表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/390

12話 マリーと師匠

ブックマーク、評価などを頂きまして、大変ありがとう御座います。


ここから数話、外伝的に一人のキャラを掘り下げつつ世界観を描けたらと思います。

むしろ、なろう系主人公としてはこっちが正道に思えますが、

しばし、マリーの物語にお付き合い下さい。

「そんな!? あんまりです!!」


 私の悲鳴は、酒場の喧騒に掻き消えた。誰も気に留めない。せいぜい、またか、という視線を受けるだけだ。


「あんまりだ? こっちの方だろ、あんまりなのわ!!」


 4人の冒険者――パーティメンバーがそう言って凄みを効かす。


「お前なぁ、俺たちが他所から来たばっかだからっていい加減言いやがって!!」

「他の冒険者から聞いたぞ!? 使えない魔法使いでパーティ追放の常習犯だって!?」

「お前、俺たちに何て言った? 魔法使いは必要ないかって言ったよな? 誰が使えない魔法使い欲しがると思った? 俺、疑問形担当か?」

「よし追放しよう」


 よしキョウトへ行こうみたいに言わないで欲しい。


「そんな! クビだけは、どうかお願いします! 私とパーティを組んでくれるとこ、もうここしかないんです! 今、追い出されたら」


 私の懇願にリーダーが口の端を歪めた。

 嫌な笑い方だ。

 男の人の嫌な顔。

 ずっと我慢してきたのに。


「あぁん? もうこの街のギルドじゃお前ぇと組みたがるチームは無ぇんだよ。ウチみたいに来たばっかの所でも、戦闘になればすぐバレるっつーの!」

「あんな屁見たいな炎魔法、松明の方がよっぽど役に立つぜ」

「ああー、それにお前、アレだ? その服だ? 気が滅入るわ? 女っ気が全然足りてねーわ?」

「……いや、お前はお前で無理にキャラ付けしなくてもいいぞ」


 疑問さん(疑問形担当の略)が言った通り、今の私は故郷の魔法装束を隠す為、厚手の黒いローブを二重に重ね着し男物のマントを付けていた。頭も目深に被った魔法使いの帽子で髪と髪飾りと顔を極力隠している。

 色気なんてこれっぽちもありゃしない。

 ……はんっ、脱いだって色気なんざないけどね!


「女性っぽく無いとか、冒険者には関係ないじゃないですか! もっと違うところがあるじゃないですか!?」

「例えばどこだよ!?」

「例えば!」


 ずいっと真剣な顔を向けます。


「……いえ、無いんですけどね」

「マジかよ……。」


 とても憐れんだ目で見られました。

 この街に来て4度目だ。せっかくパーティに入っても、使えない火炎系職業とスキルのせいですぐに追放される。


「なんか、お前、色々と」

「いえ、いいんですけどね」

「いや、せめて女っぽい格好とかね?」

「あ、私、そういうのいいんで」

「そうか……。」


 その視線が痛かった。

 これ以上はもう無理だろう。惨めに食い下がるより、さっさとここから逃げ出したい。


「短い間でしたが、お世話になりました」


 自分の酒代だけテーブルに置いて、そそくさとその場を後にした。

 私が店を出ると、中からわっと盛り上がった声が響いた。

 冒険者ギルド支部の規模も大きいし、こんな酒場があっちこっちにあるから期待していたけれど、ここにも私の居場所は無かったのだろうか。

 表通りの明かり。

 並ぶ食堂や宿屋や酒場。遅くまでやってる鍛冶屋や武器屋。

 さっきの扱いに憤慨して気持ちも高ぶっていたけど、一人になって急に、寂しい思いになった。

 この街の明かりは、きっと私とは無縁なんだ。

 一人で居ることの漠然とした恐怖が、歩みを遅らせる。ゆらゆらと、歩く。

 私は、冒険者には向かなかったのでしょうか。

 故郷で送り出してくれたお母さん。しっかりね、と家宝の鈴を握らせてくれた。お父さんは見送りには来なかったけど、多分、顔を合わせるのが気恥ずかしかったんだろう。あと、よく好きな人が出来ても無茶はするなと、釘をさされた。

 職人気質のお爺ちゃん。必ず役に立つから肌身離さず持ちなさいと、これを持たせてくれた。スープのダシにとても役立ちました。

 ……もう帰ろうかな。

 中央通りを噴水広場までくると、店構えも少なくなり心細くなった。遠くから小さく響く酒場の声が、遠い過去のように思える。

 月明りも無い、寂しい夜でした。



 子供の頃。お父さんたちの冒険話しを聞くのが好きだった。特に両親の馴れ初めをよく聞かせてもらいました。

 二人とも冒険者で、お父さんは武者修行に。お母さんは別のギルドに所属してて任務の帰り。旅の途中に立ち寄った街の、商工会議所が発注した緊急討伐依頼でパーティを組んだのが、お母さん曰く二人のロマンスの始まりだったそうだ。

 ターゲットは近郊に出没した大型トロール9体の群れだ。トロールが多数で群れを作ることは無い。きっと制御していた黒幕が居たんだろう。襲撃はその一回だけだった。大半をお父さんたちが倒してしまったせいで、多分、黒幕の活動に支障が出たんじゃないのかな。操るにしたって尋常じゃない魔力を消費するし、召喚したものなら尚更だ。

 その時の活躍は今でも語り継がれている。

 月明りが輝く夜の森。

 街に侵入させまいと二人が立ち塞がった。


 一人は剣術。剣術士の大家。光より鋭い白刃の斬光。

 そして一人は暗殺ギルドのエース。影は黒より黒く、揺れる指先は死の羽ばたき。


 戦いは一方的な虐殺だったという。お父さん達の。

 だが、それぞれ4体づつ倒した時、問題が起きた。残り1体をどちらが倒すかで口論となり、二人は対峙したという。ちなみに生き残りはさっさと逃げたそうだ。

 ここから先は公式の記録にありません。

 正直良かったと思います。目撃者が居なくて。

 当時、帝国で一番の剣客だったお父さん。和刀使いの剣術士は地上で最強だってお爺ちゃんも言っていた。繰り出す白鋼(しらはがね)は技ではなく、剣の術なんだって。

 その動きを秘術・影縫いで封じたお母さん。相当無茶をする。そして、なんていうか、その……お父さんが動けないのを良いことに、その、初めてを奪ったのだと誇らしげに語っていました。お母さん、何やってるの?

 ていうか娘に聞かせないで下さい。あと、ロマンスどこ行った?

 子供の頃、よく、お父さんが、


「母さんはな、すぐ無茶をするから」


 と言っていたのを聞いた気がする。

 でも、そこがいいとも言っていた。私もいいと思う。

 あ、ちなみに私は三女ですので、そのエピソードとは無関係です。


 ……いや、あのお母さんのことだ。私の時もかなり無茶なことしたんだろうな。


 そんな風に、故郷の事を想っていたら、何かに顔からめり込んだ。

 ぽす、と柔らかいクッションのようなもの。お日様の匂いがする。お布団?

 見上げると、月も星も無い宵闇に、二つの金色の光が、ギロリと私を睨みつけていた。

 巨大な猫のような背中。

 まるで猫。

 いや、割と猫だ――って、このお方は!?


「今何かしたかにゃ?」

「ご、ごめんなさい!! 噂に名高いニャ次郎様とは知らず、ごごごご無礼をっっ!!」


 ぶんぶん頭を下げた。私の全力の謝罪である。別にヘッドバッキングをしている訳じゃ無い。

 必死です。

 でも、それは届かなかった……。


「今何かしたかにゃ?」

「すすすずびばぜぇん!! 平にっ! あぁ!! 平にっ!!」


 遥か東方、私の故郷であるキクノハナヒラク帝国に伝わる伝統謝罪――DO•GE•ZA!!

 家族からはフォームが美しいと高い評価を得ていた。


「にゃ。リピートアフタミーにゃ――今何かしたかにゃ?」

「え? えぇと――今何かしたかにゃ?」

「にゃは要らないにゃ」

「すみません! すみません!」

「謝罪が多いにゃ。許しを乞う時はカツオブシにゃ」

「はは~、どうぞ此方を」

「持ってるにゃ」


 何故か引かれた。


「私の故郷でも作ってますゆえ」

「なら続きにゃ」(ボリボリ)

「今何かしたか――って、えー!? 本当に何してるんですか!?」

「なかなかの歯応えにゃ。気に入ったにゃ」

「あ、嬉しいです。お爺ちゃんが作ってるんです、カツオブシ。でもそのまま齧って食べちゃう人は初めてです」

「人じゃ無いにゃ」


 そうこうしてる頃には全て食べられてしまった。

 ニャ次郎様。冒険者ならずとも知られている最高ランクの……何? あれ? この猫さん、なんでしたっけ?


「あの、ところで私は……?」

「言うにゃ」

「え?」

「言うにゃ」


 アップになられると、ちょっと怖い。


「い、今何か、したか……?」

「声が小さいにゃ」

「今何かしたか?」

「もっとにゃ」

「今何かしたか!」

「もっとにゃー!!」

「今何かしたかー!!」

「悪戯っ子をたしなめるお姉さんみたいににゃ!!」

「こぉら、いぃまぁ、何をしのかな? め!」


 むしろ私の方こそ何させられてるんだろ?


「そうにゃ。それでいいにゃ。何かあった時はそれをクールに言ってやるにゃ。カッコいいにゃ」


 もう教える事は何もないと言わんばかりに去っていく。

 のっそのっそ街中を歩く姿は、通報されそうです。


「お待ち下さいニャ次郎様!!」


 咄嗟だった。

 考えがまとまらない。それでもこの出会いを無駄にしてはいけないと思った。

 最高ランク。恐らくはSSクラス。猫の身でありながら冒険者達の畏敬の念を集める――ほんと何だろ?


「私とパーティを組んで下さい!!」

「いいにゃ」


 即答でした。


「い、いいいんですか!?」

「もうにゃーとはパーティメンバーにゃ。そうかしこまるにゃ」

「師匠……。」

「カツオブシを献上するにゃ」

「はは~、どうぞ此方を」

「持ってるにゃ」


 やっぱり引かれた。


「なかなかの歯応えにゃ」


 あ、やっぱり食べるんだ。

 あれ? これって餌付けしてるんじゃ……?


「お前にゃの意気込みはわかったにゃ。ならば――」


 ドンと胸を張る。


「にゃーはニャ次郎にゃ!」


 え? それやるんですか?

 お前もやれと促してくる。むむ。


「ま、マリーはマリーごー」

「帰るにゃ」


 飽きるの早くありませんか!?


 のっしのっしと去って行く背を見送っていると、「そうにゃ」と振り返った。


「明日は冒険者ギルドにゃ。入った所の広いとこで集合にゃ。受付が開く頃でいいにゃ」

「業務開始時間に正面フロアで落ち合うんですね。パーティの申請、登録料は今お渡ししましょうか?」

「にゃ? とーろくりょうにゃ? にゃ?」


 キョトンとされた。

 猫さんだから、あまりお金に関心がないのでしょうか?


「はい、パーティ加入時のリーダーがまとめてギルドに払う、手数料? みたいなもので。師匠にはリーダーになって頂くのですから、先にお支払いしていた方がいいですよね?」

「にゃ……。」


 考え込むような、困ったような顔で私を見る。

 あれ? 私また何かやっちゃいましたか?


「あー、アレにゃ」

「はい、アレです」

「幾らだったにゃ?」

「銅硬貨100相当ですね」(※10,380円相当)

「無くなったにゃ」


 何故か顔を背けられました。


「え?」

「先日にゃ、業務改革が行われた折り、もうやめようって事になったにゃ。今までの納金分はギルドを通じて返金されるから明日手続きをするといいにゃ」


 ん? 通じても何も、ギルドに支払っているのですが。


「ところでマリーにゃは――にゃ。マリーって呼ぶにゃ。マリーにゃだと響きがざくまりーなか、まりーだみたいで紛らわしいにゃ」


 難しいことを言い出した。

 古代呪術の名称でしょうか。


「マリーは何回パーティを変えたんだにゃ?」


 嫌なこと聞いてきました。

 私が4回も追放されたって知ったら幻滅されて、またクビになっちゃうかも……。

 どうしよう。あまり知られたくないです。


「4回です」


 嘘がつけない気質が恨めしい……。


「じゃあその分、返してもらうといいにゃ」


 ニャ次郎様、気にした風はないみたい。

 って、ちょっと待って下さい!


「私が、嘘をついてるって思わないのですか?」

「にゃ?」

「本当はもっと少なくて、多く返納金を貰う為に、その、4回とか言っちゃってみたりなんかしたりして」


「にゃふぅ」とニャ次郎様は溜息をついた。

 どういう意味だろう。


「にゃーにはわかるにゃ。マリーがそんな事をできる子じゃないってわかるにゃ」

「し、師匠ー!!」

「カツオブシを献上するにゃ」

「はは~、どうぞ此方を」

「なかなかの歯応えにゃ」


 ぼりぼり食べる。もはや齧るですらない。


「にゃーが見込んだ通りにゃ。マリーはそんな計算ができるほど器用じゃないにゃ」

「それ返して下さい」

「にゃ?」



 宿屋に帰ると、いつもは無愛想なおじさんがカウンター越しに話しかけてきた。

 小さな宿で食堂も無い。食事はいつも外で食べていた。


「随分と機嫌がいいな。いい事でもあったかい?」


 あ、この人こんな声だったんだ。

 ……あれ? ひょっとしてこれが初会話?


「新しいパーティを組んでもらえたんです。とてもいい人? で、明日の朝からギルドで受注になります」


 人に聞いておきながら、私の答えに難しい顔で黙り込んでしまった。

 おじさんから何も反応がありません。え? これ私、行っていいのかな?

 少し待ったけど、沈黙が続いたので会釈して部屋へ向かった。

 おじさん、客商売むかないと思いますよ?

 狭い通路を通り、一階の自室に入る。

 宿賃が安いので選んだ。

 普通、女の子の冒険者が一人で泊まるような環境じゃないけど、特に気にしない。節約大事。

 お金は、贅沢さえしなければ余裕があった。

 ソロで稼いだお給金、割とあるな。

 ていうかソロでしか稼いでないや。ははは。

 私の火炎魔法。私自身、魔力量は多いのに、どうしてこんなにしょっぱいのだろう。松明に負けるって何これ?

 実戦で培っていくしかない、て言われて旅に出たはいいが前途多難です。ひょっとして、実戦と実践をかけてるのか?

 ていうか、普通は魔導士のもとで修業するか、魔法学科なんかで研鑽するものじゃないのか? 何でいきなり旅に出る話になってんだ、私?

 お父さんも、お母さんも習得できなかった、火炎魔法使いへの才能。ほんと、才能じゃないよ、これ。誰だよ私の職業を魔法使いにしたヤツ。

 こんなんじゃ、運命の人にも出会えないかなぁ……。

 色気が無いとか散々言われたけど、私だって憧れはあった。お母さんたちみたいな、冒険者として旅の先で運命の出会い。ぐぅえっへっへへへ。


『いいですか、マリー。女がひとだびこの人だと決めたのなら、一気に皿まで喰らう気で臨みなさい。獲物を前に舌なめずりするのは三流のすることですよ』


 お母さんの教え。正直、子供に言う事じゃないと思う。

 一息ついたあと、お湯を貰い体を拭く。くんくん。よし匂わない。いいぞ私。

 あ、でも自分の匂いは自分じゃわからないって言うしなぁ。あ、なら私の匂いが好きだって人を見つければいいんだ――変態かよ!?

 いや、もういい。寝巻に着替えてベッドへ入った。

 シーツもお布団も枕も、全部自前だ。安宿の寝具は好きじゃない。野宿は慣れているけど、こういう所のは絶対駄目。気持ち悪い。

 こんな大荷物、普通は持ち運びできないけど私の場合はちょっとしたコツがある。お母さんから貰った鈴。実はアイテムボックスを可視化したものでした。

 伝説や御伽噺でしか聞かないアーティファクトです。凄いです。

 生活用品も驚きの充実。火炎魔法さえ上手く使えれば、お水と鍋でどこでもお湯を沸かせるのに。お肉焼けるのに。

 容量には制限があるけど、ベッドも入っています。ただ、宿の部屋が狭いので使えない。野宿の為の大き目なテントセットもあるから、ベッドはそっちで活躍中。

 もっとも、アイテムボックスを知られるわけにはいかないから、ソロで行動中しか使えないけど。

 もう寝よう。

 明日は、朝から師匠と冒険者ギルドだ。

 ふふ、楽しみだな。

 なんだか、久しぶりにわくわくしている。子供か!



 深夜。寝静まった頃。

 扉がゆっくり、静かに開いた。

 瞬間!

 私は枕の下に置いた(かんざし)を投てきしていた。眠りが深くても体が勝手に動く。違和感に全身の神経が一斉に反応する。ダンジョンで野営する事もある冒険者なら、誰でもできることだ。

 ……できるよね?

 あれ? 私だけ変なのかな? いや、それより、

 カッ、と硬い音を立てて(かんざし)が刺さった扉の壁。ちっ、外したか。その横で、宿屋のおじさんが青い顔をしていた。危なかった。


「や、夜分にすまねぇ、どうしても、あんたに話しておきたいことがあってな」


 カウンターの時とはうって変わって、震えた声でした。お薬でも打って変わったのでしょうか?


「いくらオーナーさんでも、乙女の寝所に入り込むのは感心しませんね。私? えぇ、乙女ですが、何か?」


 ベッドに座り直し寝巻を整える。

 夜、明かりが無くても相手の顔色ぐらいはわかる。冒険者なら誰でもこんなものだ。多分。


「す、すまねぇな。あんたの相方についての話しで、知っておいた方がいいと思ってな」

「ニャ次郎様でしょうか? 私、そこまではお話ししなかったと思うのですが?」

「噂はすぐに入ってきたさ。それと、住宅の近くであまり騒がない方がいいぞ」


 何を言ってるのでしょう?

 思い当たる節がありませんが。


『もっとにゃ』

『今何かしたか!』

『もっとにゃー!!』

『今何かしたかー!!』


 ……ほんと、何してたんだ?

 いや駄目だろこれ。タチの悪い酔っ払いみたいだろこれ。


「それでお話しとは?」


 気分を切り替えた。


「大事な話しなんだ。入ってもいいか?」

「えぇ。灯りを付けますね。少しまって――。」


 足元に置いた雪駄を履いて、備え付けのランプに向かうと、おじさんが一気に間合いを詰めた。

 何か薬品のような物を嗅がされる。

 膝が崩れた。

 あー、これは油断したなぁ。師匠のこと言われて、気が抜けてた。


「あんたが悪いんだ……アイツと関わっちまうから」


 意識が無くなる中、おじさんのそんな声が鼓膜に響いた。おやすみなさい。

お付き合い頂きまして、大変ありがとう御座います。


万が一にも何か琴線に触れるものが御座いましたら、下の評価欄の★をお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ