表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
GHOSTレイト  作者: カミナリサマ
第一章
5/16

5話

翌日。


学校にいつも通り俺は登校した。昨日の任務は結局、第二係だけじゃ手に負えないとのことだったので俺たち第一係と協力することになった。


なにしろ俺がGPSを付けといた男が予想通り組織に所属していて国際指名手配犯だったらしいんだ。組織の人数は100人越え。


俺はてっきり第二係に任せようと思っていたが、そんなに大規模な組織なら仕方ない。



そのせいで昨日は遅くまで作戦会議ミーティングがあった。まあ学校はさぼるのは良くないし、今日のところはひとまず情報集め。


それくらいなら第一係と第二係の幽霊ゴーストたちだけで十分だろう。なんて言ったってやつらは隠密のプロ。組織の場所もわかっているし、問題ない。それよりもすごい眠い。


「よう、玲。相変わらずしけた面してんな。お前、休日はあいかわらずボッチだったのか?」


「おはよう、理央。あいにくと、家でずっとくつろいでボッチ満喫中だったな……」


そう話してきたのは春日井理央かすがいりお


彼は俺の数少ない友達だ。金髪に染めている髪から不真面目そうな印象を受けるが実のところそうではない。


実際はすごく仲間思いで成績も決して悪いわけでもない。いつも俺に話しかけてくれ、俺はそのおかげで学食を一人で食べないで良いので感謝している。


「で、理央はなんかあったって顔してるな。何があったんだよ」


満面の笑みを浮かべる理央。こいつ、よくぞ聞いてくれましたって顔してるな。


「そうなんだよ、実はな昨日、久々に妹にあったんだよ…」


「……妹?ああ、あれか。七歳くらいのときに別れ離れになった妹だっけ?」


普通、妹と会っただけでこんなにはしゃぐ奴はいない。けど、理央の場合は違う。両親の離婚がきっかけに別れ離れになった実妹。幼い理央とその妹にはどうしようもないお別れ。理央もいろいろ苦労したんだな。


「それで、その妹と会ってなにかしたのか?」


「それがよー、栞奈かんなのやつ、昔と全然変わっていたんだよ。それで急に俺のところに尋ねてきたから一瞬誰か分からなくなってしまったぜ」


「そりゃそうさ。理央、妹と会わなくなって9年近くたっているんだろ。変わっていて当然なのさ。子供の成長はあっという間だからな。お前も9年でいろいろかわっているだろう?」


俺にも3つ下に妹がいる。妹も俺と同じ黒崎家なため任務にたまに連れて行かれるが、学校には入っていない。そういえば、あいつの成長も早かったな。


「いや、顔や体もすげえ変わっていたんだけど、一番は性格だな。あいつ、昔はお兄ちゃん!お兄ちゃん!って言っていたくせに最初、俺に敬語を使ってきたんだぞ。昔は何だって話だ、昔は」


敬語を使われるんなら、妹も成長したってことだと思うが……まあ当の理央は全然嬉しそうにないな。


「けど、なんか最後よく分からなかったんだよな。泣いていたような、いないような。まあ多分気のせいだと思うけど…」


「それ、お前が泣かせただけじゃね?」


けど、理央がそんなことするとも思えないな。まあ家庭の事情は複雑ってことだろう。


「俺が妹を泣かせるわけないだろ?」


「それもそうだな。まあ、なんにせよ妹と会えてよかったな」


妹との再会の話はひと段落ついて新しい話題の話になる。


「で話を変えるけど…今日の一限目はサッカーの試合やるってよ。

ぜってぇハットトリックして、女子たちの注目の的にしてやるよ。みとけよ、玲」


理央は中学、高校とサッカー部。サッカー一つにこれだけ盛り上がってしまうのも不思議ではないだろう。理央はサッカーの実力も全国レベル。


そして、理央は毎年サッカーが体育の時期にモテ始めるらしい。口癖は「サッカーやってて良かった~~」だ。


「まあ、幸運を祈るよ。逆に決めすぎて男子たちに睨まれないようにしとけよ」


「よくいうぜ。玲だって何気ない顔でぼんぼん決めているくせに。だからな、サッカー部来てくれよぅ。今年こそは全国優勝って決めているんだからよ。先輩にも玲を他の部活にとられる前にとって来いってめっちゃ言われてるんだからよ」


「はは、何度も言っているがそれは無理だな。放課後は予定がある。それにな、いきなり全国とか荷が重すぎる。すまんな、他の人を求人募集リクルートしてくれ」


俺は学校でも運動面も勉強面もあまり手を抜いていない。昔から手を抜くことは相手を馬鹿にするみたいで嫌いなのだ。テストもすべて満点、運動能力も抜群。


小さいころから知識や技能など必要なものを全て身につけられた俺にとって当たり前のことだ。ちなみに妹も黒崎家である以上、ある程度身につけられている。


「わーたよ。でも、入りたければいつでも言ってくれ。玲ならみんなもウェルカムだからよ」


「そういってくれたら助かる。じゃあもうすぐ一限目だし外出るか」


「そうだな。早めに行って先生の評価を上げてもらおっと」


「……内申点稼ぎかよ」


部活に誘われることはよくあったが、任務の関係上で部活まではさすがにできない。理央は無理やり誘って来ようとは絶対にしない。あくまで相手の意思を尊重するもの。


「玲、まだか。早く着替えろよ」


声をかけてくる理央。さて、俺も着替えるとするかな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ