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間奏:七里祈と黒魔術のグリモア

おまけ1:七里祈と早瀬冬夜

冬夜「祈さんは昔、早瀬教会に住んでいたんだ」

祈「七里になったのは、今の両親に引き取られてからね」

冬夜「ちなみに、晃さんはご近所に住んでいる一軒家のお兄さんかな」

冬夜「僕が小さい頃になるけれど、家族みんなで日曜のミサに訪れていたよね」

冬夜「祈さんも、昔は義父さんがうんざりするぐらい信仰心が高くて、積極的にお手伝いをしてくれていたって聞いたんだけど・・・」

冬夜「なんで二人はいま、教会の敷地内にすら入ろうとしないの?」

祈「こ、これには事情が・・・」

晃「やんごとなき事情が・・・」

冬夜「二人が来ると聞いたから、美味しいお菓子と紅茶、用意したんだけどな・・・」

祈「・・・ぐぬぬ」

晃「悔しい。悔しいよ。この厚意を得られない腐った身体が・・・!」

祈「ところで、いつまでこの茶番をしていたらいいのかしら?」

冬夜?「え?」

祈「冬夜は私のことをさん付けで呼ばない。今も昔も祈お姉ちゃんよ・・・貴方は誰!?」

冬夜「本物の早瀬冬夜です。もう二十歳になるのに、赤の他人である祈さんをお姉さん扱いするのは気恥ずかしいから。呼び方を変えただけだよ」

祈「・・・深読みしすぎた」


おまけ2:相良幸雪と幌宮松盛

幸雪「客演は俺たちらしい」

松盛「・・・俺、特殊能力者とかそういう類いの生物じゃないんですけど」

松盛「何なら夏彦先輩達が厄介事を持ってくるまでごく普通の人生だったんですけど」

幸雪「その厄介事、元を辿ればうちの拓真の弟(拓実)が主な原因なんだが・・・」

松盛「それにさぁ。なんで君みたいな人間とコンビでゲスト張らないと行けないわけ?」

幸雪「まあ、仕事関係で迷惑をかけている自覚はあるが。これも必要なことだからな。邪魔をして申し訳ない気持ちはあるが」

松盛「仕事のことはどうでもいい。僕にはお得意様(虎徹先輩)がいるからね。夏彦先輩の同僚の旦那みたいに、お前から廃業に追い込まれるような柔な仕事もしていない」

幸雪「雄大君が廃業したのは子供ができたからだろう。長い目で見て、安定しない仕事より安定した仕事の方がいいからと就職したと本人から聞いたのだが」

松盛「問題はお前の御主人様だよ!?なんであんな美人なの?俺はむさ苦しい男ばっかりなのに!」

幸雪「彼方だからな」

松盛「俺もあんな綺麗な御主人様がほしい」

幸雪「諦めろ・・・お前の主人は裏社会の首領だ、そういう運命なんだ」

松盛「しかも周りに侍らせているのはお前含めて顔面偏差値高い男ばかり!趣味か!?やっぱり世の中顔面なのか!?」

幸雪「趣味ではないし、冬夜と蛍以外が居着いたのは彼方も想定外だ。狂人度も高いけどな。特に巴衛。迷惑のかけ具合なら拓実を超えている」

松盛「美味しいところを持って行くのはいつもイケメンばかり!俺だって!俺だって財閥令嬢・・・!いや、総帥の椅子になりたいんだが!」

幸雪「なった記憶もないんだが・・・。いつでも俺たちは対等な関係を」

松盛「ただれた関係!?」

幸雪「た・い・と・うな関係だ。どうやったら聞き間違える。後、鼻血出ているぞ。これを使え」

松盛「ありがと」(鼻栓作成)

松盛「しかしさぁ」(鼻栓ツッコミ)

幸雪「なんだ?」

松盛「お前とお前の相方?夜だっけ?目の色以外滅茶苦茶そっくりだよね。双子じゃないらしいけど、君達ってもしかして同一人物かなにか?」

幸雪(・・・こういうところが専属顧客の有無以外の「生き残っている」力量なのかねぇ。探偵としての勘はしっかり備えているらしい)

幸雪「まあ、近い存在だな。同一人物じゃないが、君の答えは大分核心をついているぞ、幌宮松盛?」


おまけ3:とある日の聖さん


午前5時。今日は依頼があるので早めの出勤。黒魔術師は深夜が活動時間だというのに、こんな早朝から仕事とか冗談じゃない


午前6時。事務所に到着。移動は10時からだそうだ。早速晃がドジって調理中のフライパンに顔面をツッコんでいた。こいつ、死人じゃなくてもヤバいのでは?むしろ死人だからまだ取り返しがつくのでは?


午前7時。晃の顔面修復が完了した頃、祈からお茶に誘われた。朝からこうして落ち着ける時間があるのはいいことだ


午前8時。晃がお風呂掃除に挑もうとしたが、祈から全力で止められていた。祈曰く「これ以上のアフターケアは遅刻の原因」だそうだ。それもそうだな


午前9時。一応晃に家事をさせる理由を聞いてみた。どうやら目を離したらすぐに家事に取り組んでいるらしい。「やる気があると言うことはいいことよ」とはいうが、滅茶苦茶から回っていますよね、祈さんや


午前10時。三人で依頼人の元へ向かう。今日は電車で向かうらしい。駅弁を買いに行こうとした晃を祈が必死に止めていた。駅弁は、俺が先に買ってきた


午前11時。電車の中で晃が立ち上がろうとしたところを祈が抱きついて止めていた。周囲の視線に祈は照れていたが、その顔は滅茶苦茶必死だった。そうだな。絶対に転んでバラバラ死体になるもんな。止めないとな

・・・なんで連れてきたんだ?


午前12時。目的地まであともう少し。その前に昼ご飯を食べる事になった。晃は近くの屋台に興味津々だったが、祈がお堅い料亭に予約を入れていたのでそこで食事を摂った。水を取りに行ったり等のセルフサービスは皆無だった。会計終了後、祈は「わかっていたけれどやっぱり高い・・・ラーメン食べたい」とぼやいていた。完全に晃が余計な動きをさせないようにするためだけだったな。これ


午後1時。タクシーに乗って目的地へ向かう。運転手さんになぜか哀れみの目を向けられた。仕事だが、夫婦に付き添って出かけている話をしてしまったからだろうか。別に彼女がいなくて寂しいとかそういうわけじゃないし。羨ましいとか思ってないし。気まずいとか思わないし。強いて言うのならば、後部座席の足下にある出っ張りに足が引っかかったせいで妙な曲がり方をしている晃の足に気づかれないかヒヤヒヤしているかな


午後2時。目的地に到着。屋敷の主人が出迎えてくれた。あんな白髭生やした男いるんだな。ジ○ムおじさんかよ。ちなみに今日の依頼は「やつら」に関すること。晃を生き返らせる術を奴に吹き込んだ組織が絡んでいるらしい。気合い入れないとな


午後3時。相良と幌宮まで現れた。はは〜ん?俺たちだけじゃ不安ってか依頼人。祟るぞ


午後4時。祈は相良と揉めながら屋敷内で起きた殺人事件の調査に向かった。カーペットの上に血で描かれた魔法陣の上で首をはねられた三人の執事に関する調査だ。俺もついていったけれど、正直こいつらの口論に巻き込まれたくない。俺は晃と相良の付き添いできた弟分とのんびり四時のおやつへ洒落込みたい


午後5時。晩ご飯だとメイドが呼びに来てくれた。小腹も空いたし、晩ご飯にしたいところではあるのだが・・・祈と相良はカーペットについた血痕に夢中だ。帰りたい


午後6時。祈と相良を引っ張って晩ご飯に。そういえばいないなと思っていた幌宮はずっと屋敷の中をうろうろしながら、時々すれ違うメイドをナンパしていたらしい。おかげでメイド達の評価は二時間で最低以下。客人だというのにテーブルに並べられたのはカップ麺だった。お湯を求めても、誰もお湯を用意しないので弟分が見かねてポータブルポットでお湯を作ってくれていた。祈、お前の弟分は本当にあの「飲んだくれ神父」に育成されたのか?


午後7時。調査再開だ。元気も出たし、時刻は夜。黒魔術師としては本領を発揮できる時間帯だ。魔力探知もバッチリ反応。おや、新たな犠牲者が・・・


午後8時。遙か天井に位置するシャンデリアを軸に、メイド三人が吊るされて死んだ。これは予想通りだな。調査中の術式は見るからに未完成だったから。今回の執事三人とメイド三人の首なし死体で生け贄準備完了!で、魔術の発動準備ができたってわけだ


黒魔術の師匠である爺さんの書物でも見たことがない代物だが、晃が蘇生した魔法陣と類似性あり。位置関係からして、カーペットと天井の魔法陣は対になる代物だと考えられる。魔法陣の文字から見るに、この二対の魔法陣の効果は「生命生成」

魔術で命を作るという黒魔術でもなかなかの大罪を犯してくれるらしい。興味深い

しかし、この位置関係だと、二対の魔法陣は互いにリンクできない。間に何か・・・小型の中継魔法陣が必要だ

それがないと、二つの魔法陣は繋がらず魔術が発動できない。言ってしまえば「殺し損」状態になるわけだ

位置からして、シャンデリアかメイドに魔法陣を仕込めば魔術は問題なく発動するって見込みだ


残念ながら、現状メイド達を降ろす方法はないらしい。シャンデリアの真上に出入り口はあるが、シャンデリアの上に乗る必要があるらしい。古びたあれに乗るのはちょっとな・・・

室内にある掃除用の真新しい昇降機はなぜか壊れているし、あそこまで届く脚立はこの家にないそうだ

どう吊るしたかってところは今はいい。問題は魔術の発動のほうだ。深夜0時には準備が整い、生命生成の魔法陣が起動するだろう。

・・・シャンデリアやメイドの身体に何かしらの魔法陣が刻まれている様子はないし・・・犯人はどこに中継を仕込んでいるんだ?


午後9時。一通りの調査を終えた三人の探偵は見解を述べる。流石にこういう状況だ。協力はしてくれるらしい

相良の話だと、使用人は執事が3、メイドが6らしい。主人とその娘の11人で共に暮らしているそうだ。

主人と使用人の間柄ではあるが、関係は良好らしく家族のような間柄らしい

それから指輪をつけている使用人は娘の側付きらしい

そういえば、今回の被害者って全員娘の側付きだな。指輪つけてたし。


ちなみに、こうしてメイドや執事が死ぬのは今に始まったことではないらしい

怖くないのか?やめないのか?という質問に対しては「怖いけれど、行き場がここ以外にないから」と答えたそうだ

この家の使用人は全員身寄りのない人間で構成されている。家は山奥。逃げるには難易度が高く、逃げ延びたとしても生活は保証されない

・・・この家の娘がわざわざ逃亡先に「迎え」に来たこともあるようだ。だから使用人は逃げない。逃げられない


次に祈。魔法陣をよく見た彼女はあれが生命生成の魔法陣だと突き止めてくれていた。ただ、術式が足りないことを俺同様に疑問に持っていたな。けれどメイドの元には辿り着けないので、祈はどう吊るしたかに搾って調査をしてくれた


昇降機も脚立もない現状、シャンデリアの真上付近に行くのは天井の入口しかないのでそこへ向かったそうだ

安全面を考慮して晃が調査をしたらしい。成人男性でも問題なく通れる大きさのようだ

シャンデリアの金具はかなり劣化しており、サビやホコリがかなり付着するとのことだった

晃と祈の手や服は別行動する前とは大違いレベルで汚れていた。ここまで汚れていた人間は「いなかった」らしい。着替えた可能性も考慮して、ランドリーやゴミ捨て場も探したがなにもなし

首の切断面も確認できたので詳細を伝えてくれたが、魔力的な何かで切断された形跡があるそうだ。凶器は魔術で作成された代物。厄介だな


最後に幌宮。ナンパ中「貴方に触らせる肌などありません」と罵られたのが三回。その三人は指輪を右手薬指に嵌めていたらしい。

この家のメイドで指輪を嵌めていたのはその三人だけだそうだ。そういえば、死体も指輪を嵌めていたな

気になったので、天井を伝ってシャンデリアに到達したらしい。こいつ探偵じゃなくて怪盗だろ

相良が「そういえばこいつ、拓実の後輩だったな・・・」とぼやいていた。まあいい。後で詳細を聞こう


シャンデリアに到達した幌宮はサビだらけの右手をとり、指輪から「暴言込みだった三人」と確認した後、指輪をはずそうとしたらしい

ぴったりに仕立てられているそれを外すことはできなかったそうだ。

何か嫌な予感がしたらしいので死体から右手薬指を切り落とし、ここに三つ並べてくれた・・・こいつ、一般人でいいんだよな?倫理が俺たち並に死んでないか?

・・・あれ?つまり、そういうこと?マジで?


午後10時。指輪に中継魔法陣が仕込まれていた。主人と娘のどちらかが犯人だろうと見当をつけた直後、娘が俺たちが集まっていた部屋に突撃してくる。どうして私達の希望を奪う真似をしたの!?と問われた。犯人がボロを出してきた。祈も相良も幌宮もつまらなさそうな顔をしていた。こいつら証拠押さえて「犯人はお前だ!」とかしたかったんだろうな・・・。したかったのか?その歳(祈50代後半、幌宮・相良30前半)で?お前ら外見年齢相当(20代)の思考してない?ガキであらせられる?


午後11時。生命生成の魔法陣を使用した理由は「父親との子供が欲しかったから」らしい。娘は幼少期の行為が原因で子供ができない。父親はああ見えてまだ三十代らしいが、娘だけでなくメイドや執事に手を出す始末だそうだ。何だこの世紀末

娘は主人が孕ませて莫大な金銭と共に隠居したメイドを探し出し、容赦なく殺しに行っていたらしい

この家で主人のお手つきになった使用人も彼女が殺していたようだ

ここまでして父親との子供を望んだ理由は、子供がいたら自分も大切にされるかなって考えたかららしい

執事とメイドは自分の為に自ら命を差し出したそうだ。それを狂気を献身と呼ぶのはこの女だけだろう

つまりあの首なし死体は自殺体。ひえぇぇぇ・・・

もう少しまともな動機が欲しいねぇ・・・

でもまあ、これだけは言えるわ


何十人も殺した人間は、他人から大事にされることはないし

黒魔術へ半端に手を出した愚者を、契約悪魔やつらは見逃さない


午後12時。魔術が発動失敗し、その代償で娘は命を落とした。命を作り上げる術の代償は命を奪われることだったらしい。流石悪魔!仕事がきっちりしている分、人間より信用できるね!

主人は娘を失敗作だと罵り、どこかへ消えた。

残されたメイド達は相良が御主人様に事情を話し、冬月で後処理含めて面倒を見ると話をつけてくれた。冬月財閥には本当に頭が上がらないな

祈の弟分は「これぐらい些細なことだよ。巴衛の問題をもみ消すよりは楽勝さ」とのことだった

もしかしなくても、お嬢様じゃなくてお前が諸々処理してくれてんの・・・?祈の弟分何者だよ・・・


午前1時。奴らが関与していたことは分かったが、何の手がかりも得られなかった。帰りはどうしようかと考えていたのだが、幌宮が声をかけてくれたので、幌宮の車で移動することになった。相良達はなんかバイクの横に車がついてるやつで移動しているらしい。祈がテンションを上げながらバイクに乗る弟分の撮影に勤しんでいた

・・・相良、お前車側なんだな


ちなみに晃の話だと「側車付二輪自動車」と言うそうだ。晃は昔から車とかバイクが好きらしい。免許は生前取得している上に、技術面も問題ないらしい

しかし祈が自動車購入の許可を出さないらしい。まあ、そうだわな。運転させたら何が起こるか分からない


午前2時。高速に乗った後、小腹が空いた幌宮がサービスエリアに立ち寄った。相良達も流れでついてきて賑やかな夜食になった。

俺以外は全員ラーメンだったな。お前らなんでラーメン推しなの?

腹休めにのんびりしていると、弟分にテレビ電話がかかってきた。子供二人がパパに会いたいからって電話してきたらしい

通話が終わった後、ATMに駆け込んだ祈は結婚祝いと出産祝いとして「貴方が夜に戻れただけでも嬉しいのに、親になったところも見せてくれてありがとう・・・!遙さんと太一さんも喜んでいると思うわ!」と言いながら、弟分にお金を渡していた

おいバカやめろ100万をぽんとわたすな。弟分大好きなのは分かったから、せめて今月末の支払いがある魔術教会認定魔術師登録費用と家賃の分は残しているんだろああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!(残高なかった)


午前3時。祈がやばい仕事を取ってきやがった。100万はやばかった自覚はしているらしいが!だからと言って!1億の報酬がかけられて20年以上も放置されている事件に首を突っ込む事はねえだろうよ!?

ああ、そうだ弟分。後でちゃんと改めてお祝いを用意するから今だけはそのお金を返してほしい。そのお金があれば厄介事へ巻き込まれずに済むから!え、相良お前なんで「返す必要はない。もらい物だから」なんて言うの!?鬼!悪魔!人でなし!廃業しろ!

幌宮てめぇなんでその話を聞いてノリノリなんだよ!?なんで車を依頼先にとばああああああああああっ!!!!!


午後4時。曰く付きの依頼先に到着。お願い祈、俺・・・もう休みたいかも

そんな俺を労らない祈も晃も、ついてきた幌宮も相良と弟分も元気100倍!

もうどうにでもな〜〜〜〜〜ぁれ!いちおくもちかえってきてね〜!あ、魔術解析に駆り出しっすか。そっすか。


・・・・・・・・


なんでおまけで一つ事件が終わっているんだ・・・?(いつか細かく書きます)

あと流れで言っておこうと思います。黒魔術関係の設定全然できてない。


教会にいた時代の祈は、このまま孤児ならシスターになっちゃおうかしらなんて考えていました

晃は神父が夢でした。けれど祈とは結婚できなくなるなぁ。なんて呑気に事を考えていました

実際は祈は七里家に引き取られ、晃は十八歳の時に一応事故死。

神父になったのは二人の横で全力でサボっていた弘樹でした


晃は作中で語ったとおり、祖母と共によくミサに参加していた子供

祈とはその時に出会っています。人見知り気味だった二人を弘樹が仲介し、現在の関係に落ち着いているようなので、祈はともかく晃は弘樹に頭があがらないとか。

晃の四肢がポンポン飛ぶのは彼がポンコツと言うこともありますが、彼が死後に受けた「蘇生魔術儀式:サクラメントセレクト」が原因です

その儀式を遂行した人間が、晃の試合を教会から持ち出すため、バラバラにしたのが原因です。おかげさまで晃の四肢はすぽすぽ抜けます。すぽーん

寝ずの番がいる可能性はありましたが、晃は祖母と仲はよかったけれど、両親からは「思い通りにならず、行く先々で問題を起こしてくる厄介な子供」とぞんざいに扱われていたのでそんなものもありません

あの人物も遺体を持ち出すのは容易だったでしょう

今でこそ見直されていますが、当時の早瀬教会はガバガバセキュリティでしたからね


晃が死ぬ前に祈へ相談したかったのは、成績に関すること。テストの成績が悪かったら容赦なく殴られていた彼は母親のやっている事を告発するべきか、それともあと一年だからと我慢するか考え・・・最終的には我慢することを選びました

晃の死因は事故死となっていますが、実際は母親が階段から突き落とした事が原因

今も階段が非常に苦手なようで、二階以上に自分の意志で行くことはないようです。どうしても階段を使用しないと行けない場合は、祈か聖が彼の手を引くのがお決まりだそうです


祈と七里家の関係はかなり良好で、黒魔術に手を出した後も定期的に会いに行っています

寿命や見た目に変化がないので、両親からは「祈は祈のままだね」と言われるのが嬉しい反面、心苦しくなっているそうです

同時に彼女は晃と結婚するに当たり、もう一つ両親へ嘘を吐いています

自分が原因で子供ができないこと。二人には既に孫の顔は見せられないと告げていたりしますが、祈にはまだ生殖機能は残っています

死人である晃との間に子はもうけられません。七里の両親が彼を責め立てることはないとわかってはいましたが、念の為自分が原因にしているようです


祈は実両親の記憶がありません。どういう人物だったのか、どうして自分を教会に預けたのかすら知りません

だからこそ、親になってくれた七里の両親は厳しい存在ではあるけれど、大好きな両親として最期まで娘を全うする事になると思います


裏話ではありますが、七里の両親が祈を引き取ったのは「やっぱり子供が欲しかったから」

若い頃は何度も不妊治療を繰り返していましたが、限界が来て子供を諦めたという経緯から数年

夫婦で相談して、やっぱり子供が欲しい。けれど今から小さい子を引き取るとなると体力的な問題も出てくるから、十歳を超えたぐらいの子がいいねということで祈に白羽の矢が立ったとか

それから祈の実両親。家族として関わることはありませんので、軽い設定程度ですが・・・実両親は中学生時代に祈を産んでいます

双方共に両親が出張。子供への興味が希薄な環境で、お金だけは自由に使えと言われている環境でできてしまった祈は中絶されることなく、この世に産まれています

病院経由で教会に預けてもらい、許されなくてもいつか生活が安定したら迎えに行くと手紙を添えたのですが・・・弘樹の判断で処分されているようです

一応、弘樹の勘はちゃんと当たっています。藤本・・・彼女の妹が辿った道を見る限り、祈は実の両親の元へ戻ることがなくて良かったと思います

祈はもちろんですが、彼女の関係者でさえも祈と血縁関係にある妹に巡り会うことはありません。ただ、とある事件で妹がいた事は知る事になります

妹さんはとある代物の代償で短命になっており、二十歳になる前に亡くなっています

・・・少なくとも彼女は、小さな頃の夢を叶えて、眠るように死ねたのは幸福であったと思います


さてさて、暗い話ではなく弘樹の話を軽く

彼は両親から虐待されていたところを、先代神父に助け出されて教会に住むようになった子供

両親からの愛情が憎かった・・・とかそういう理由でもなく「責任もなく産むだけ産んで、成り行きで親になった人間が子供を育てられるわけがない」「引き取ったら祈が不幸になる」「今、幸せそうなんだから変な問題を持ち込む必要はない」という考えがあったからこそ、祈と実の両親の関係をカットしていました

将来、悪友から十八年をかけた厄介事を託される程には口が堅く、同時に信頼できる存在です

適当さが目立っても、冬夜からは父親として尊敬されていますし、恩返しでも良好な親子関係を構築済

祈もアホとは言っていますが、冬夜を弘樹の元に預け続けたりと「信頼できる存在」として認識している様子


祈と入れ替わるように教会に住むようになった冬夜の話だと・・・定期的に「藤本さん夫婦」と揉めているそうです

最終的に冬夜に被害が出るようになり、痺れを切らした弘樹は幼い彼方と共に藤本夫妻を全力で追い詰めたのですが・・・それはまた別の話です


そういえば、祈が歳を取らないので時系列が掴みにくいのですが、はりとき本編(冬夜19歳)から七年後が祈達の本編時間軸です

松盛が出てくる恩返しが五年後なので、恩返し視点だと二年後の話ですね


最後に三人の名前の由来ですね

お察しの通り「祈り」に「日光(晃)」に「聖」・・・彼らの天敵である聖要素たっぷりです

聖は両親を殺した組織を追う決意をしなければ、晃は両親が信仰し始めた宗教から逃げていれば、祈はサクラメントセレクトに関わらなければ、黒魔術に関わることなく、普通の人生を歩めていました

「蘇生魔術儀式:サクラメントセレクト」や上記の「生命生成魔術儀式:スペクルムコムニオン」を初めとする魔術事件の他、猫探しやドブさらいまで色々やる探偵三人の話はいつできるんですかね・・・

まあ、色々やる前に聖書とか読みあさる必要がありそうですがね・・・


本日はここまでにしておきましょう

では、また次の間奏で!

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