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魔科学世界のリズ  作者: Luna(ルナ)
4章  動き出した戦場
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83話  想定外

決行日当日、P.M 18: 00

リズたちはそれぞれ担当地区までワープしてきた。

リズのチームが担当するのは自身の親がいる西の地域。懐かしさと、母親は大丈夫なのかという心配の気持ちが湧き上がる。

ちなみに、神獣たちはみな人間の姿に擬態している。



「ほれ、よそ見をするでないわ。ここは敵陣真っ只中じゃぞ?気を抜けば瞬く間に捕まる。」

「ラタム、あまりリズを不安にさせない。彼女だって好んでこんな状況になったわけじゃないんだ。」



サイネリアはリズを擁護するように、ラタムが言葉を紡ぐのを止めた。

リズはそんなこと梅雨知らず、ずっと自分の家のことや母親のことを考えていた。



ーーー



今は歩き回っていて、久しぶりの自分の故郷を堪能している。

ちょうど家の近くのスーパーまで来たところだ、ここも懐かしいな、だなんて思い出に浸っていると



「あ、すみません。」



誰かとぶつかってしまったらしい。

こちらの注意不足だったのだろうか、ちゃんと前を見て歩かないと危ないなとか、昔小さい時に母親に言われたことを思い出して、ぶつかってしまった人に謝ろうと、そちらを見ると



「いえ、こちらこそ……え?」



目の前に、今考えていた母親がいた。

国から出て行く前に見た、最後の姿とは全く違っていた。

青白くやつれた頬には生気がない。まるで心配やら焦燥やらが(てい)として現れているかのよう。



「?、どうしたの?私の顔に何か?」

「あ、いや……こちらこそ、ぶつかってしまってごめんなさい。」

「あら……ふふ、そういうもの言い、私の娘を思い出すわ。」



今は認識阻害魔法がかかっているため、エレンは自分の娘が眼前にいることに気づいていない。

リズはそのことを思い出し、ここにいるよ、お母さんの目の前に私はいるよ。と言いたくなってしまう。

母親にあって、今すぐ抱きしめたい、抱きしめてもらいたい。そんな気持ちがぐるぐると頭を巡っている。



「娘さんはどんな人なんですか?」



サイネリアが唐突に、エレンに質問した。

エレンは一瞬鳩が豆鉄砲を食ったような表情を浮かべた後、痩せこけた顔に笑顔が戻った。



「年の割にはちょっと子供っぽくてね。とっても愛らしいの。でも……随分前にいなくなってしまったのよ……、また会いたいわ。」



リズは涙が溢れそうだった。しかし、母親を救うためにも、今ここで立ち止まっている場合ではない。

リズはエレンと別れ、時間が来るまでブラブラとそこらへんを歩き回っていた。



ーーー



P.M 18: 50



あともうちょっとで作戦開始だ。

そんな時、連絡魔法が入った。




<あー、聞こえるか?>

「れ、レオ?!どうしたの?!」



突然、予定として組み込んでいたわけでもない連絡が入ったため、リズはびっくりした。

しかし、サイネリアとラタムはいたって冷静に、レオの次の言葉を待っていた。



<ちょっと想定外のことが起こった。南の地域では、どうやら家にこもるのではなく一晩中宴を開くようだ。>

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