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地球人

「これどうしますか?」


麗亜が尋ねた。

そこはレーガンの研究室。

青山を除いた全員がそこにはいた。

青山はショックで寝込んでいたのだ。


「私はとりあえず保留かな。緑の罠かもしれない」


フェオドラの慎重論。


「俺はどうにかして連絡を取りたい。イレギュラーがあっても、神の力があればなんとかなるだろ?」


「真ちゃん……たぶん無理です」


麗亜が真面目な声でそう言った。


「どういうことだ麗亜!」


フェオドラが声を張り上げる。


「やっぱり……そうなんですね」


イングリッドの声。


「おかしいおかしいと思ってたんですよねー。前の周までの私たちも神の力を得た。なのに負けてるんですね……」


「ええ。イングリッドちゃん。神の力じゃ勝てないってことなのです」


「でも麗亜ちゃんは慌ててないよね?」


「ええ。どんなに強い相手でも必ず攻略の余地はあるはず……前の周との差異にヒントがあるはずです」


「前の周の俺らとの違い?麗亜が存在するのが最大の違いだよな?」


後はなんだろう?そう真は思った。

思いつかない。


「それもありますが……恐らくエンジニアの人数ではないかと」


殺人しか知らなかった真は、仲間たちとの出会いによって今では簡単な電気工事や低レベルのプログラムならこなせる。

そして神の力を得た今では、全知の力を持って真理と言うデータベースにアクセスすることができる。

ただし、本人がその情報を理解できるかどうかは別の話だが。

赤口の専門は前世では法律。

だがフェオドラは魔法技術の専門家だ。

青山は本来は物理系……だが独力でライフルを開発している。

そして麗亜は存在そのものが情報技術である。


そうだ。

前の周までの彼らには生産技術は無かった。


「確かに我々の地球人に対するアドバンテージは魔法です。でもそれでは勝てません。でも彼らの技術と魔法を合わせたら?」


「というと?」


「今まで誰も持ち込まなかった技術で戦うのです。それには科学を深く理解しているエンジニアが必要です。彼らを受け入れましょう」


「私はお兄ちゃんがしたいことならどんな手(物理)を使っても実現させるよ」


唯一技術職ではないため黙っていた一番怖い女がそう言った。


「俺は彼らと連絡を取りたい」


「わかった真。そこまで言うなら反対しないよ。んじゃ麗亜お願い」


麗亜はAR(拡張現実)コンソールから何かを入力する。


「うーん。次元を渡ってくるんだから亜空間とかからの通信ですよね。SFとかだとほぼ光速で航行してるはずですので、数光年分の距離が離れていると仮定すると……そもそも空間を越える電波って……まあその辺は考えないでとりあえず普通の周波数とチャンネルで送ってみます」


そのままコンソールからアプリを起動。

マイクの画像がARコンソール上に浮かぶ。


「うん。回線開きました。とりあえずアプリで音声通信が可能です。ということでフェオドラ姉さま、呼びかけお願いします」


フェオドラは無言で頷き通信を開始する。


「地球の友よ! こちらは魔法使い組合の理事長、フェオドラだ。貴公らの件について全権を委任されている」


数秒の沈黙のあとに雑音混じりの音声が返ってくる。


「こちらは……人類統一連合……ザザッ……日本語が通じるのか……それになぜ地球を知っている?」


「貴公らの世界の人間。赤口陽介、桃井鏡花、青山匠、そして緑真からの情報である」


紛れもなく本人であるのだがそこはぼかした。


「……ちょっと待て……赤口、青山、桃井……それに緑真……まさか戦隊の……生きてたのか!」


「ああ、ここにいる」


「ぜひ彼らに伝えて欲しい! ザザッ……私は人類統一連合代表の出川大輔。彼らの友人だ。ディーノと言えばわかるはずだ!」


「……え? お前ディーノ? マジで?」


フェオドラはポカーンとした顔でそう言った。

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