謝れば、大概の事は許されると僕のママからそう躾けられる。
僕は、子供の頃からそうやってママに育てられた。
ママが言いうには、、、?
『東喜! 今からママが言う事をよく聞いて! 何か相手に悪い事を
したら? 取りあえず“謝れば”許してくれるわ! 大概の事は許し
てくれるの! だから、悪いと思ったら直ぐに謝るのよ』
『うん! ママ、分かったよ。』
『東喜は、物わかりのいい子ね! 』
『うん。』
僕は、ママの言いつけをずっと守って育ってきたんだ。
友達に、悪い事をしたら? 直ぐにママに言われた通り
謝ったら、その友達が許してくれた。
当時、僕の担任の先生も僕がその子に謝ると、、、?
“東喜君は直ぐに、謝って偉いね”って褒めてくれたよ。
ママの言う通りだった。
・・・それからというモノ。
僕は、相手を傷つける度に謝ることにしたんだ。
でも? 謝った子の中には、なかなか僕を許してくれない子もいたよ。
僕が素直に、その子に謝ったのにどうして許してくれないのかな?
ずっと、その子は機嫌が悪し。
皆もその子の事を庇うんだ!
僕は、ちゃんとその子に謝ったのに許してくれない!
だから、僕はその子が嫌いになった。
もうその子とは、話しもしないんだ!
その子とは、もう友達をやめたよ。
*
僕もどんどん成長して、いつの間にか高校3年生になった。
子供の時と違って、体も大きくなったし力も強くなった。
でも、考え方は子供の時となんら変わりない!
僕は相変わらず、ママの言った言葉を今でも守り続けているんだ!
“大概の事は、謝れば許される”
・・・だからね?
僕は、初めて好きになった女の子にちょっかいをかけた。
その子は、僕を気持ち悪い存在だとして見ている。
それでも、僕はその女の子が好きだからちょっかいをかける
事をやめなかった。
そのうち、その女の子が泣き出してしまう。
僕は、何度も何度も女の子に謝ったのに許してくれなかった。
その女の子の親が僕の家に来て先、あった事を話す。
【ピーポーン】
『はーい! どなたですか?』
『大木さんのお宅はこちらですか?』
『・・・あぁ、はい。』
『お宅の息子さんが私の娘にちょっかいをかけると娘が
私に話すので、今日! お宅に伺いました。』
『・・・うちの息子が何をしたんですか?』
『うちの娘の体を何度も触ろうとしたんですよ!』
『えぇ!?』
『娘は、“何度もやめてほしい”とお宅の息子さんに言ったらしい
んですが、やめてくれなかったと言ってるんですけど!』
『・・・うちの東喜がですか?』
『まだ、うちの娘は12歳ですよ! お宅の息子さんは高3らしい
じゃないですか? どういう教育をされてるんですか!』
『・・・・・・』
『それに、何度も娘に“謝る”らしいんです。』
『・・・東喜、が、ですか、』
『今後! うちの娘に息子さんを近寄らないように言ってくれますか!』
『・・・あぁ、はい、分かりました。』
『では、失礼します!』
『今日は、どうもすみませんでした。』
・・・ママは僕が学校から帰って来るなり。
ママは今日の事を言って、僕を怒鳴りつけたんだ!
でも、僕はここでもママの言った通りに【謝ったら?】
ママは、僕を許してくれたんだよ。
ママの言いつけは、絶対に効果があると僕は確信している。
でもママからは、あの女の子には二度と近寄らないでねと
釘を刺された。
僕も、二度とあの女の子には会わないようにした。
別に、あの女の子に拘る必要はない!
また新しい女の子を探せばいい事だ。
好きなだけ、女の子の体を触っても許してくれる子がいい。
相手の女の子がイヤでも、僕には【謝る】という武器がある!
その魔法の言葉を言えば、何でも許される。
僕は、また新しい女の子を探すことにしたんだ。
最後までお読みいただきありがとうございます。