60話 秘境から離れる
<リズ、聞こえているかい?>
サイネリアの声が頭に響いてきた。
「聞こえてるよ!」
<よかった。じゃあ今から言うところに来てくれ。>
サイネリアから合流場所を聞き、リズたちは指示された場所に急ぎ足で向かった。
ーーー
リズたちがその場に着くと、サイネリア、パーム、ラタム、そしてアルフがいた。
サイネリアたち3人は、何やらアルフと話をしていた。
「ズルをしたんじゃ無いだろうな?」
「ズルをしようにも、妾たちはずっとここにおったし、サイネリアは先刻きたばかりじゃ。」
「別にその場に居ずとも悪事やらなんやら働くことはできるだろう。」
「往生際が悪いパムね!だからお前は苦手なんだパム!」
「まあまあ。とりあえずリズたちと交わした約束は守ってもらうよ。」
「まあ、言ったことは守るさ。」
どうやら3人は約束が破られないように、先にアルフに話を通しておこうとしてくれたらしい。
リズたちはサイネリアたちが話し終わったのを確認し、話しかけた。
「サイネリア、これからどうするの?」
「あぁ、行く場所はもうすでに決めてあるんだよ。」
アルフは不満そうにしていたが、サイネリアはそれに気づいていないのか、はたまた気づかないふりをしているのか、とにかくアルフの事は気にせずに
「僕の森においてきてしまったものがあるんだ。それを取りに行こうと思う。」
「今言っても大丈夫なの?」
ソレイユがおずおずとサイネリアに問う。
サイネリアはソレイユを安心させるように笑顔を浮かべ
「彼らは僕たちがいないことに気づいてすぐに引き返すはずだ。なんせ彼らは人間以外の種族全てを敵に回しているからね。わざわざ敵が帰ってくるのを待っている時間なんてないさ。」
サイネリアはどうやら人間がいないことを確信しているようだ。
ソレイユはサイネリアの言葉を聞いても不安そうにしていた。
「パーム、転送してくれるかい?」
「大人数をいっぺんに転生させるのは疲れるパム……。」
「なら魔法陣でも書いたらどうじゃ?」
「あれはあれでめんどくさいパム!」
「じゃが、大人数……ましてやサイネリアのような大きな者を転送させるにはそちらの方が効率的じゃ。」
ラタムの言葉に、パームはしぶしぶ地面に術式を書き始めた。
待っている間に何かハプニングがあ凝ることもなく、リズたちはサイネリアやラタムにカルセベルのことを話した。
2人ともカルセベルのことは知らなかったようだ。
興味深そうに、リズたちの話を聞いていた。
「できたパム!」
「よし、じゃあ行こうか。」
「ルーク」
パームが一言言葉を履くと、初めて転送した時のような眩しい光が視界に広がった。
ーーー
次の瞬間、リズたちの視界には焼け野原が広がった。




