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ターニングポイント  作者: ばすてと
2/6

《空色、いい気持ちです。》

九十九「ホットココアかぁ。」

自分には、コーヒーを買うつもりだったが、ココアの温もりに、心が揺らぐ。



ふと、主人公

(ナギサ)九十九(ツクモ)が、空を仰ぐ。



九十九『おっと、また、貴方ですか。先程、申し上げましたが、僕への干渉は程々に、お願いします。


同じ超能力者として引かれるのは、わかりますがね。』



『まあ、いいでしょう。貴方にも、経験があると観ます。不意に、買いたい物が変わり、思考の渦にのまれる。そんな時の、判断基準は、何なのか。』




『まさに、ターニングポイント』




『初志貫徹、コーヒーか、今、直感が働いた、ココアか。いや、直感ではなく、迷いで、この思考こそが、直感が誘発したものか?』



『さて、真実は、どれか。



答えは、



言うまでもありませんね。貴方は、既に知っているのだから。』


『忘れてしまいましたか?では、思い出すまで、お付き合いしましょう。』





と、九十九は、ココアを2本購入し、校舎1階の購買部を後にした。




同じ校舎の3階、1-Aと記された教室。

ホームルーム10分前。大分、生徒が揃ってきた。



まだ、知りあって2週間ほど、まだまだ空気が堅い。



九十九の目線の先にいる女子、神野(カンノ)涼子(リョウコ)。2本持つ、ココアの一本の、行き先だ。



朝は、大概、九十九が一番、神野が二番であり、会話をするようになった様子。

涼子は、明るく爽やかな、ショートヘアの似合う女子生徒。



不意に、九十九が振り返り、肩越しから話す。



九十九『おっと、説明は僕からしましょう。涼子、さっきも、言いましたが、

近未来の、僕の彼女です。


そして、涼子の机で、グループになってるのは、


赤坂(アカサカ)明奈(アキナ)

皆木(ミナキ)(カオリ)

3人共に、明智第一中の出身との事、以上』




九十九は視線を戻すと、涼子の席に近づき、机に、ココアをおく。

九十九「はい、ホット」




涼子「わっ、早、サンキュー」

明奈「えー、いいなー。明奈分は?」



皆木「図々しいわね、明奈。その左手にある、もう一本の、ココア。私の為に、でしょ?渚君」



九十九「いや、違うし。」

『何故、そうなる?』



明奈「じゃあ、やっぱり、明奈の分だ。」



九十九「いや、僕のだ。」



皆木「恥ずかしがり屋さんね、渚君。ココアを渡し位じゃ、噂にもならない。

だから、本心に逆らわず、ココアを、私に渡しなさい。」



九十九『皆木香、くっ、キャラが濃すぎるだろ、嫌いな乗りではないが。

いや、むしろ好きだ。』



涼子「九十九君が、困ってるじゃない、二人とも、やめなよ。」

皆木「その申し出を、受理します。」



明奈「う〜、わかった、けど、なんで、そもそも、ナギーは、リョウちんの、

ココアを買いにいったの?」



九十九『ナギーは、辞めて欲しい。』

九十九「それは、神野さんの、下、」



*キーイン、九十九が片目を閉じる。世界の色が、反転する。



『それは、神野さんの、下着を見てしまった為で、やむなく、買いにいかされたのだ。』



涼子『わっわ、何で、言っちゃうかなぁ。なんか、ヤダ。』



明奈と皆木が、白けた視線を向ける。

明奈『ふーん。』

皆木『減点ですね。』



九十九「なんだ、嫌な感じだ、この道は、不安を感じる。

『貴方は、どう思います。』



「虫の知らせ、素直に従うべきか。気にせず、進むか?」



「先の、コーヒーか、ココアの選択に似ています。日常は、こんな積み重ねで、出来ている。」



「僕の選ぶのは。」

世界が戻る。



九十九「それは、神野さんの、下・・・」


涼子「わっわ、」

九十九は涼子の前に、手をだしストップのジェスチャー。




九十九「神野さんの、下を通ったとき、ベランダから、頼まれただけだ。

1階の渡り廊下を、歩いていた、僕を見つけた、神野さんは、中々の幸運だ。」



明奈「ナギーは、パシらされたんだ。」



九十九「いや、声が聞こえて、上をみたら、校舎に挟まれた、空の色と、桜の色が、中々でね、気付かせてくれた、お礼。」




明奈「お〜、ナギーがそこまで感動する景色、明奈も見たい。」



皆木「右に同意。」



涼子『九十九君、サンキュー。下着見られたって、なんか、恥ずかしいから。』




「キーン、コーン、カーン、コーン。」

予鈴の鐘が鳴る。



涼子「先生きちゃうね、休み時間に、皆で見に行こうよ。九十九君と同じ空をね。」



皆木「その申し出を、受理します。」

明奈「へへ、楽しみなのだ。」

九十九「その案内、引き受けよう。」


九十九『やば、皆木の口調が、写った。』




教室のドアが開き、担任きた。

担任「予鈴、鳴ってるぞ、席に着け。」



生徒達「ハーイ」

わらわらと、自席に戻る、生徒達。



九十九『教室の一番後ろ中央、僕の席から、空は見えにくいが、心は、空色です。』




『実は、空をみたのは、貴方のおかげです。貴方に、気付いたあの時です。』

『ありがとう。』




担任「渚、渚九十九、返事をしないか。」



九十九『おっと、いけない。では、また、貴方とは、次の機会に。』



九十九「ハイ、すみません。」


担任「五月病には、早いぞ、渚。」

九十九「まだ、四月ですね。」



生徒達の、笑い声が響いた。

明一中トリオも、笑っている。





⁇『・・・』

一人を除いては。




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