82話 前日
決行日前日、リズたちは話し合っていた。
アルフ以外の12人は、それぞれ誰がどこに行くか、どの役割を担うかを決めていた。
「もっと早く決めた方が良かったんじゃないか?少なくとも俺だったら早い段階で役割とかは決めておくぞ?」
話し合い始めてそうそう、チェスはみんなに向けて言葉を発した。
確かに、リズもなぜ今このタイミングで役割分担をするのか疑問に思っていた。
チェスの言う通り、もっと早くに決めて、他のことをすれば良かったんじゃないのかと
「僕も本当だったらこんなギリギリに決めたくはなかったんだよ……思った以上に機械の方が手間取ってね。」
ニックが言うには、キキョウたちからもらったカルセベルの量が予想以上に少なかったらしく、最小限のエネルギーで動かせるように改良に改良を加えていたらしい。
「?でも結構大きなカルセベルだったよね?それも5個。」
「あぁ、1カラットくらいのカルセベルが5つ送られてきたが……装置1つ作るには十分だが、それを2つ3つと作るなら全く足りない。」
「え?装置は一つで十分じゃないの?」
リズが疑問を投げかけると、ニックが思いがけない答えを返したため、それに対しソレイユがさらに問いかけると
「あのねぇ……君たち、一つの国の住民を救うのに小さな機械一つで足りると思うのかい?設置場所によっては遠方の人たちを見捨てないといけなくなるよ?」
そこまで考えが及んでいなかったのだろう。
リズは今初めて知ったかのように驚愕していた。それを見たパームが、なぜかため息をついていた。
「はぁ‥‥‥リズはもっと深く考えることを知った方がいいパム!」
「それ、君が言うの?彼女、僕と初めて会った時からほぼ変わらないよ?」
サイネリアがパームの方を困ったような目で見ていた。それに対しパームは『ぱ、パムのせいパムか!?パムだって頑張ってリズのことを』と何かを言いかけると『本当に?頑張ってるだけじゃどうにもならないし、本当に頑張ったって言うなら証拠を出してみなよ。』と、コテンパンにされていた。
「4グループに分かれてそれぞれ一つずつこの転送装置を持って行ってくれ。」
「認識阻害とかはどうするの?アルフはいないし、子供たちはまだ阻害系の魔法を使えるレベルに達していないわ。」
「その言い分だと妾が使うことは確定しておるな?」
ラタムの言葉は無視しながら、ニックは新たな機械を出してきた。
それはブレスレッド状になっていて、明らかに人がつけるもののように見える。
「これを作っておいた、これをレオとチェストの2人に貸しておく。」
「その2人に使わせるのかえ?仕方がないとはいえ、ちと荷が勝つのではないか?」
「こう言うことも経験しておいた方がいい、どんな状況でも冷静でいられる力がつけば、いつでも合理的な判断ができるからね。」
ラタムとニックの話し合いの最中、口を挟むものは誰1人現れなかった。
結局、レオとチェスが了承して、2人とニックとラタムが阻害魔法を使うこととなった。
その後チーム分けをし
1チーム
ニック、ルフィナ、ソレイユ
2チーム
サイネリア、ラタム、リズ
3チーム
ライサ、オスマン、チェス
4チーム
ベル、パーム、レオ
となった。
今日の訓練は夕暮れには終わらせ、明日に向けて早く寝た。




