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そのゴーレム、元人間につき  作者: HIGH
新たな人生?
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初迷宮

 俺等は騎士団の人間の案内の元、ソルト迷宮に来ている。

 今は入り口の前で、罠や魔物についてのレクチャーを受けていた。

 俺は、聞いていたが他は余裕なのか、あまり聞いていないようだった。

 騎士さんの笑顔は青筋がなければ素敵だったに違いない。


 騎士さん先導の元、ソルト迷宮へと入っていく。この迷宮は全二十層となっていて、初級よりの中級迷宮らしい。他の奴等も同様だ。


 入った先は洞窟のなかの様になっており、鍾乳洞みたいだった。

 

 騎士さんは基本的に見ているだけなのとちょくちょく声をかけてくるが後ろで見ていた。

 こっちのリーダーは、我が物顔で偉そうに歩いている獣化男だ。

 俺は騎士さんの少し前を歩いている。


 第一層を少し進んだ辺りで魔物と遭遇した。

 

 こいつはなんだ、見たこと無いな。

 俺等の目の前に現れたのは蝙蝠だな。

 それを獣化男の取り巻きの一人が空気を圧縮する能力で空気の塊をぶつけた。


 見えないってのは便利だな。

 蝙蝠が落ちてきた。それをもう一人が手斧を振って頭を潰す。

 ほぅ、何の躊躇いもなかったな。


 すると次の瞬間、獣化男が蝙蝠の一部を剥ぎ取り、口にした。

 こいつ、ゲテモノが好きだったのか。


「ちげぇよ、俺は、食った魔物の力を使えるんだ」


 睨まれながら言われた。

 何を怒っているんだか。


「それで、どんな能力だ?」

「あぁん!? ……超音波だなぁ」


 ちゃんと答えるのかよ。

 次は俺がやるように言われた。

 こいつら面倒なだけだな。


 また蝙蝠がこちらを目掛けて飛んでくるが、俺は、三メートルまで射程が伸びた回転を使い、蝙蝠の平衡感覚を狂わせ、その隙に止めを指す。


 回転も結構使えるな。

 正直どうなるかと思っていた。

 あんな嘘つかなきゃなあ、とか反省していたのがバカみたいだ。


 そして無駄に広い迷宮を何時間もかけて五層付近まで降りると、騎士は少し休憩して戻ると言っていた。


 俺は別に疲れてはいないのでその辺を探索していた。魔物も勿論出る。ゴブリンなんかも出た。ゲームとかじゃ弱いけどなかなか強いぞアイツら。

 微妙に早いし。

 

 試しに三匹程出てきた時に全員を回転させたらコマのようにぶつかってぐしゃぐしゃになったのは血の気が引いた。


 俺は探索を終えて戻ってくると他のやつらはまだいなかった。

 俺が消えた後にどこかへ行ったようだ。


 数分後に戻ってきた奴らと共に迷宮探索を終えて帰ってきたが、全員問題なく無事だったらしい。


 獣化の男に何をしていたか聴いたが、答えて貰えなかったな。

 そして奴等はにやにやしながら城に戻っていった。


 部屋に戻った俺は、ステータスを眺めていた。

 

 迷宮のお陰でレベルの上がりかたが訓練とは違い、結構嬉しい。


 Lv5

 スキル:[攻撃小up][防御小up][速度小up][回転][硬化][軟化][攻撃小down][防御小down]


 ふむふむ、なかなか良いじゃないか。

 今度はバッドステータス系か、有能。


 するとドアがノックされる。

 居留守を使ったが五月蝿かったので仕方なく開ける。


「いるなら出てくれよ」

 

 なぜか剣聖がこんなところにいる。

 一体俺みたいなやつに何のよう何だろうな。


「俺と勝負してほしい」


 俺はドアを閉め鍵をかけた。




「何故しめる!? 頼む! 開けてくれ!」

「新聞なら要りません」

「そんな話じゃない!」


 五月蝿い奴だ何か用か。

 俺は、眠ろうとしていたんだ。

 嘘だけど。



「済まない、起こしてしまって、だが、勝負してくれ!」

「何のためにだ」

「君の実力が知りたい」


 それなら知っているだろうに。

 十勝無敗で剣聖の勝ちだ。


「君はどこか手を抜いている様に見える、だが俺は、皆を導くために全員の本気が知りたいんだ、この世界のため、そして皆の為に! 協力してくれるね?」

「お断りします」


 即答で再びドアを閉める。

 熱い熱い。スポコンは他所でやってほしい。

 ノックが五月蝿いので窓から脱出することにした。


 幸いここは二階、地面に軟化を付与して柔らかくすれば着地に問題はない。

 地面を元に戻して散歩でもするか。

 

 曲がり角のある通路に、仁王立ちの女子がいた。

 その直前の曲がり角で俺は曲がる。

 何をしているのだろうかあの女子は。


「ちょっとまって!」


 後ろから声がかかっている気がするが俺の後ろにいた誰かにだろう。

 誰かが居た記憶はないが。

 

「ねぇ! 聞いてるの?」


 凄いな話しかけられて無視するなんてな。

 俺にはとても出来んな見習いたい。


 すると肩を捕まれた。デジャヴ?

 振り向かされて少し下を見ると先程の仁王立ち女子がいた。


「なにか用か」

「会話聞いてたわよ」

 

 会話? はて、誰かと喋っただろうか。

 記憶にないな。


「嘘でしょ! 天馬君と喋ってたじゃない!」


 天馬君? 誰だそれは。そんな超次元なスポーツの主人公の様な奴は知らん。


「剣聖のスキルを持った男の人よ!」

 

 ふむ、あー、思い出したぞ。

 剣聖か、最初からそう言え。


「で! 何で断ったの!」


 え、聞いてたのか、引くね。

 ストーカーじゃん。


「面倒だから」

「それだけの理由で天馬君の誘いを断ったの!?」


 喧しい奴だ立派な理由ではないか。

 ん? なんなら私が変わって欲しかった?

 そうですか、お譲りします。

 それでは、


 俺は、手を振りその場を立ち去ろうとするが遅かった。


「見つけたぞ! なぜ逃げる! さぁ、勝負だ!」

「天馬君! 捕まえといたよ!」

「ありがとう、アゲハ! 助かる」


 訓練所へ無理やり連れていかれた俺は、剣聖と戦うことになった。

 自分勝手な奴だ 

 

 

 

 


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