になるがまずはこっちだわ。


 「詳しく聞かせてもらおうか」

 「そりゃあもう、あの人は理不尽ですし空気読まないし人を巻き込む最悪な……あ、ランドさん?」

 「死刑」

 「逃げねばっ!」


 その場から直ぐに離脱しようとするエマの頭を鷲掴みし、掴んだまま指を閉じていく。キシキシとエマの頭が悲鳴をあげる。


 「ぐはあああ! ストップ! タイムです、落ち着きましょう。話せば分かります!」

 「ごめん、俺、空気読めないから」

 「済みません! 調子に乗りました。だから許して下さい!」


 俺は手を離し、溜め息をはく。

 エマは頭を抑えて唸る。


 「じゃあ、戯れは置いておいてだな」

 「これが戯れとかマジで笑えないです」

 「何か言ったか?」

 「いえ」


 さて、話を聞くとしよう。

 

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