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本日、二回目の更新になります。

今日明日と仕事が休みなので、ちょっと頑張ってみました。

でも、この回は短いですけど……

 おやつを食べ損ねた私のお腹は正直なもので、夕食の知らせを聞くとお腹がグーと鳴った。


 なんて色気のない身体なのだろうと自分でも思う。


 アルフィス殿下のことで食欲がないから夕食はいらないわ……とはならないようだ。


 そんな自分を現金だなぁと思いながらも、私は食堂に向かった。








 この日はお父様は仕事で夕食の席にいなかった。

 お父様以外の家族が揃って夕食が始まる。

 夕食時の話題はその日あったことが主だけど、一番話をするのはミルティアだ。

 ミルティアの鈴が鳴るような可愛らしい声と天使の微笑み付きの話はいつも家族を和ませてくれる。


 だけど、この日は私が話題の中心となった。

 たしか、お茶会に参加したときも質問責めにされたな。


 それにしても、我が家の女性郡たちの情報網はすごいと思う。

 間者でも放っているのだろうか。


「ティフォンヌ、今日はアルフィス殿下と秘密の逢瀬をしたのですって!情熱的ね!」


 お母様にバレている時点で秘密てはないし、燃える恋をしているような誤解を与える言い方も止めてほしいです。


「ステキだわ!お姉様と王太子殿下との逢瀬を私も見たかったですわ!」


 乙女チックな妹よ、覗きはいかんよ。


 180度誤解して、私とアルフィス殿下が燃え上がる恋をしている二人だと解釈しているお母様と妹の勢いが凄すぎて訂正するのも面倒になる。


 こっちは悪役令嬢という立場になりたくなくて必死なのに、この二人はどこまでも物事に対してポジティブだ。


 いっそ、この二人のポジティブさに流されてみようかな~なんて考えが一瞬脳裏を過ぎる。


「お母様もミルティアも面白がるのは止めてください。アルフィス殿下とティフォンヌは交際はしていませんし、相手は王太子殿下なのですから慎重になるべきです。周りがむやみに囃し立てるのは自重してください」


 流されても~なんて馬鹿なことを考えていた私に代わって、お兄様がお母様とミルティアを注意した。


 さすがは未来のセイラン公爵。


 若くても言葉と雰囲気に貫禄がある。


 注意されたお母様とミルティアは「頭が固いわ~」と文句を言っていたけどそれ以上は何も言わないで、会話はエステや今日の出来事に変わった。


 私だったらお兄様に注意されたらちょっと落ち込みそうだけど、この二人のハートは強い。

 きっとダイヤモンドでできているのだろう。


 お母様と妹のポジティブさと心の強さを羨ましく思っていると、弟のフィリックがデザートのチーズケーキを私にくれようとした。


「ティフォンヌお姉様元気ないから……僕のチーズケーキ食べてください。

 あの、僕、王太子殿下はティフォンヌお姉様の奥ゆかしさに惹かれたと思いますよ」


 と、私を心配して、自分のチーズケーキと慰めの言葉をくれた。


 ううっ、フィリックありがとう。

 私はフィリックみたいな男の子と恋がしたいよ。


 弟の優しさに感動し幸せに浸る私だったけど、その幸せは長くは続かなかった。





 帰宅したお父様にまたまた呼び出しをくらってしまったのだ。







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