表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/26

ヴェールの向こうにある公平』



(舞台:喫茶リコリコのテラス。窓の外には夕暮れの街、机には「ロールズの正義論」の本)


ぼっち(もぞもぞしながら)

え、えっと……なんか最近、“格差”ってよくニュースでも出てきますけど……

努力してる人がたくさんもらえるのは……悪いことじゃない…ですよね…?


千里にこり

うん、それも間違ってないよ。

でもさ、ロールズって人はこう考えたんだ。

「もし、自分がどんな境遇で生まれるか“まったく分からない”としたら、

どんなルールの社会だったら安心できる?」って。


圭介(コーヒーを置きながら)

つまり、“無知のヴェール”ってやつだ。

生まれが金持ちか貧乏かも、頭がいいか悪いかも、一切知らない状態で、

社会のルールを選べって言われたら――どうする?


ぼっち(目を丸くして)

え!? 自分が……どんな立場になるか分からないんですか?

それ……こわ……


夏美(腕を組みながら)

でしょ?だからロールズは「じゃあ、最も不利な立場でも生きやすいルールにしようよ」って考えたのよ。

「いつ自分がその立場になるかわかんないんだからさ!」ってね。


千里(指を立てて)

だからね、「すべての人に基本的自由を!」「平等なスタートラインを!」「格差はあっても、それが弱い人のためになるならOK!」

この3つの原理を提唱したの。


ぼっち(メモを取りながら)

う、うんと……えっと、ひとつ目が「自由はみんな平等に」……?


圭介(補足)

ああ。たとえば、表現の自由とか投票権とか。これは最低限、全員に平等に保障されるべきだっていう原理だ。


夏美リズミカルに

で、二つ目が「公正な機会均等」ね。

“スタートラインはみんな同じ”にしておこうよ、って話。

「お金持ちの家に生まれたから勝ち」じゃ不公平だしね!


ぼっち(小声で)

それって……私みたいに何も持ってない人でも、

ちゃんとチャンスがあるってこと、かな……


千里(まっすぐ見つめて)

そういうこと! ひとりちゃんだって、ライブで緊張しても、

公平な舞台があれば“本番”に立てるでしょ?

それが「公正な機会」なんだよ。


圭介(真顔で)

で、三つ目が――「格差原理」。

要は、格差があってもいい。でも、その“富”が社会の一番困ってる人たちを助けるならな、って条件付きだ。


夏美(ぐっと握りこぶし)

富裕層がめっちゃ稼いでも、その一部が税金になって福祉に回って、

車椅子の人とかシングルマザーの人が助かるなら、それって“公正”ってわけ!


ぼっち(ぽつりと)

……なんか……“努力した人が報われる”と同時に、

“誰も取り残されない”って、すごく……いいなって思います……


千里(微笑む)

うん、それがロールズの「公正としての正義」。

ただの「平等」じゃない。

“違い”を活かして、でも“弱い人”をちゃんと支える――

現実的で、あったかい考え方だよね。


圭介(窓の外を見ながら)

まぁ現実はそんなにうまくはいかねぇけどな。

でも、“無知のヴェール”って発想が、人を利己心から引き離してくれる。

俺はそこが好きだな。


夏美(最後に笑って)

てことで、みんなで“無知のヴェール”ごっこしよっか!

自分がどんな人間か知らない状態で、「バンドメンバー選ぶなら誰?」って――


ぼっち(震えながら)

えっ、それ……怖すぎません……!?

……だ、だれも私を選ばなかったらどうしよう……っ!!


【幕】


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ