表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
そのゴーレム、元人間につき  作者: HIGH
新たな人生?
17/120

鬼の喧嘩

 目が覚めた俺はどうやら自らの集落に運ばれて看病されていたらしい。

 どうやら、俺は負けた上に生かされたらしい。

 魔物は基本負ければ殺される。

 それを情けで救われたのであってはオーガの長として、魔物としてのプライドも傷つく。

 

 「角さま! お目覚めに! おい皆!角さまが目を覚まされたぞ!」


 すると周囲にいたオーガ達が集まり出す。

 

 「心配をかけたな、もう大丈夫だ」

 「いえ! 傷が酷いです、もう少しお休みになられてください」

 「ところでゴーレムは? まさか、ここ以外を滅ぼしたと言うことはないだろうな!?」


 自分と言う最高戦力を倒した今、どんな魔物でも、その種を根絶やしにする等と考えることは多いだろうと思い、声をあげる。

 だが、首を横に振ったオーガ。


 「その、実は、あのあと、ゴーレムは来た道を戻って行ったのです。そしてそのまま戻ることはありませんでした」

 「なに? どういうつもりなのだあのゴーレムは」

 

 意図が読めない。

 もしや俺ら等眼中にないと言うのか!

 ゴーレムごときが!

 Bランクの魔物である自分を見下す様な真似をされて黙っていられない!

 今すぐもう一度戦ってもらう!


 「もう一度戦うなんてバカな真似考えていないよねぇ?」


 部屋の外へと続く扉に尻尾が立ち塞がった。

 バカな考えだと?

 ふざけるな!


 「どけ尻尾。お前の言う通り、もう一度挑む」

 「その状態で? 五体満足で帰ってこれただけでも儲けものだと思うけどねぇ?」

 「だとしてもだ、嘗められたままじゃ俺の気が収まらねぇ!」

 「そうして君が死んだらどうするぅ? 君は牙のように、一族を残して死ぬ気かいぃ?」


 こいつ! 俺が負ける前提だと!?

 確かに俺は負けた! だが、今度は俺が勝つ!

 一族を残して死ぬ気なんざ更々ない!


 「言っておくがねぇ、君の体力が満足な状態でその傷だ、その怪我のまま挑めば次はない。断言しよう。君は絶対に死ぬよ、角」

 「さっきから聞いてりゃ、ビビったか尻尾。自分が殺されかけてただえさえ臆病なお前は腰抜けになったようだな」

 「臆病ねぇ、慎重だといってもらいたいけど、腰抜けか……聞き捨てならないね。最初から足りない頭は衝撃で脳みそまで消えた様だねぇバカ鬼。こんなバカな長を持つと他のオーガの苦労が知れないねぇ、着いていくのも嫌なんじゃない?」


 バカ鬼? バカ鬼だと!?

 ああ、俺は頭は良くねぇ! 

 だがな! 俺の子分をバカにすんじゃねえよ!

 俺は尻尾の胸ぐらを掴み壁に叩きつける。


 「テメェが知ったような口をきくんじゃねえ! 子分のことは俺が一番分かってんだ!大事な子分をバカにすんのは許さねぇ!」

 

 だが尻尾は笑いながら続けやがる。

 

 「分かってる? どこが? 君のその愚かにもゴーレムへの再戦は一族の総意なんだね? 私はずっとここに居たがそんな話は一度も聞こえなかったよ?」

 「当たり前だろう! 俺らは以心伝心! 言わなくてもわかるんだよ!」


 俺の再戦が一族の総意かだと?

 そんなのはな、言わなくてもコイツらは応援してくれんだよ!

 見てみろ! コイツらは今も俺に再戦してくれるのを望んでいる!

 

 回りを見渡せば、全てのオーガは俯いていた。

 おい、なんだ、その顔は。

 誰も望んでねぇってのか! 俺らは最強のオーガだぞ!

 

 「誰も望んでないよぅだよ。それは勿論私もだ、君はちゃんと仲間と話をするんだねぇ、それでも止まらないと言うのなら私も止めやしない。ただし、無視して向かうようなら私が立ちふさがるよ。」


 そう言うと尻尾は出ていった、そして他の同族達が入ってきて俺の前に立ち塞がった。

 全員が真剣な顔つきだ。

 一体どうしたと言うんだ。


 「角様! ゴーレムと再戦をするおつもりですか?」

 「当然だ、お前達も賛成してくれるだろう?」

 「お言葉ですが、反対させてもらいます」

 「な!?」


 何故だ! 

 俺が勝つためならば何でも手伝ってきたコイツらがか!?

 そんなバカな。


 「な、何を言っているんだ。負けっぱなしで良いと言っているのか?」

 「そうは言っておりません。そのお体で行けば尻尾様が仰った様に絶対に死ぬからです。我らは角様に死んで欲しいわけではありません」

 「俺が次も負けると?」 

 「はい、万全の状態で挑んで負かされたのです。いま行けば負けるなんて言うのはバカでも分かります。そして火を見るよりも明らかだ」 


 まだ、やってもいないのに分かるつもりか!

 俺はBランクの魔物! この中でもトップだ!

 なのに火を見るよりも明らかだと!?

 ふざけやがって、俺が負けたから下に見てるのか、お灸を据える必要があるな。


 「どうやら、テメェらは俺を舐めてるらしいな」

 「何を言っておられる! 我らは貴方と共にある、後ろに付き従う。それは貴方も知っている筈です!」

 「なら、今回も黙って着いてきやがれ! 俺に口出しすんじゃねぇよ!」

 「いい加減にしろ! 子供の様な言い訳をするな! 仮にも長だろう!」


 俺が駄々をこねてるガキって言いたいのか。

 そうかよ、それがテメェらの本音か。

 

 「どけ、俺は一人で十分だテメェらは要らねぇ」

 「まだ、言うか、現実の見れぬ愚か者が、この際ハッキリと言わせてもらうぞ。あんたはバカだ! 大バカだ! 一族一の恥さらしと何ら変わらん!」

 

 言ってくれるじゃねぇか!

 俺は! 頭を使うのが苦手なだけだ! バカじゃねぇ!


 発言している、オーガを殴り付け、外へと向かうこんなやつらはもう仲間でもねぇ。

 だが、俺の肩が掴まれ、方向を変えられると頬に衝撃が走る


 「ぐ!?」

 「行きたきゃ勝手に行けば良い。だがな、それはここにいるオーガを全て倒してからだ。あんたが負けたら絶対に行かさねぇ! 死なさねぇ!」

 「どけやぁぁぁぁぁぁ!」

 「どくかぁぁぁぁぁあ!」


 



 オーガの乱闘騒ぎは夜更けまで続き、決着はつかなかった。

 角は病み上がりの癖に衰えを感じさせない強さを発揮し、他のオーガも何度も立ち上がりながら挑み続けた。

 その頃の尻尾はその光景を眺めて、


 「話し合いって言ったんだけどねぇ。なんで殴り合いになってるのかねぇ?」


 と苦笑いをしていた。




 「ふぅ、ふぅ、て、テメェら数に任せて卑怯だぞ」

 「つ、角様こそ、怪我をしているのにそれだけ動けるなら十分卑怯ですよ」

 「これで分かったろ、俺は戦えるんだよ」

 「はっ! 良く言いますねぇ、誰も降参なんてしてませんよ。誰一人倒せていないのにゴーレムになんか勝てるわけないじゃないですか」

 「減らず口がぁ!」

 「君たちさぁ、長いよ。私飽きてきちゃったよぉ」

 「うるせぇぞ尻尾ぉ! これは俺等の問題だ!」

 「そうです! 引っ込んでいてください!」

 「おぉー怖い怖い」


 角もオーガ達もどちらも倒れているから口喧嘩しか出来てないけどねぇ。

 

 「良いですか、角様、何も二度と挑むなとは言ってないんですよ。今は休んで欲しいだけなんですから!」

 「なにぃ!? なんでそれをさっさと言わねぇ!」

 「聞かなかったのはアンタだろ!」

 「ちっ! 気に食わねぇがたまには部下の言うことでも聞いてやるよ。ほれ、療養しろ」

 「アンタのせいで全員動けねぇわ!」


 やれやれ、どうやら、止めることできたみたいだねぇ。

 なんか雑な止まりかただけど。

 それはオーガにしか分からないだろうねぇ。


 「尻尾、済まなかったな」

 「ん? 角って謝るほど頭あったんだねぇ」

 「よし、ちょっと来いぶっ殺す!」

 「角殿がやられたと言うのは本当か!?」


 おっと、牙が聞き付けた様だねぇ。

 さすがに速いねぇ。

 

 「無事ですか? 角殿! その傷は! ゴーレムに!?」

 「いや、コイツらと喧嘩した」

 「は?」

 「ほんとの事だよぉ流石はオーガ。野蛮だよねぇ」

 「我も理解しかねます」

 


 どうやら、話もまとまった? らしいし。

 この後の事を話すとするかなぁ。

 ちょうど牙も来てくれた訳だし。

 手間が省けて丁度良い。


 

 「ねぇ、そろそろ今後に着いて話そうかぁ」


 あと1話きっと更新します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ