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病弱従姉妹と浮気をする婚約者を成敗したら空を飛ぶことになったドローン令嬢の話

作者: 山田 勝
掲載日:2026/06/14

「ヴェレリー、従姉妹が病気なんだ。今日のデートは中止な」


「そ、そんな。ダヴィンチ様、楽しみにしておりましたのに・・・」

「ああ?大事な従姉妹だ。やましい気持を持つから嫌がるのだ!」


 ダヴィンチ様に怒られた。もう、何回目かしら。


「なら、せめて、私も一緒に看病をしたいですわ」


「くどい、キャサリンは人見知りなのだ!絶対に絶対に来るなよ」



 グスン、グスンですわ。

 下を向いて市場を歩いていたら・・・・


「キャア、ごめんなさい」


 人とぶつかりそうになった。


 あら、頭髪がピンクの令嬢?・・・



「グーシシシシィ、足下をしっかり見るご令嬢様じゃーないですか?」

「申訳ございませんわ」



 眼がチカチカするぐらいのピンクブロンドの令嬢に声をかけられた。


「あたしはリディアじゃない?これも何かの縁じゃーない。悩みを聞くじゃない」

「はい、実は・・」


 誰かに話を聞いて欲しかったのかも知れない。


「市場で店をしているじゃーない?閑古鳥が鳴いていたらカモ・・・客を探していたじゃーない?店に来るじゃーない?」

 店に行き。私は婚約者が不実な行動をしている常況を話した。店の看板は「異世界商店」だわ・・・


リディア様はアドバイスをしてくれたわ。


「・・・簡単じゃーないですか?婚約者が見に来てはいけないというのなら。ドローンに見に行かせればいいじゃない?」


「どろーん?」



 奇妙な魔道具を見せてもらった。


「羽がついていますわ・・」

「空を飛び、婚約者の浮気を撮影するじゃない」

「おいくらなの?」

「金貨100枚じゃーない?」


「え、100枚・・・無理ですわ」

「なら、10枚でいいじゃない」

「まあ、10分の1に・・・何て誠実な方、か、買いますわ」


 買って屋敷に戻ったら、メイドのケリーに呆れられた。


「お嬢様、前から言おうと思ったのですが、騙されやすくありませんか?10分の1ってあり得ません。元々その値段では?それに従姉妹が病気だなんて、今時、恋愛小説でもありませんよ・・」


「そうかしら・・・」


 試しに説明書を見ながら飛ばした。


「ヒィ、本当に飛んだわ。画面に景色が映っているわ・・・」

「姉上、それ、やりたい」

「カール・・・後でね」



 弟が飛びついてきた。

 王都上空を飛ばすと、子供達が追いかけて来る。皆男の子だ。



「うわー、何だ。あれ」

「欲しー」


 男の子ってこういうの好きなのかしら・・・・


 ドローンはダヴィンチ様の屋敷にまで到着した。


 そう言えば、ダヴィンチ様のお部屋って・・・・


 二階だったわね。

 カーテンの隙間からのぞくと・・・・



「ダヴィンチ様~~!」

「キャサリーーーーン!」



 あら、二人はベッドの中で抱き合っているわね・・・・暖め合っているのかしら。



「ねえ。ケリー、これは何をしているのかしら・・・」

「お、お嬢様、これは、アッフンウッフンですよ!浮気です!」

「ええ、では、録画・・と」



 そう言えば、性教育はまだだった。


 結局、ダヴィンチ様のご両親と私の両親と従姉妹のキャサリン様の7人で見た。



『ダヴィンチ様~~!』

『キャサリーーーーン!』



 もうね。ダヴィンチ様のお母様は口に手を当ててアワワしている。お父様は・・・


「ダヴィンチ!けしからん!何の因果律で息子の性行為を見なければならないのだ!」


「ゴホン」


 お父様が抗議してくれたわ。


「ヘンリ伯爵・・・浮気によるダヴィンチ君有責の婚約撤回で宜しいですね」


「・・・申訳ない・・・」




 私はたっぷりと違約金をもらった。


 また、異世界商店に行って弟にドローンを買ってあげたわ。


「ワーイ!ワーイ!」

「感心な弟様じゃーないですか?」



 リディア様は大喜びだ。


「グヘへへへ、お嬢様、良い商品があるのじゃーない。魔道掃除機があるじゃーない?」


「それは・・・」


 るんばという魔道具を買い。ケリーに預けた。



「ヒィ、これ、動きますよ」

「ケリー、上に乗ってはいけないみたいだわ」



 しかし、思わぬ自体が生じた。


 貴公子達の間でどろーんブームが起きたのだ。



 各地で悪戯被害が生じたわ。


「な、何だ。騎士団駐屯地の上に謎の飛行物体が?」

「撃て!」



「キャア、着替えをしようとしていたら窓に変な魔道機械が張り付いていますわ!・・・」

「お嬢様、奥に下がって下さい!」



 たまらず弟に注意した。


「カール、変なことしてないわよね」

「僕は風景を撮っているよ」

「見せなさい」

「やだよ」


「お姉様に見せられないものなの?」


「ち、違うよ!」

「ケリー、ハンス、抑えて」


「「畏まりました」」



 無理矢理録画したものを見たが・・・



『カール様、ごきげんよう』

『メリー・・・今日も素敵だよ』



 婚約者のメリー様が頭に花の冠を被ってスカートを少し上げてチョコンとカーテシーをしているのを上空から撮っているわね・・・・可愛らしいわね。・・・可愛く撮っていやがる。


「カール、何故、いたづらをしないの?」

「し、しないよ!」


 カールが犯人ではないとしたらラチが空かないわね。

 無駄に正義に目覚めた私はリディア様に相談した。


 やはり売り先は商人の義務として明かせないようだ。



「グシシシシ、ドローン妨害技術は軍事なので・・・まだ市場にでないじゃーない?でも、良い方法あるじゃない?お値段はるじゃーない?」



「分かったか。お願いしますわ」


 私は巨大ドローンを買った。

 人が乗れるものだ。



 リディア様のスキルはあまぞんなる通信販売らしい・・・


 ドローンに乗って悪戯をするどろーんを追った。



「甘いですわ!」


 巨大ドローンで体当たりをしたり。あまぞんで召喚してもらったパチンコや、弓矢でどろーんを打ち落とした。


 不適切使用のどろーん狩りを始めたら。



 私はどろーん狩り令嬢として名をはせた釣書が来るようになった。これは何故そうなったのかは分からない。


後で知ったことだが、その頃、ダヴィンチ様も異世界商店にどろーんを求めにやってきたそうだ。



「おい、俺にもどろーんなる物を売れ!」

「キャア、お客様じゃーないですか?いいじゃーないですか?」


「いいか、最新のどろーんを売れ」

「これじゃーないですか?ウクライナで使われた最新のどろーんじゃないですか?爆薬はないじゃーないですか?」


「いいから!録画機能付だ!」

「金貨30枚じゃーないですか?」



 畜生!あれから俺は女神信仰圏で初めての男優との評判が広まった。

 全てヴェレリーのせいだ。


 ヴェレリーもアッフンウッフンしているはずだ。恥ずかしい魔道映像を撮ってお前も浮気していたと証明してやる。


「説明書よく読むじゃーない。でないと・・・」

「分かったよ!」



 俺は使用人達に説明書を読ませて即日飛ばした。


 ヴ~~~ン!


 いいな。あれ?


「何でワイヤーがついているのだ?」


「ぼっちゃん。ワイヤーが・・・木に引っかかりました」

「ダヴィンチ様・・・・どろーんが王宮に向かっていますよ」


「な、何?制御、制御!」

「ワイヤー切れました・・・」

「あ、わかりました。これ、ワイヤーで詠唱を流す奴ですよ」


「今更、言うな!」




 ☆☆☆王宮浴場



「クリスティーナ王女殿下、湯浴みの用意できましたわ」

「フウ、最近、どろーんなるピーピング魔道具がでているから怖いですわ」

「大丈夫ですわ。王女殿下の裸体をのぞく者がいたとしたらよほどの大馬鹿者ですわね」


「キャア、天井にどろーんが!」







 ・・・・・・・・・・・・・・



「ヴェレリー、釣書ですわ」

「はい、お母様・・・・」



 あれからどろーん被害は収束を迎えたわ。


 何でも王宮にまでどろーんがやってきて、王国は早急に法規制を進めて飛ばして良いのは自分の屋敷だけになった。厳しい罰則も出来たわ。


 異世界商店は閉店になった。

 リディア様、今度は他の国で商売を始めるそうだ。


「ヴェレリー、後でこれを読みなさい」

「何ですの?」

「閨の作法です。心配です。貴女の年齢なら自然と耳に入ってくるはずですか・・・」


「まあ、お母様分かりましたわ・・・そう言えば、ダヴィンチ様は・・・」


 あのドローンで録画した光景が頭の中に浮かんで来た。



「・・・・さあ、貴族名簿から消えたわね・・・鉱山に働きに行くそうですわ」

「まあ、そうですの」


 思えば不思議な縁だ。ダヴィンチ様の浮気がなければリディア様に出会えなかったかもしれない。


 大空にダヴィンチ様の顔が浮かぶ。

 鉱山で立派に働いて欲しいですわ。



最後までお読み頂き有難うございました。

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