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フェオドラ

血に染まった真が街に向かい声を上げる。


「三人は片付けた! 門を開けろ。 俺は街道に倒れてた女性に学園の危機を知らせるよう頼まれた!」


しばらくしてガタガタガタと大きな音がして門が開く。

槍を持った男が出てくる。

血まみれの真を見て目をそらす。真と麗亜に対する恐怖を隠そうともしていない。


真はそんな反応を無視して問いかける。


「学園っていうのはどこだ?」


「が、学園はここです」


これで約束を果たせるだろう。


「そうか。怪我人がいる。麗亜!」


麗亜がバッグを開け。何かを取り出そうとする。真も手伝う。

それは毛布に包まれた女性。


「なッ! なんですかそれ!」


「あのバックのことは俺にもわからん。 で、頼んだのこの人なんだが……」


「ゆ、ユニス! 大変だ! 医者を!」



女性を部屋に運び込んだ真と麗亜は、井戸を借りて血を落とし、着替えをし、応接室に通される。

真も麗亜も着替えを持っていなかったので学園で借りた。

途中、女の子用の着替えを渡され、キレたのはお約束だ。

麗亜が嘗め回すような目つきで一緒に着替えをしようとしたのも。


「はーい、 お姉ちゃんと一緒にお着替えしましょうねえ。 ぬぎぬぎしましょうねえー。 げへへへへ。 かわいいかわいいフリフリフリルのたくさん着いたドレス着ましょうねぇ。 あれ? 真ちゃん?なに拳骨握ってふりかぶってるんですか? ぴぎゃああああああああああああッ!」


応接間には大量の本。

天井には蛍光灯はない。

ハリケーンランプのようなものが部屋の隅に掛けてある


「ホントに異世界なんだな」


「ですねぇ。 電子機器なかまもいないみたいですね。ソファは凄くいいものですけど」


その時、ガチャっという音がして応接室のドアが開いた


「いやあ、待たせてすまない。 」


二十歳くらいの若い女性が入ってきた。


女性はにっこり笑う。


――知的な女性なのにけしからん巨乳だと……


真は胸から目が離せない。

麗亜が男ってこういうとこが嫌よねと言わんばかりに、ため息をつく。

そんな二人を見てクスクスと笑いながら女性が口を開く。


「私が学園長のフェオドラ・ドゥーム女伯爵だ。うちの若いものが世話になったようだな」


――うちの若いもの? ヤ○ザ?ヤク○なん?


真はとりあえず○クザだったら嫌だなと思いながらことの経緯を説明する。


・女性に「何かが来る」って言われた

・三人始末してその中の一人は生きてる


つまり何もわかっていない。ということを伝える。


「で、彼女の容態は……?」


真は恐る恐る聞く。死なれると後味が悪い。


「まだ予断を許さないが……助かるだろう……」


「そうですか……」


重い空気が少しだけ軽くなったような気がした。

学園長は話を続ける。


「賊は何者かわからない。 この辺のオークが人を襲うなんてないはずなんだ……」


「うまくやっていたんですか?」


「ああ、オークの村とは交易をしているよ。それにオークはあんなに凶悪じゃないし人には化けない」


「つまり何者かわからない……と? 襲われる理由はわかりますか?」


「ああ、わかっているよ。 私の命だろうね……少し説明が難しいんだ……」


「ところで、こちらは名乗ったけど君たちは何者かな? 魔法なしで怪物を圧倒するなんてとんでもない使い手じゃないか。 名のある戦士と御見受けしたが?」


真はあわてて、ソファから立ち上がり、頭を下げる。


「失礼しました。俺、いや僕じゃなくて私・・・? いや自分は緑真です。 こちらは黒沢麗亜」


真の名前を聞いて女性が目を見開く。


「緑……もしかして君は……緑の一族なのか? しかも真だって……」


心から驚いたような声を出す。


「顔が全然違うけど、君は特撮戦隊……のグリーン。緑真だよね?」


「なぜ、それを? あんた誰なんだ!」


「私は……」


第二章へ続く。

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