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そのゴーレム、元人間につき  作者: HIGH
始まりはいつも突然
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いろんな決定

 さて、狐人間達が落ち着いたところで立ち話もなんだ、と言うことで一旦区切り、祠の前で円になり座っている。

 何故か俺の隣には女冒険者が座っているし、その女冒険者は魔物だって言ってるのに(言ってない)そのまた隣にいる狼をわしゃわしや撫でている。

 たまに狼が「おぉふ」とか言ってるが聞いてないふりをする。

 

 「はぁ、さて、話をしようか、何から話すかな、そうだね、先ずは、ゴーレム君の話だよぉ」

 「そう言えばコイツは話し合いは参加したことはなかったな」

 「そう言うこと、それで、決めるのは彼と私達の立ち位置だ、彼はこの森の最高戦力、よって追い出すと言うことはない。でも、私達長と違って部下を持たない彼はどう扱うべきだと思う?」


 なるほど、そんなこと決めてなかったな、あのときはコイツらが勝手に来て勝手に何か言って終わりだったからな。

 部下、か持つ気は無いぞ、邪魔。

 

 「ん? そうだな、同盟みたいな形で良いんじゃねぇのか? 俺らだって仲は良いが結局は同盟だからな」

 「我も賛成だ。人間にはたった1人で軍隊ほどの戦力を持つものもいて、そのものは位はかなり高いと聞く、そう言う感じで良いのでは?」

 「そもそも森にそんなこと気にするやつはいねぇからな」

 「そうだね、じゃ、そうしよっかねぇ、ゴーレム君は私達の同盟と言うことで」


 結構あっさりと決まるな、話が早くて済む。

 仮にも沢山の部下を纏めてるだけあるな。

 おい、ガケトカゲ、寝るな。


 「さて、次はガケトカゲの件だねぇ、有用さがわかったお陰で処分と言うわけにも行かないからねぇ」

 「そのまま崖に戻ることは出来ないのか?」

 「本人がここに居たいと言うんだよぉ、森を荒らしたのになかなか図々しいねぇ」


 お前がそれを言ったらダメだろ。

 自分の話題になって焦って起きやがったな。

 そしていかにも聞いてましたよ?って顔をするな、皆見てたからな。


 「オラ、ここにいられるべか?」

 「我は賛成だ。角殿を凌ぐその戦力と防御力、ゴーレム殿には及ばぬものの、最高戦力と言っても過言ではない」

 

 やっぱり賛成したな狼。

 まともなこと言ってるが今、女冒険者に腹見せて撫でられてるからな、ダサいぞ。

 

 「確かに、角も負けるほどの相手だし、戦うのは好きじゃないらしいけど防衛としては役に立つかもねぇ」

 「ちょっとまて! ここに置くのは賛成しても良いが俺より強いは認めらんねぇぞ!」

 

 満場一致じゃねぇか。

 確か俺の体にヒビ入れたくらいだからな。

 役に立つだろうな。


 「オラ、強さの順番はどうでも良いべ、角さんがしたいようにしてくれ、戦うのは好きじゃねぇけど、守るためなら何でもするべ!」

 「うん、じゃあ、決定だねぇ、突っぱねる理由も無いわけだしさぁ」

 「やったべ!」

 「だが、ガケトカゲ殿はどこに属させるつもりだ?」

 

 ふむ、俺を入れてしまうと勢力は4つだし、今決めたのにまた5番目の勢力としていれるとちょっとややこしいからな。


 「ん? あぁ、それならゴーレム君の勢力として入れておこうか、それなら少しは人数がいて代役も立てられるだろうからね」

 「おぉ、オラ、ゴーレムさんの部下だべ? ゴーレムさんの、よろしくだべ」


 おっとまた勝手に決められたようだ。

 ま、集まりはガケトカゲと言う名のパシりを使うとしよう。

 思う存分働け、俺はのんびりする。


 「あ、でもぉ、オラ、この辺りにはずっとはいられねぇ、ここにいたらちょっとだけ気持ちが悪くなるだよ」

 「私達は平気だけど君はそうはいかないんだねぇ? 不思議なものだよ、わかったじゃあ、当分の済む場所は牙の所で良いかな? 仲もいいし、ちょうど良いよねぇ」

 「我らは構わないぞ、よろしく頼む、ガケトカゲ殿」

 「よろしくだぁ、牙さぁん」


 ガケトカゲはここには居座れないのか、それは良いことを聞いた。

 よし、俺の静かに暮らす計画は順調だな。


 「じゃあ、最後の議題で最大の問題、そこの人間の話だよぉ」


 突然周り(狐人間とおっさん)の魔物の雰囲気が真剣になった。

 因みにガケトカゲは居眠り、狼は腹を撫でられながら寝そべっている。

 俺? ははは、星が綺麗だな。


 「ゴーレム君、これはどう言うことか説明してくれるよね?」


 バカだな、俺に説明ができるわけないじゃないか。

 おっちょこちょいだなぁもう。

 そんなことを思っていると、女冒険者は手を高く上げ、真剣な表情で告げる。


 「すみません! 何の話をしているんですか!」


 お前の話だよ、聞いてなかったのか。

 狐人間以外はポカーンとしていた、何を言っているのかわからないみたいな顔をしている。

 狐人間は少し考えるような素振りをして口を開いた。


 「え、えーと今まで少し会議をしていてね、森の侵入者である君の処罰を決めるんだよぉ」

 「おわ! ビックリしました! 狐さん、人間の言葉が喋れるんですね?」

 「私こう見えても長生きだからねぇ、多少は聞けるし話せるよぉ」


 ん? 人間の言葉が喋れる?

 何を言っているんだ、まるで狐人間以外はわからないと言っている様じゃないか。


 「ゴーレムさんの他にも私の言葉が分かるとは、驚きです!」

 「ゴーレム君、人間の言葉が分かるのかい?」

 

 肯定する。

 当然だろ、お前ら同じ言葉で喋ってるじゃないか、変なことを言うな。


 「おい、尻尾? お前らは今何の話をしているんだ?」

 「あ、あぁ、そうだね、君達にはわからなかったか、これは人間の言葉だよ、私は人里に降りるから覚えていたんだよ情報収集のためにもねぇ」

 「はー、これが人間の言葉なのか、ちょくちょくこっちにも何の話か教えろよ、俺らはわからないんだからな」


 マジでか、言葉変わってたのか、気づかなかった。

 そう言えば魔物の言葉は人間には分からないんだっけか。

 逆もまた然り、つまり女冒険者がこっちの会議の内容を知らなかったのも頷ける。

 なら逆に謎が増えた、俺は何で魔物なのに人間の言葉を知っている?

 祠にずっといたことが原因なのか、それとも俺が何者かだったのかに別れる。

 今は後回しにするか。


 「さて、改めて、こんばんは、私の名は尻尾、この森の一部の魔物の長をやらせてもらっている者だよぉ」

 「これはこれは、ご丁寧に、私の名前はエマ、冒険者やってます。ゴーレムさんには助けて頂き、お世話になってます」

 「冒険者なのにそんな不用心で良いのかい? 私達に教われることは考えなかったのかい?」

 「あ! 全然考えてませんでした! 冒険者失格じゃないですか!」


 やっと気付いたかコイツ。

 あと、俺にお世話になってるとか言うな、お前が勝手に就いてきたんだろうが。


 「ゴーレム君? 助けたのは本当かい?」 

 

 良いや、助けてない。

 偶然コイツは俺の進路を妨げなかったから生きているだけだ。


 「助けてはいないのか、ならこのエマ君の勘違いだねぇ」

 「え!? そうなんですか!」

 「じゃあ、お世話と言うのは?」


 それも知らない、こいつが勝手に言っているだけだ。

 俺は無実、むしろ被害者。


 「こっちも違うのか、君ねぇ、嘘つくのは止めておいた方が身のためだよぉ、いくら私達が低級とは言え、君程度なら簡単に殺せるんだから」

 「ちょ、待ってくださいよ! 嘘じゃないです、私が他の冒険者に襲われているときに助けてくれましたし、落とし穴に落ちたときに救出してわざわざ川にまで連れていってくれたんですよ! どこが嘘なんですか!」


 なかなか物騒なことを言う狐人間。 

 女冒険者は何か勘違いを起こしてこんなことを言っているな。

 信じるなそいつが言っていることは勘違いだ。


 「なるほど、それならば君の言うことに納得も行くねぇ」

 「そうですそうです! 私は命の危機だって言うのに嘘なんてつきませんよ全く」

 「ま、事情は分かったよぉ、でも、君を生かしておくかは別だ。他の皆とも話し合うから待っていてくれ」


 そう告げた狐人間はいつの間にか酒を飲んでるおっさんと伏せをしている狼、もはや隠すつもりもない居眠りをしているガケトカゲに訳を話、これからどうするかを考える。


 「俺は反対だな、人間だぞ? さすがの俺もランクのわかった今じゃ冒険者に来られるのは困る」

 「我らは特に害がないのであればどちらでも構わない」

 「オラ、友達ができるなら歓迎だべ」

 「なるほど、君たちの言い分はわかった」


 そう言うと女冒険者のいることのメリットとデメリットを話す。

 メリットは、人里に簡単に降りてもらえるので情報収集が可能で、人間の知識、技術により森をこっそりと強化できる事。

 デメリットは、裏切られ、人里へと行って大量の冒険者を呼ばれれば即アウト、それと会話で分かった冒険者のアホさですぐにバレる可能性があるとのこと。

 

 正直、居て良いことは少ない。

 情報収集も狐人間ができるし、森の強化をして冒険者が来てしまえば結局詰む。

 不利益が多いのだ。

 その事を女冒険者へと話す狐人間。

 俺からも何か言うつもりはない。

 そもそも喋れない。


 「わ、私は! 助けてくれた人を騙すようなことはしません!」 

 「うん、悪いねぇ、でもね、そんなことを言って簡単に騙してくる人間だっているのさ、さんざん見てきたんだよぉ、私達はねぇ」

 「う、で、ですが……」


 それ以上は何も言えなかった様だな、黙ってしまった。

 それをみた狐人間は溜め息を吐いて立ち上がりその場を解散にした。

 

 「明日の朝まではここで過ごすと良いよぉ、でも夜が開けたら森から出ていっておくれよ、悪いね、君が悪い人間だとは少なくとも私は思っていないよぉ、でも裏切られた事があるのも事実でね、そう簡単に人間は信用できない。服も代わりを明日持ってこよう」


 おい、さらっと俺に任せて行くなよ、あ、走って逃げやがった。

 しかし、生かしておくのか、なぜ殺さないんだ。

 生かしておく方が後々大変な事になると言うのに。

  

 「ゴーレムさん、ちょっと良いですか?」



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