間奏:四十万浩二と恩師へのお礼
おまけ1:とある日の一月研究室 記録者:七中理一郎
深夜0時
まだ起きているらしい。一月のやべえ笑い声が聞こえてくる。怖くて俺達が眠れない
深夜1時
あいつなんかドリル持ち出してきた。おい、深夜だぞ。ご近所迷惑だろ。やめろって
深夜2時
うっへ。なんか周囲が血なまぐさい。どうやら机の上にある何かが原因らしい。ドリルで何したの?ねえ、ねえってば
深夜3時
机の上にはどうやら鉱石の影響で異常進化を遂げた魔獣の遺体が乗っているようだ。鉱石の影響で体表が石のように硬いからドリルでぶち破ったんだと・・・雨葉が聞いてきてくれた。ちなみに一月は雨葉が戻ってくる数分の間に眠りについたらしい
その魔獣に開けた穴の中に頭突っ込んで寝てる。キモい
朝4時
雨葉が本格的に動き出した。料理人の朝はこんなにも早いらしい
ちなみに俺は一睡も出来ていない。寝かせろ
朝5時
朝食のいい匂いがしてきた。今日は目玉焼きらしい
気分転換に、一月の部屋の端に併設されている鶏小屋を見に行ったら一羽いなくなっていた。
逃げたのかな
朝6時
顔を洗いに洗面台に行ったら血抜きなうの鶏がぶら下がっていた。朝から気分が最悪すぎる
朝7時
元気はないけどとりあえず食事は資本と信じて朝ご飯を食べる
洗面所の鶏が生んだ卵だと思うと・・・とたんに心が苦しくなった
朝8時
一月が起きて朝食を食べ始めた。頭血まみれで食事するとかこいつ頭いかれてるだろ
これは褒めてないからな
朝9時
やっと風呂に入ってくれる。雨葉が風呂に入れてくる間に、昼ご飯用の鶏の毛むしりを俺に頼んできた
・・・もうヤダ。寝かせて
朝10時
やっと自由時間と思ったのに、一月が小型ドリルで解剖の続きを始めやがった。うるさい
昼11時
お昼ごはんはどうやらチキンチャーハンらしい。メインは鶏だよな。雨葉から食えの威圧がやばい。食わなきゃ殺されそう
昼12時
チキンチャーハンありがとう。食い物に感謝。生き物に感謝(このページだけ滅茶苦茶滲んでいる)
昼13時
一月に付き合ってお昼の運動だ。足をおいっちにー、おいっちにー、よいしょー
あんよがじょうず。じょうずにしてみせるぜ。るるんがるん
昼14時
一月のお昼寝タイムだ。今日は俺も一緒に寝かせてもらう
けど一月ガチで寝相悪いからすぐに追い出された。腕力だけ妙に強いのなんなの・・・
昼15時
まともに昼寝はできなかった。起きたら雨葉が三時のおやつを用意してくれていた
卵と鶏のクッキーだ。こいつ悪意の固まりすぎない?嫌いになるわ
夕方16時
夕飯の買い出しを手伝えと言われ、三人で外出した。一月はほぼ本屋に居座っていただけだった
買い物は俺達の仕事ですか。そうですか
夕方17時
夕飯を作る雨葉を横に、俺と一月は鉱石に関する談義を重ねていた
専門職ではないが、話し相手ぐらいにはなれる。これも、所有物としての適材適所ってやつさ
夕方18時
雨葉が洗い物をしている間に、俺が一月を風呂に入れる
年頃のお嬢さんと一緒にお風呂って、ちょっと気まずいが・・・足が動かないから仕方ない
それにこいつ年頃の体格じゃない。ガキの体格だからそこまで気にすることもない
夕方19時
雨葉が寝る支度を整えて、三人並んでのんびり夜の時間を過ごす
今日は珍しく本を読んでくれとせがんできた
図鑑をどう読めというのだ。絵本だけど絵本じゃねえんだわこれ
夜20時
今日は疲れたと一月が布団に入る。俺達も揃って布団に入り、三人川の字で眠る
まるで親子みたいだね、と雨葉は言う
一応聞いておいた。俺がお父さんだよな?と。雨葉は返事をしてくれなかった
夜21時
布団に入ってもまだ眠れないようで、一月がもぞもぞし始める
うっとおしいので子守唄を雨葉と歌ったら凄い形相で睨まれた
夜22時
最終的に布団に入っても雑談ばかり。あっという間に時間がすぎる
雨葉はお母さん、理一郎はお父さん。一月はそう感じているらしい
お母さんは複雑そうにしょんぼりしていた。お父さんがよかったんだね、お母さんや
夜23時
やっと眠りについてくれる。
俺と雨葉の手を握って、子供らしくによによしながら眠る表情を見つつ、俺達も眠りについた
明日はもう少しのんびり出来たらいいなと願いつつ
おまけ2:一月博士の人造生霊講座
一月「人造生霊は、パージ鉱石と共に発生した精霊の力を用いて作られた存在らしいな」
一月「人造生霊は元を辿れば死体になった人間だ。それに精霊の力を作用させ、道具という媒体を用意して命を作り上げる」
一月「その仕様に関しては雨葉・・・天羽お兄さんも、理一郎も例外ではない」
一月「一応、二人の体液諸々を採取して検査をしてみたが、血液も何もかもが生きていた頃と相違のないものだったりする。生命エネルギーの供給方法が特殊になっただけで、彼らは食事も出来るし排泄も出来る。生きている人間とそのあたりは変わりがないのだよ」
一月「ただ、身体能力は強化されているし、媒体にした道具によってその動きも異なるという不思議な現象も見せている。今後も、楽しく観察することができそうだ」
一月「・・・寿命に関してはよくわからないが、エネルギーの供給源がなくなるまでは安泰だと僕は思う。そう、思っていたい」
おまけ3:雨葉のいたずら大作戦!
こんにちは。俺は黒笠天羽・・・改め、黒傘雨葉です
今、俺はとんでもないいたずらをしようとしているところだったりします
いっちゃんは変な癖があって、本やナンバリングをされたファイルを直す時「1・4・3・2・5」みたいな変な順番で並べる癖があります
これを・・・今日は「1・2・3・4・5」と普通に並べてみることにします!
当たり前のような気がするし、なんなら整頓しているだけのような気がしますが・・・まあいいでしょう
俺はさり気なく順番通りにファイルを並べてから、夕飯の準備に取り掛かっていく
料理が完成したら、文句を言ってくるんだろうなと思いながら・・・しばらく
夕飯を完成させて、いっちゃんと理一郎さんを呼びに行くと、ニコニコ顔のいっちゃんが俺を待ってくれていました
「雨葉」
「どうしました、博士」
「ファイル、僕好みに並べてくれていたらしいね。ありがとう。やっと君もあの順番の価値に気がついてくれたようで・・・」
「へ?」
「・・・順番に並んでいたから俺が並び替えておいた。お前が並び替えていたって言ったほうが嬉しがると思ってさ。ってどうした雨葉。膝から崩れ落ちて」
全てが水の泡になったことを悟り、俺は膝から崩れ落ちる
大作戦は大失敗
厚意でしてくれたことだから、文句の一つも言えなかった
同時に俺は一つの結論を出した
慣れないことはもうしないようにしようと
おまけは後日追加予定です




