56話 再び街へ
「どうなってんだ?」
コルチカムは赤い光を途絶えさせることもなく、ずっとマグマを吸収している。
マグマはどんどんと少なくなっていく。
何が何だかよくわからないが、リズたちがしばらく呆然としていると、マグマが跡形もなく吸収された。
コルチカムは赤い光を強めていた。
機械は特に壊れることもなかった。
リズたちは、この機械を作動させるところを初めて見たが、それでもストックの慌て具合でこれが普通でないことはわかった。
「とにかくカルセベルを回収しましょう。」
「あ、あぁ…。」
ソレイユがストックに採集を促し、何か問題が起こるわけでもなく、無事にカルセベルを取り出すことができた。
「できたぞ。」
「よし!早速町長に直談判だ!」
キキョウは意気込んで洞窟を抜け、ジェロンド山を降りて行った。
ふもとにつき、キキョウはフェードの街へ向かい始めた。
リズたち4人はそれについて行ったが、ストックはアジュガに戻ると言った。
チェスがカルセベルの入っている特別な麻袋を持ち、フェードの街へ向かった。
ーーー
フェードの街に着くと、つでに日が沈んでいた。
現在は秋なので、日の入りの時間が早まっているのだろう。
この街のフェードたちは夜行性のようなものなので、そろそろ起きてくるだろう。
ちらほら扉を開ける音が聞こえ始めてきたと思うと、始めてきたときのように、辺りに大声が響いた。
「まだ居たのか!」
少し年をとった、30歳後半くらいに見える男性のフェードが先ほどの大声を出したらしい。
目覚めてすぐにそんな大声が出せるものなのだなと、リズは呑気に考えていた。
「まだいただなんて……。」
「この街を乗っ取るつもりなのかしら……。」
「見ろ、変わり者のキキョウまでいるぞ…!」
事情も知らずに、野次馬がガヤガヤと騒ぎ始めた。
しかし、キキョウはそんな野次になれたのか、それともこれからすることに頭がいっぱいで、聞こえていないのだろうか?
野次馬が少しずつ増えてきたかと思うと、杖をつく音が聞こえてきた。
初めてきたときと同じような展開だったが、杖をつく音が聞こえても野次馬は口を閉ざさなかった。
先頭にいたキキョウのところまで町長がついても、野次馬の声は止まらなかった。
「町長はお優しいわね。」
「人間や変わり者の声なんて聞かなくてもよろしいのに……。」
「まるで慈悲の神様だわ……!」
何が慈悲の神様だ。
本当の神様だったらすぐに悪口を止めるはずだ。
それを抜いても、こんな奴が神様だとは到底言えない。
チェスは心の中で1人呟いていた。




