58話 紫色のカルセベル
少しずつ広場から離れていく。
目の前の女性についていくと、大きなものが見えた。
「見えますか?彼方にあるのが霧の魔法道具です。」
どうやらここからでも見える大きな人造物が霧の魔法道具らしい。
しばらく歩けばつくという女性の言葉に従い、リズたちは話すこともなく歩いた。
ーーー
目の前につくと、先ほどよりも霧の魔法道具が大きく見えた。
ストックが前に進み出て、魔法道具の様子を確かめた。
「どこにカルセベルがあるんだ?」
「こちらですが…。」
ストックが女性に聞くと、女性は少し困ったような声でカルセベルのあるところを見せてくれた。
カルセベルのある場所にはわかりやすく蓋がされていた。
慎重に蓋をあけると、中にはカルセベルがあったが、随分と長い時間使っていたためか、すでにカルセベルの中の魔力は尽きかけていた。
「本当に尽きかけていたんだな……。」
ストックが『本当だとは思わなかった』というような顔になっている。
ストックは持ってきたカルセベルの袋を一つ一つその場に並べた。
「全部試すしかないな。」
ストックは袋から一つ取り出し、魔力のなくなりかけているカルセベルと取り替えた。
まず始めに炎のカルセベルを入れた。
すると、機械は霧を出すのを止めてしまった。
ストックはすぐに次のカルセベル、水の属性を含んだカルセベルを出した。
炎のカルセベルを麻袋のようなものに入れ、水のカルセベルを入れると……
機械に変化はなかった。
それからストックは一つ一つ、取り出しては麻袋に入れ、次のカルセベルを入れていった。
ーーー
「これで最後だな。」
最後の一つ、苦労して手に入れた光のカルセベルを入れ込んでみた。
光のカルセベルにより、また機械が動き始めた!
そう言えればよかったのだが……。
「マジか……。」
「どうしたの?」
ストックが焦ったような声を出した。
ソレイユが不思議に思い聞いてみると
「光のカルセベルを入れても起動しない。」
「え!?」
カルセベルは全て試したのに、そのどれも機械には当てはまらなかった。
どうゆうことか、ストックは案内してきてくれた女性に聞いた。
「どのカルセベルも当てはまらない……どうゆうことなんだ?」
「わたしはなんとも……しかし、町長が言うには紫色のカルセベルでないと動かないように作られてるとか。」
「紫色のカルセベル?」
キキョウがびっくりして声をあげた。
紫色のカルセベルはキキョウのおじいちゃんからキキョウに渡されたものだ。
「本当にそれで動くのか?」
「えぇ…そう伺っておりますけど…。」
キキョウは徐々に魔法機械に近づき、ネックレスにしていたおじいちゃんからの贈り物である紫色のカルセベルを外した。




