《桜色⁈渚九十九です。》
超能力。
⁇「人知を超えた力、科学では、なし得ない力。」
⁇「そんな、誰もが知っていて、誰もが使えないであろう、力。」
⁇「でも、チョットだけ、自分を、超能力者かも。」
⁇「なんて、考えたり、思ったり、感じた事、僕もありますから。
あなたも、安心して下さい。」
女性の声「九十九君、おはよ。ベランダ、寒くない?ドア閉めるよ。」
春の朝、新しい学舎で、九十九と呼ばれる男子学生。
九十九「そう、僕は、九十九です。
貴方の心に、聞こえた声。貴方の頭に、浮かんだシルエット。
超能力者の、渚九十九です、以後、お見知りおきを。」
九十九「ちなみに今、僕を呼んだクラスの女子。近々、彼女になります。
名前は、神野涼子です。ついでに、よろしくお願いします。」
涼子「なにを、よろしくなの!」
突然、耳元に声が近づいた。
九十九『さすがは近未来の彼女、僕に気づかれずに、ここまで接近するとは、素晴らしい。』
涼子「教室冷えるから、閉めるからね。朝一から一人で、ベランダでなにしてるの?
なにやら、ブツブツ言って、九十九君って、ヤバイ人ですか。」
ニタニタしながら、見上げてくる。
涼子であった。
九十九「ヤバイとは、失敬な。
4月中旬、新しい学舎から、桜の中、通ってくる輩を、眺めてるだけだ。」
『貴方と、超能力の話をしていた事は、ご内密に。』
涼子「えー朝っぱらから、人間観察って、九十九君、やっぱりヤバーイ。」
そういって、涼子は九十九に色々なレッテルをはる。
涼子「それで、それで、面白い人はどこですかー?。」
そして九十九を、そっちのけで、涼子がベランダから身を乗り出す。
*キーィン:九十九が、耳鳴りと共に、片目を閉じると、世界の色が、反転する。
『強烈な風に、髪がなびき、バランスを崩す涼子。落下こそしないが、腕がくずれ、あごを強打する。』
この、ビジョンを九十九は、見ていた。
世界が、通常空間に戻る。
九十九「危ない!神野さん!」
『そう、僕はまだ、涼子を名前では呼ばない。どいでもいいって?世の中、どうでもいい事等ない。』
『このタイミングなら、涼子を名前で呼ぶことに、違和感は少ない。
神野さんから、涼子さんと、変える。一つの、ターニングポイントだ。』
『世の中は、このターニングポイントの連続と、積み重ね。
貴方も、ご存じだった、ハズです。忘れてましたね。』
不意に、世界の色がもどる。
そして、涼子が、声に反応する。
涼子「え?何が?」
涼子は、乗り出した身を戻す。そこへ、桜吹雪きと共に、一陣の風が舞う。
涼子「きゃ!」
桜吹雪きは、涼子のスカートを、イタズラするのであった。
九十九『あっ、桜色。中々のセンスだ。ふぅ〜怪我をしないで良かった。』
と、涼子を見る九十九。
視線に、気付いた涼子
涼子「うぅ〜、九十九君、見たぁ?」
九十九「チラッと、」
思わず、真顔で答えてしまった。
涼子:肩を、ガックと落としたリアクション。、
「見えなかったって、言ってよぉ。もう、ジュース、おごりだからね。」
九十九『⁈』
『怪我を、しないよう助けたのに、ジュースを請求されるとは!超能力者とは、理不尽な目にあう。
僕は、無実だ。
くっ、僕の能力を知る、貴方の声が、涼子に届くのであれば、僕の無実を、説明してくれ。
いや、超能力者の貴方の声なら、涼子に届く。絶対、届く。
九十九は、渚は、助けたんだよ。っと』
涼子「でも、すごい風だったね。九十九君が、声をかけてくれなかったら、ベランダから、落ちてかもね。」
九十九:『ありがとう』
涼子「なんて、大袈裟かな、でも、ジュースは、よろしく。あぁ〜、体、冷えちゃった。ホットココアで、いいよ。」
涼子は、そう言いながら、教室へ戻り、集まり始めたクラスメイトの輪に
入っていた。
僕は、購買部へと向かう。
『ジュースの、未来は、変えられないか。まあ、未来の彼女、怪我を救えた。良しとするか。』
『貴方にも、感謝します。でも、僕の人生、覗くのは、ほどほどに。では、またの機会に会いましょう。』
4月中旬、新しい学舎、桜色が焼き付く季節。
超能力者の僕と、超能力者の貴方、物語りは、続く。