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世界調整  作者: 虹某氏
4章【嘘】
162/305

161話 誰でも出来る拷問ノススメ by真央

「……空君。どうかな?」

「凄く可愛いぞ」


 なんだかんだとありバレンタイン祭当日となった。

 桃花は美少女コンテストに備えて衣装を着る……


 と思ってた時期が俺にもありました。


「それなら良かった!」


 残念ながら桃花は制服です。

 なんでもあの学校には私以上に可愛い人なんていないから制服で十分とのことです。

 でもこの感じだと桃花は着替えるのが面倒になって放り投げただけだ。

 もしも海が参加してたら桃花も全力を出すのだろうな。

 でも、可愛いから良し。


「……そう言えば私服登校でも良いそうですよ」

「え、先に言ってよ! もう制服着るの面倒だったんだから!」

「そのくらいの苦労はしなさい」

「ちぇっ……」


 海は赤いTシャツに学ラン

 間違いなく見た目は不良だな。

 ていうか女子がする格好ではない。


「これですか? 桃花から貰いました」

「お前はなんでこんな服まで持ってんだよ!」

「当たり前じゃん! どんなレパートリーにも対応出来るように大体の服は揃えてるからね!」


 うわ、強い。

 なんか強いオタクだ。

 服オタクだ。


「ていうかお兄様も制服なんですね」

「何を着るか考えるか面倒だったからな」

「そうですか」


 桃花に選んでもらっても良かったがやっぱり今日はこれだ。

 なんと言っても今日はプロポーズをする。

 それなら正装で行くべきであろう。


「うん。みんな着替えは済んだみたいだね。私が大盤振る舞いして自宅まで向かいに来てあげたよ」

「……おい。普通に不法侵入するな」

「なに。君達と私の仲じゃないか。そのくらい許せよ」


 真央が突然現れる。

 いつもの事と言えばいつもの事だ。


「それじゃあ行こうか」


 そして俺達は真央に拉致られて学校に連れてかれた。

 なんて強引な登校だよ……


「ほら! 昨日は徹夜でセッキングしたんだ! 良い舞台だろ?」


 校門はバルーンアートに変わっていた。

 どこの文化祭だよ……


「……あ、あの神崎さん」

「なんか用か?」


 そして学校に着くなり早速女子高生から話しかけられた。

 一体何の用だろうか?

 ていうか転移で来たところ見られてないよな?


「チョコ受け取ってください!」


 あーそういうやつね。

 バレンタインだからあるよな。

 そういうイベントくらい起こるよな。


「ありがとう。後で美味しく食べさせてもらうよ」


 とりあえず傷つけないようにやんわりと。

 さて、折角だからチョコ稼いでそのチョコを溶かして何か桃花に作るか。

 チョコで兎とか作ったら桃花は喜んでくれるだろうか。


「ありがとうございます! そういえばそちらの女性は……」

「私かい? 私は神崎真央。空と海の母親だよ。いつも空と海がお世話になっているね。空も君のような可愛らしい女性にチョコを貰えてさぞかし嬉しいだろう!」

「か、可愛いなんて……」


 おい! お前は俺達の母親じゃねぇだろ!

 勝手に嘘をつくんじゃないよ! 真央さんよぉ!


「これからも空と海をよろしく頼むよ」

「……はい」


 ていうか普通に保護者っぽいこと言ってんじゃねぇよ!

 もうお前は本当に何をしてくとんじゃい!


「それじゃあ私は空と海に学校を案内してもらいたいからそろそろいいかな」

「すみません。時間を取らせてしまって」

「気にしなくて大丈夫だよ」


 何が案内してもらいたいだ!

 お前はこの学校の理事長なんだから俺達以上に詳しいだろうが!


「いやぁ楽しいね」

「俺達は全然楽しくねぇよ! 何が母親だよ!」

「ほら、君達はお母さん分からないみたいだし可哀想かなって……」

「余計なお世話だ」


 それと海は満更でもなさそうな顔をするな。

 たしかに真央は母親っぽいかもしれないが……


「なに。あの女。どうして空君に気安く話しかけてるの」

「ていうか桃花も少し抑えろ! 今日くらいは多少多めに見ていこうぜ」

「なに鼻の下伸ばしてる? 私じゃダメなの?」

「そういうのいらないです」


 桃花はヤンデレを発動させるな。

 少しくらいは寛大さを持とうよ!


「やぁ神崎。早速チョコ貰って気分はどうだい?」

「竹林頼む。今日だけはここ代ってくれ」

「代われるものなら代わりたいがそれだと桃花ちゃんにぶち殺されるよ」

「一々ちゃん付けやめようって言ってるよね? ねぇ? もしかしてフランス語だけじゃなくて日本語も分からないの?」


 そして修羅場を作るな!

 頼むから桃花の地雷を踏まないでくれ。

 今日くらいは流血沙汰無しで行こうぜ……


「ていうか海。もっとお洒落するべきだよ。私が着飾ってあげるからおいで」

「……これでいいです」

「ダメだ! 女の子なんだらもっとオシャレしないと!」


 そして海は消えた。

 真央に転移門で落とされたな。


「それじゃあ少し着替えさせてくるよ。それなりに屋台も雇ったし歩き回るだけでも楽しめるはずだよ」

「本当に凄い力の入れようだな」

「当たり前だ。屋台の無い祭りなんてこの上なくクソじゃないか」


 そう言い残して真央も転移で消えていった。

 よし、俺は桃花とデートでもするか。


 ◆


「ほら、海。手を上げて」


 なんでこんな事をしてるのでしょうか。

 現在私は真央の着せ替え人形となっています。

 早く遊びに行きたいです……


「うん。可愛い。これで良しと!」


 そして着せられたのは黒いフリフリのワンピース。

 しかも下着まで脱がされて何か可愛いやつに変えられた……

 たしかに可愛いけど学園祭と言ったら学ランでしょうが……

 本当に真央は何を考えてるんですか?


「不服かい?」

「はい」

「まぁ許してくれよ。私を着せ替え人形にしてもいいからさ」


 本当ですか!

 前から真央に着せ替え服はいっぱいあったんです!

 例えばマントとか甲冑とか!


「うわ、凄く嫌な予感がする」

「あら、でも着せ替え人形にしていいって言いましたよね?」

「……露出度が高いのは勘弁してほしいかな」

「そんなの私が選びわけじゃないですか」


 どれにしようかな。

 一層の事スク水とかいいかな。

 あ、でもメイド服も似合いそう!

 真央は素材が良いから凄く悩む。

 これが正統派美少女……


「ていうか私と海はかなり顔が似てるんだから自分の着せ替えとあまり変わらないと私は思うんだ」

「全然違いますよ!」

「まぁ私は海が喜んでもらえるならなんでもいいよ」


 ていうか折角だから私とお揃いにしましょう!

 この黒のワンピースはどこに……


「おや、学校で何をやってるのかな?」


 そんな事を考えてると突然のハゲ親父が入ってきた。

 なんかエロ同人でいそうな顔。

 控えめに言って大嫌い。


「女子更衣室の無断利用は禁止のはずだよ。神崎海」

「あの、あなたは誰ですか?」


 そう言われた瞬間、エロ同人に出てきそうなオッサンは唖然とした。

 なんか申し訳ないことをした……


「たしかこの学校の体育教師の一人だよ。名前は山田」

「おや、あなたは神崎海の母親ですか?」

「その認識でよい」


 真央お母さん!

 なんか真央ってお母さんって感じがするんですよね。

 ほら、私に能力くれたりしますし。


「ていうかここは女子更衣室って書いてあると思ったんだが……」

「そうだな」


 そしてエロ同人男は後ろのロッカーを漁る。

 うわ、また面倒くさそうなやつだ。


「あったあった。さて、単刀直入に言おう」

「何かな?」

「このカメラにお前の娘が着替えてた動画が入ってる。さて、これをばら撒かれたくなければお前も脱げ」


 うわぁガチのエロ同人展開だぁ。

 ていうかルークと言いみなさん私の裸体の扱い雑ではありませんか?

 もうあんまりですよ!

 いい加減キレますよ。


「母娘丼。本当に僕自身良い趣味をしてると思うよ」

「……エロ教師。こんなことしていいと思ってるのかい?」

「生意気な口を聞いたらこの写真をバラ撒くぞ。早く脱げよ。もちろん海ちゃんもね」


 気持ち悪い……

 ていうかネットとか真央の箱庭ですし簡単に消せるんですよ。

 それを理解してますか?


「何人のキモいオタクの性欲の捌け口にされるかな。もしそれに名前とかも書いたら将来色々と困るんじゃない?」

「……お前はこれを何人にやってきた?」

「うーんと。たしか五人かな」


 うわ、ガチクズ。

 ていうかこの程度じゃ身の危険も感じない私の感性も相当狂ってますよね。


「……海。どうする?」

「そうですね……」

「おい! 状況理解してるのかよ!」


 理解してますよ。

 むしろ理解出来てないのはあなたの方では?


「早く脱げ……」

「一つ上司からのアドバイス。女性に無理に肉体関係を迫るものじゃないよ。もしも無理矢理でも犯したい場合は抵抗されないように手足を切り落とすことを勧める。まぁ君にそれが出来るとは思えないけど」

「お前……」

「自己紹介が遅れたね。私は神崎真央。この学校の理事長でもあるんだよ」


 え、もうネタばらしですか?

 少し早くないですか?


「え……」

「今まで謎だった理事長。その正体は私なんだよ」

「だからどう……」

「君をクビにするのも容易いのさ」

「考えてみたらかなり都合がいいぜ! ついでに俺の給料も上げてくれよ。もししなかったらお前の娘の写真を……」


 ……馬鹿ですか?

 馬鹿は殺さないと治らないんですか?


「海。すまない。まだうちの学校には私の息がかかってない者が半分程いるんだよ」

「はぁ……」

「その中に何人かクズがいるのは把握してたのだが私には関係ないって放っておいたのが裏目に出た」


 いや、放っておいちゃダメでしょ。

 何をやってんですか?

 ていうか桃花もお兄様も早く勘づいて来てくださいよ。

 せっかく面白い展開なんですから。


「何をゴチャゴチャと……」

「さて、実は私は海に手を出されるのは死ぬ程嫌いなんだ。それこそめちゃくちゃにしたくなるくらい」

「やっと……」

「そして誰かの下になるのも屈服するのもゴメンだね。それが性的なものなら尚更ね」


 そういうば偶然か必然か。

 近くには鉄のバケツがありますね。

 まぁ学校ですし当然ですね。


「君。少し頭が硬いんじゃないか?」

「何をするつもりだ?」

「殺すつもりだ」

「馬鹿か。そんなことしたら警察が動いて人生パーだな」


 はぁ……

 真央が警察程度で捕まるなら苦労はしませんよ。

 エニグマが必死になって追うほどの人ですよ。


「18万と5206。何の数字が分かるかい?」

「さぁな」

「私が殺した人数だ。逆言えばこのくらい殺しても捕まってないことの証明だね」

「こんな話を信じるわけないだろ」

「安心したまえ。すぐに分からせてやる」


 真央は私に合図する。

 殴り飛ばせと。

 本当に自分では動かない人ですね。


「口で言ってください」

「いや、そこは無言でやった方がカッコイイと私は思うんだがまぁいい。気が済むまで殴れ」

「了解しました」


 まぁ少し鬱憤が溜まっていましたし良しとします。

 私は地面を思いっきり蹴り、懐に潜り込む。

 そしたら口元を掴む。


「ていうか私達を舐めすぎではありませんか?」

「こ、これでも僕は体育教師だぞ! たかが女子生徒一人に力で負けるわけ……」


 うるさい。力量は弁えろ。

 少しだけイラッときたのもありそのまま手に力を込めて顔を握り潰す。

 私の握力……というより始祖の血を引く神崎家の握力なら人の骨を砕くくらい容易い。


「ア゛ア゛ーー」


 バキボキって骨が砕ける音がした。

 人は顔の骨が砕けたくらいなら死なないから平気。

 これは私の経験談。


「たった一撃で倒れないでくださいよ。自称体力自慢さん」


 それから私は何度も顔を踏み潰す。

 変形するまで踏みまくる。

 私は相当鬱憤が溜まってる。

 このセクハラもそうだが何よりあのバカップルだ。

 お兄様も桃花も人前でイチャイチャしやがってかなり頭にきてんだよ!

 あのバカップル共!

 私を差し置いてイチャイチャしやがって!

 もっと私にもかまってよ!

 もっと私と会話してよ!

 そんな思いを込めながら力強く踏む。


「私には八つ当たりしてるようにしか見えないんだよ」

「そうですか」

「それと海。拷問とかは普通に見れる人かい?」

「はい」

「ここで拷問してもいいかな?」

「問題無しです」


 ……スッキリした。

 そこのキモ教師にも少しだけ感謝。

 彼がいなかったらモヤモヤが溜まったまんまだった。


「山田先生。ここに鉄のバケツ。それにネズミがあります。さて、ここで簡単な生物の問題だよ」


 返事はない。

 歯が全部砕けて喋れないのだろう。

 自業自得です。


「もしもネズミを鉄バケツで蓋をして加熱したらどうなるでしょう」

「あ、謝るから! や、やめでぐれ!」

「まぁ答えは分かってるみたいじゃないか。それと海を傷物にしようとしてこの私が許すとでも?」


 ちなみに真央の問題の答え。

 それは掘り進むだ。

 中世ドイツとかであった拷問で飢えたネズミを鉄バケツで蓋をして温める。

 するとバケツは徐々に温まっていき動揺したネズミは手当り次第に掘り進む。

 まぁよくある古典的な拷問。

 専門的な道具もいらないから楽。


 でも桃花の家なら一通りの拷問器具はあるんですけどね。


「さてさてネズミ拷問の開幕だ! やっぱり喧嘩を売る相手は考えるべきだね!」


 桃花ならもっと笑顔で楽しく拷問するかな。

 そして真央の拷問が始まった。

 転移で取ってきたネズミを腹の上にセット。

 それから鉄バケツを固定しチャッカマンで加熱!

 チャッカマンは間違いなく改造してますね。

 加熱されると共にネズミが掘り進む!

 ネズミは内臓がグチャグチャになるまで掘り進む!

 辺りに舞うのは血飛沫。

 そんな光景が約十分。

 血の匂いが凄い充満する。

 真央から貰った服が汚れちゃったよ。


「やっぱりネズミ拷問は楽しいね」

「こ……殺してく……れ……」

「海にセクハラして簡単に死ねるとは思わないことだね。でもまぁ次の拷問で死ねるから安心してくれ」

「あ、悪魔……」

「魔王様って呼んでほしいものだね」


 そんなジョークを言いながら真央は足で鉄バケツを蹴り飛ばした。

 するとバケツがどいた事により鮮明に内臓が見えた。

 本当に胃袋が破れてますね……

 やっぱり人間って思ってる以上に丈夫ですよね。


「傷に塩を塗る。私は好きだよ」


 それから真央が指を鳴らすと大量の水が振ってきた。

 匂い的に間違いなく海水ですね。

 その瞬間、彼は傷に染みるのか呻き苦しむ。

 まぁ苦しそうですね……

 意外と傷に塩が触れるのは痛いんですよね。


「さて、海。山羊攻めって知ってるかな?」

「はい。たしか塩分を求める山羊の習性を利用したものです。山羊のザラザラした舌に何度も舐められて続けるうちに皮膚が裂け血が流れるとか」

「半分は正解だ。山羊は肉が削げて骨が見えるまで舐め続ける。つまり死体の処理も楽なんだ!」


 それは素晴らしいですね。

 桃花はよくドラム缶にコンクリ詰めにして海に沈めてるって言ってますけどそれよりもバレにくいですね。


「た、たのむ! ふつうに!」


 真央は笑顔で手足を縛っていく。

 逃げられないようにだろう。

 まぁ逃げたところで腹がこんなに裂けてたら短い命だろうが。


「いってらっしゃい。迎えにはいかないけど」


 そして下に転移門を展開。

 エロ教師は跡形もなく消えた。


「ていうか真央。そういうことやるなら桃花呼ぶべきでしたね」

「桃花は拷問好きなのかい?」

「はい。多分お兄様の次に好きだと思いますよ」

「それは失敗だったかな。しかし君達三人とは本当に趣味が合うものだ。やっぱり始祖は始祖としか分かり合えないんだね」


 しかし真央がここまで決定的にやるとは少し意外でしたね。

 本当に彼女と桃花だけは敵に回したくないです。

 だって痛いのはもう嫌ですから。


「さて、明日にでも彼……名前忘れたからエロ教師でいいや。まぁエロ教師の退職手続きを済ませておこう。学校経営も中々に大変だと私は思うよ」


 そして拷問は終わった。

 私は傷一つ付くことなく……


「新しい服を持ってくるから少し待っててくれるかな」


 私は一人取り残された。

 血溜まりと私だけを残して……


「真央がいれば怖い者無しですね」

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