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女性

血と筋肉とバイクとメタルのマノウォーライクな世界。

それを人はガチファンタジーと呼ぶ。

出てくるキャラは男女共にガチムチだらけ。

もっこりパンツを強調した筋肉ダルマ。

裸同然のエロイ格好をした姉ちゃん。

つい最近までは風邪引いて死ぬ人が多かったし、

アナボリックステロイドの発見は1955年だというのに。


――真の日記より



水と武器を確保し、真は人里を目指すことを決意した。

麗亜のサーチによるとスタート地点から七キロほど先に人の反応がたくさんあるという。


「ん」


麗亜が手を差し出す。

手をつなげという意味なのだろう。


「かしこまりましたお嬢様。仰せの通りに」


手をとる。


「うむ。よきにはからえ」


満足そうに微笑む。

全くのノープラン。目的のない旅。


緑の一族から開放され、これからの未来に期待を寄せている真がそこにはいた。


少し歩くと街道が見える。アスファルトではない。

どこまでも続く道、道の先には地平線が見える。

二人は手をつなぎながら歩いていく。


そんな緩い空間は唐突に終わった。


「何者かがいます。数は一体……?かと思われます」


麗亜が口を開きそして手を離した。

風が吹き、真はその風の匂いに生臭いものが混じっていることに気がつく。


街道の脇に人が倒れている。


「あの人……死にかけているようです」


生臭い匂いに嫌な顔もせずに真は近づいていく。

若い女性だった。真とそう年は変わらないだろう。

皮鎧を着込んだ女性は酷い有様だった。 

鎧はズタズタに引き裂かれあちこちから血が流れている。

顔色は青白い。

目を開けながらぶつぶつと何かをつぶやいている。


「奴らが迫っている……学園に……知らせねば……ヨシュア……おねがい……」


怪我のせいで意識が飛んでいるのか。真をヨシュアという人だと思っているようだ。

真は女性の手を握る。


「大丈夫だ。絶対に守ってやる」


「あ…り…が……とう……愛……して……る……」


そう言って女性は意識を失った。


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