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裏声金魚に導かれし冒険譚  作者: 南波 由花
王命
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ゲイエスVS巨大ダンゴムシ

地下墓地を進み、今度は巨大なダンゴムシに遭遇しました!倒せるかな?

地下墓地を進むと、今度は巨大なダンゴムシが現れた。


その長さはゲイエスの二倍、太さは石戸神社の神木ほどである。


本当になんでも巨大化しているのだな、とゲイエスは変なところで感心した。


「今度こそ俺が活躍するぜ!」


「馬鹿言え。またそういって見当違いなところに攻撃するくせに。活躍するのはこの、ハレイ様に決まってるだろ」


蜘蛛を倒すときはタツミに戦果を奪われたが、今度こそは、とヴォールとハレイが競り合っている。このままだとダンゴムシそっちのけで二人が戦闘を始めてしまいそうだ。


「待ちやれ、二人とも。のう、ゲイエスよ」


「はい?」


そんな二人を止めたのはユベーシだった。彼女は腕を組み、難しい顔をしてゲイエスを見上げる。


「そなた、一度も剣を抜いておらぬの。何故なにゆえじゃ?」


ユベーシに問われ、ゲイエスは持っていた長剣を眺めた。ずっしりと重いそれは、城でもらったもので柄にはサイヴァッタの紋章が刻まれている。つまりこの剣は、騎士団の備品である。


「何故じゃも何も、抜く前に倒されてしまうからですが…」


サイヴァッタに着くまではハレイとヴォールが。さっきはタツミが一撃で魔物を倒した。


苦笑して言うと、ユベーシは情けない、とため息をついて肩をすくめた。


「男子たるもの、もっと自ら進んで立つべきであろう!さあ、け、ゲイエス」


「え?えぇー?!」


ハレイとヴォールを下がらせ、人差し指を巨大なダンゴムシに向けていうユベーシは、一人で立ち向かえと言っているのだ。


有無を言わさぬ眼力を向けられ、ゲイエスは慌てて剣を抜いた。


真剣を扱うのは初めてだ。


部活で使う竹刀とは違う、刀身のずっしりとした重みに前のめりになる。


「剣の扱い方なぞ、どれも同じじゃ。それ、腰を落とせ。脇を締めよ」


言われる通り、へっぴり腰を直し、空いていた脇をしめる。


「さあ、け!」


剣を振り下ろすが、しかし。ダンゴムシは素早く丸まり、その外殻に剣は阻まれ、硬い音を地下墓地内に響かせた。


「か…ったい…」


振動が刃から伝わり、肩まで震え、しびれる。


「外側は硬いですが、内側は柔らかいですよ。助太刀します」


タツミが槍を突き上げ、ダンゴムシの柔らかい腹部を晒す。


「さあ、一息ひといきに!」


タツミに促されるがまま、ゲイエスは長剣をその腹部に突き立て、一気に横に薙ぐ。


硬い外殻とは違い、柔らかなそこを切り裂かれ、あっという間にダンゴムシは砂塵と化して消えてしまった。


「お見事にございます」


タツミの言葉にゲイエスは荒い息を吐きながら剣についたダンゴムシの体液を振り払い、鞘に収める。


初めて魔物を倒したその感覚が生々しく手に残っていて、手を握ったり開いたりする。


「まぁ、手を貸してもらったが、やればできるではないか。あのキンとやらによれば、いずれそなたは魔王を倒すことになるのじゃ、そなたも積極的に研鑽を積むべきじゃ」


「は、はい…」


何故か突然鬼コーチと化したユベーシに、ゲイエスは返事を返すことしかできない。

直感が、反抗をするなと警告してくる。


「さ、もう直ぐですから、行きましょう」


タツミがその場の雰囲気を変えるように明るい声で言った。



あんまり魔物でも元々は普通の生き物で。

あんまり切ったり何だりは書きたくないなーという気持ちが正直あります。


全年齢設定にしているし、そこはグロくならないよう気をつけます。


次回はようやく亜弥瑪が安置されているところに到着しますが、タダで手に入るものではありません。


亜弥瑪を手に入れるための条件とは…??

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