非常事態宣言
「今日、内閣総理大臣……による非常事態宣言が宣言されました。これは警察法に基づく緊急事態の布告で……事実上の憲法の停止……」
テレビで非常事態宣言の説明がなされている。
ブルー達の会見、それは政府を悪の組織と宣言するにも等しかった。
すぐに内閣は非常事態宣言を布告し、憲法をはじめとした各種法律が停止された。
基本的人権は停止され、国家の三権の権能は委譲された。
もちろん異常な事態であり、違法そのもの暴挙であった。
戒厳令という制度であれば、軍に権能が委譲される。
だが日本には戒厳令に相当する法律はないし、自衛隊は軍ではなく行政の一機関であった。
では、この場合、委譲された先とは?
生中継されている政府の会見場に一人の男が登場した。
それは緑であった。
男の名前は緑深桜。
どこまでも特徴のない緑一族特有の顔。
年齢は20代にも30代にも見える。
だが、他の緑とは違って男であることだけはわかる。
そんな男がニヤニヤと嫌な笑みを浮かべながら口を開けた。
「皆さん! 今からこの国は我々緑のものになりました! いやあ良かったですねえ!
もう国民の皆様は何も考えなくて良くなりましたよぉッ!
さて、皆様にお知らせです。
つい先ほど我々緑は緑に歯向かう悪の組織、『公益財団法人ブルー研究所』を襲撃することにいたしました。
はい。もちろん作戦の目的は皆殺しです。
はい。繰り返します。皆殺しです。
過去の青全てを皆殺しです。
もちろんその程度ではすみません。
一族皆殺しです。
それとXX拘置所。
レッドを殺した……との容疑で有罪判決を受けて控訴した黄生桜さん。
邪魔なので死んでもらいました。
それと同じところにいた犯罪者の皆さん。ついでに死んでもらいました。
緑の世の中には要りません。
いやあ犯罪者に掛けるコストが減って良かったですねえ。
あ、それと看守の皆さん。
はい。人生からリストラさせていただきました。
看守だけ生かすというのも難しいですからね。
皆さんも命が惜しかったら、大人しく言うこと聞いてくださいねぇ」
とんでもない発言だった。人権思想などそこにはない。
「あー、文句があるなら、武器そろえて国会に殴りこんでください。
マスコミでも過激派でも宗教団体でも他の国でもいいですよ。
ただ命の保障はしませんよ。デモの自由も認めません。
逆らったら一族皆殺しだと思ってくださいねー」
緑は人としての在り方を否定された集団。
人権の概念や教育も受けていない。
そんな集団が他人の人権などを考えるわけがなかった。
いやそんな概念など知らなかったのだ。
この国は暗黒の時代を迎えようとしていた。
ついさっき帰って来ました……
書いてる暇がない。
書き溜めは次回分までなので、至急書ければ書く感じで……
一応、プロット自体は次章分まではできてます。
※台詞が抜けまくってたので直しました。




